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新議長誕生、真心を込めた説得(えっ、違うって?)、300な
しおりを挟むナガン諸島連合で議会が開かれて、新たな議長が誕生した。
その名はスレイ・ナルバ。
前任の議長の娘で、空軍トップの