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ベール西岸諸国連合戦

隣接国の情勢

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 隣接国の情勢はと言えば・・・・・・・





 ラスタロス領の北側のイスロラ騎士連合は拠点を移したゴブリン軍団が南半分を制覇していた。

 だが、イスロラ騎士連合に押され気味だ。

 理由は東のジョル樹海連合にも手を出した為。

 それで人間族やエルフ族ではなくて、ジョル樹海連合の南3分の1を支配してたアシュロンが率いる蜘蛛族と激突して全員、餌にされてしまったから。

 それで止めてればいいのに、ほら、ゴブリンっておバカだから。

 それで半数のゴブリン消費したらしい。せっかくの上位個体を。

 本当に馬鹿なのだよ、ゴブリンってのは。





 そんな訳でリンデア領の北側のジョル樹海連合は、南側の3分の1をアシュロンが率いる蜘蛛族が支配していた。

 蜘蛛族ももう量産体制だ。

 何せ、完全版アラクネー族を量産出来るからな。蜘蛛族も1回に大量に子供を出産するし。

 そんな訳でジョル樹海の南側の森はもう蜘蛛の巣だらけ。

 使者に出向くのも大変だが、折衝しない訳にはいかない。

 ウンザリだな。





 リンデア領の東側のコール神殿国はバズ帝国の侵攻で滅亡した。

 ただの滅亡ではなく、邪教と認定されて神官、住民、皆殺しだ。

 リンデア領やマンデロ領からも邪神軍の侵攻で逃げてた権力者や住民が居たのに、それらも全員、皆殺しだった。

 まあ、それはこちらの手間が省けた訳で感謝したいくらいだが。

 問題は聖地にあった古代兵器の精霊砲だ。

 帝都を攻撃されたバズ帝国は当然のように精霊砲も破壊していた。

 ああ、何と勿体ない。

 古代兵器と言うだけあって、もう建造する技術もないのに。

 本当に人間族ってのは愚かだよな。

 そんな訳でコール神殿国は何も亡くなった。

 バズ帝国も占領しなかったので、空白地だ。

 人間族も生きてないのだから甘味はなし。

 と思うだろ?

 それがバズ帝国の連中、虐殺した住民たちを掃除してないんだよなぁ~。

 お陰で骸骨兵とゾンビのもとが何百万人と放置されててさ。

 国境に展開した塔は残ってるが【聖】系の薄い結界はもう消えてるし、

 すこぶる美味しい事になってる訳さ。





 マンデロ領の南東側のボルダ辺境は邪神軍と手を切っていた。

 理由はコール神殿国の滅亡だ。

 バズ帝国がコール神殿国の住民まで殺すと知ったコール神殿国の住民にしたら、邪神軍の支配圏に逃げるような真似はしない。

 なので、一か八かボルダ辺境に逃げて、その難民の全員が蛮族の奴隷になった。

 その数は20万ちょっと。

 それらを食わせる食糧がないので半数以上が死んでて、その魂は甘味があったが。

 『暗黒平原』の闇のカーテンに囲まれたボルダ辺境から略奪に出向ける場所はコール神殿国の他には、もうマンデロ領しかなかった訳だ。

 よって蛮族が雪崩れ込んできて、マンデロ領の人間族も夢を見て反乱を起こした訳だ。

 ボルダ辺境は平定するしかなさそうだな。






 そんな情勢だった。
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