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ゾンビは既に死んでいる。これまでの鬱憤を国境警備の要塞攻略で晴らす【後編】
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麦畑をノロノロと移動してた時は冒険者連中の攻撃ターンだったので防戦一方だったが、
この要塞攻略はオレの攻撃ターンだ。
何より土山のお陰で地中に道が掘れる。
実は余裕で国境を越えられたが、これまでの迷惑料もある。
移動中に攻撃されて負った損傷個所の修復も必要だ。
なので要塞をきっちりと落とす事にした。
手持ちの駒はオレ1人。
相手は500人。
通常ならば勝てないが、今回の戦いは兵数は関係ない。
作戦はもうとっくに考えてあり、行動に移した。
◇
下準備に30日を要した。
オレ1人だからな。
それくらいの日数が必要だった。
お陰で下準備は完璧。
もうこの城塞は落ちたも同然なのだが、落とすにはある条件が必要だった。
その条件を待つ間、暇なので、下準備を終えた夜に前祝いとして兵士を襲った。
500人以上も居る要塞だ。
3つの城壁の上には夜でも20人ずつが配備されている。
篝火台に火を燃やしての警戒だ。
そちらは動かない兵士達だった。
襲うのに適していない。
だが、要塞は広く、巡回する兵士も居る。
城壁の上に居る兵士が時々、松明を片手に2人1組で他の施設に異常がないか巡回する。
無駄に要塞が広いお陰で巡回する班は多い。
その2人1組で巡回してる兵士を襲った。
山なので樹木は多々ある。
茂みもだ。
隠れて待ち伏せし、闇の手で一瞬でその1組を同時に落とす。
松明も土を掛けて消す。
その後、2人を地中に引きずり込んで首筋を噛み、絶命させてから土の中で美味しくいただいたのだった。
そして地中に亡骸を残し、別の場所へと地中の道で移動した。
一晩で4組を美味しくいただいたのだった。
昼間は動かない。
地中で待機だ。
無論、聖マーケスト国側の地面で。
もうとっくに国境越えをしてるが、要塞を落とす為に近くの地中で待機した。
だが、翌夜を待たずに、前祝いをした翌日の昼間に要塞側からの反撃がきた。
オレが掘った地中の道に大量の油を流して引火したのだ。
つまりは火計だ。
地中に居るオレを焼く為の。
聖マーケスト国側の地中の道まで逃げてて正解だったな。
そうでなければ、オレもこの火計で丸焦げだったのだから。
そして、その火計はオレの30日の下準備にとって最悪の行動となった。
地中の道に油を流した火計が連中は自らの首を絞めたのだ。
オレが今回、この要塞落としに使った武器は『重力』だ。
要塞落としに30日の下準備が必要だったのは山の地中に道を掘るのに日数が必要だったからだ。
穴掘りに慣れていたとはいえ、平地と違い山なので、斜面の角度で掘るのが難しかったのだ。
掘ったのは移動する道だけではない。
要塞の地盤を崩壊させる為に、施設の斜面側の地面も重点的に掘った。
オレが30日の下準備をしたお陰でもう要塞の地盤はユルユルだ。
後は雨を待って土砂崩れの発生を待つだけだったのだが、
要塞側が地中の道に油を流して火計をした所為で、オレが山に生息する木の根が邪魔で道が掘れなかった地中の木の根を弱らせ、木の根が固めてた最後の地盤も遂に決壊し、
火計の4時間後には、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
大規模な土砂崩れが発生した。
エスカン王国側に。
騒音に気付いたオレが聖マーケスト国の地面から頭を出して確認したが、山の要塞の施設や城壁は土煙を上げて全部が崩れ落ちていた。
築時に山を削って平地に地ならしただけではなくて、深く掘って地中に石を積むべきだったな。
建築した当時の大工達のミスか、指摘した大工の言葉を無視した権力者のミスかは知らないが。
この土砂崩れで500人以上が籠もる国境の要塞は陥落。
戦わずして500人以上が生き埋めだ。
いや、何十人かは地上で生きてるだろうな。
だが無傷な訳がない。
全員が今の土砂崩れで負傷してるはず。
もう戦意喪失で戦える状態ではないだろうが。
そんな事情はオレには関係ない。
昼間だったがオレは地上からノロノロと歩いて向こう側まで移動し、崩れた土砂の上に居た兵士達50人程に襲い掛かったのだった。
戦いとも呼べないのでその様子を描写するまでもないが。
崩れた土砂の上に居る殆どの兵士が土砂崩れで骨を折ったり、流血したりして重症だった。
激痛で蹲ってたり、既に意識もなく倒れてる兵士も20人程居た。
半分だけ土砂に埋まり、腕や足だけが地上に出てるのも居た。
大惨事に遭って、座り込んで呆然としてる兵士達にノロノロと近付き、背後から首筋をガブリだけで事足りた。
「ギャアアアア」
と兵士が断末魔を上げても、他の負傷兵達は動けず、
「なっ? ゾンビ?」
「まさか、『リスカの悪魔』か? 本当に聖郭に来た?」
驚くだけだ。
重傷で動けないのだから。
戦う事はもちろん、逃げる事も出来ない。
次々とオレに首筋を噛まれ、
「クソォォっ! こんな時に『リスカの悪魔』が来るなんてっ!」
兵士が不運だとばかりに嘆く。
どうやらタイミングよく現れたオレが土砂崩れを起こした張本人との発想には至らなかったようだ。
「動ける奴は剣を取れっ! やるぞっ!」
「クソ、やってやるっ!」
運良く軽傷だった兵士6人が逃亡を選択せずに、ヤケッパチでオレに向かってくるが、これまでの兵士のような精彩さはない。
闇の手と爪攻撃で呆気なく全滅した。
本当に動けた兵士は6人だけだったらしい。
土砂の上に居るが動けず、剣を無駄に振り回して抵抗したり、絶望してるだけの重傷兵達の首筋を噛んで回り、
その後、オレは土砂の上で死んだ52人を美味しくいただいたのだった
◇
それにしても、
要塞が土砂崩れしたのに右山からは誰1人確認が来なかったな。
お陰で52人を半1日掛けて美味しくいただけたが。
変わってるどころか、少し異常だな、この国は。
逆に少し興味が湧いてきたが、どうする?
見聞の為だ。
あちら側の白い城壁沿いの地中を進んで、
とりあえず右山の兵士がどんな連中なのか確認しにいくか。
オレはこうして国境を突破して聖マーケスト国側が守る国境の右山へと地中から目指したのだった。
この要塞攻略はオレの攻撃ターンだ。
何より土山のお陰で地中に道が掘れる。
実は余裕で国境を越えられたが、これまでの迷惑料もある。
移動中に攻撃されて負った損傷個所の修復も必要だ。
なので要塞をきっちりと落とす事にした。
手持ちの駒はオレ1人。
相手は500人。
通常ならば勝てないが、今回の戦いは兵数は関係ない。
作戦はもうとっくに考えてあり、行動に移した。
◇
下準備に30日を要した。
オレ1人だからな。
それくらいの日数が必要だった。
お陰で下準備は完璧。
もうこの城塞は落ちたも同然なのだが、落とすにはある条件が必要だった。
その条件を待つ間、暇なので、下準備を終えた夜に前祝いとして兵士を襲った。
500人以上も居る要塞だ。
3つの城壁の上には夜でも20人ずつが配備されている。
篝火台に火を燃やしての警戒だ。
そちらは動かない兵士達だった。
襲うのに適していない。
だが、要塞は広く、巡回する兵士も居る。
城壁の上に居る兵士が時々、松明を片手に2人1組で他の施設に異常がないか巡回する。
無駄に要塞が広いお陰で巡回する班は多い。
その2人1組で巡回してる兵士を襲った。
山なので樹木は多々ある。
茂みもだ。
隠れて待ち伏せし、闇の手で一瞬でその1組を同時に落とす。
松明も土を掛けて消す。
その後、2人を地中に引きずり込んで首筋を噛み、絶命させてから土の中で美味しくいただいたのだった。
そして地中に亡骸を残し、別の場所へと地中の道で移動した。
一晩で4組を美味しくいただいたのだった。
昼間は動かない。
地中で待機だ。
無論、聖マーケスト国側の地面で。
もうとっくに国境越えをしてるが、要塞を落とす為に近くの地中で待機した。
だが、翌夜を待たずに、前祝いをした翌日の昼間に要塞側からの反撃がきた。
オレが掘った地中の道に大量の油を流して引火したのだ。
つまりは火計だ。
地中に居るオレを焼く為の。
聖マーケスト国側の地中の道まで逃げてて正解だったな。
そうでなければ、オレもこの火計で丸焦げだったのだから。
そして、その火計はオレの30日の下準備にとって最悪の行動となった。
地中の道に油を流した火計が連中は自らの首を絞めたのだ。
オレが今回、この要塞落としに使った武器は『重力』だ。
要塞落としに30日の下準備が必要だったのは山の地中に道を掘るのに日数が必要だったからだ。
穴掘りに慣れていたとはいえ、平地と違い山なので、斜面の角度で掘るのが難しかったのだ。
掘ったのは移動する道だけではない。
要塞の地盤を崩壊させる為に、施設の斜面側の地面も重点的に掘った。
オレが30日の下準備をしたお陰でもう要塞の地盤はユルユルだ。
後は雨を待って土砂崩れの発生を待つだけだったのだが、
要塞側が地中の道に油を流して火計をした所為で、オレが山に生息する木の根が邪魔で道が掘れなかった地中の木の根を弱らせ、木の根が固めてた最後の地盤も遂に決壊し、
火計の4時間後には、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
大規模な土砂崩れが発生した。
エスカン王国側に。
騒音に気付いたオレが聖マーケスト国の地面から頭を出して確認したが、山の要塞の施設や城壁は土煙を上げて全部が崩れ落ちていた。
築時に山を削って平地に地ならしただけではなくて、深く掘って地中に石を積むべきだったな。
建築した当時の大工達のミスか、指摘した大工の言葉を無視した権力者のミスかは知らないが。
この土砂崩れで500人以上が籠もる国境の要塞は陥落。
戦わずして500人以上が生き埋めだ。
いや、何十人かは地上で生きてるだろうな。
だが無傷な訳がない。
全員が今の土砂崩れで負傷してるはず。
もう戦意喪失で戦える状態ではないだろうが。
そんな事情はオレには関係ない。
昼間だったがオレは地上からノロノロと歩いて向こう側まで移動し、崩れた土砂の上に居た兵士達50人程に襲い掛かったのだった。
戦いとも呼べないのでその様子を描写するまでもないが。
崩れた土砂の上に居る殆どの兵士が土砂崩れで骨を折ったり、流血したりして重症だった。
激痛で蹲ってたり、既に意識もなく倒れてる兵士も20人程居た。
半分だけ土砂に埋まり、腕や足だけが地上に出てるのも居た。
大惨事に遭って、座り込んで呆然としてる兵士達にノロノロと近付き、背後から首筋をガブリだけで事足りた。
「ギャアアアア」
と兵士が断末魔を上げても、他の負傷兵達は動けず、
「なっ? ゾンビ?」
「まさか、『リスカの悪魔』か? 本当に聖郭に来た?」
驚くだけだ。
重傷で動けないのだから。
戦う事はもちろん、逃げる事も出来ない。
次々とオレに首筋を噛まれ、
「クソォォっ! こんな時に『リスカの悪魔』が来るなんてっ!」
兵士が不運だとばかりに嘆く。
どうやらタイミングよく現れたオレが土砂崩れを起こした張本人との発想には至らなかったようだ。
「動ける奴は剣を取れっ! やるぞっ!」
「クソ、やってやるっ!」
運良く軽傷だった兵士6人が逃亡を選択せずに、ヤケッパチでオレに向かってくるが、これまでの兵士のような精彩さはない。
闇の手と爪攻撃で呆気なく全滅した。
本当に動けた兵士は6人だけだったらしい。
土砂の上に居るが動けず、剣を無駄に振り回して抵抗したり、絶望してるだけの重傷兵達の首筋を噛んで回り、
その後、オレは土砂の上で死んだ52人を美味しくいただいたのだった
◇
それにしても、
要塞が土砂崩れしたのに右山からは誰1人確認が来なかったな。
お陰で52人を半1日掛けて美味しくいただけたが。
変わってるどころか、少し異常だな、この国は。
逆に少し興味が湧いてきたが、どうする?
見聞の為だ。
あちら側の白い城壁沿いの地中を進んで、
とりあえず右山の兵士がどんな連中なのか確認しにいくか。
オレはこうして国境を突破して聖マーケスト国側が守る国境の右山へと地中から目指したのだった。
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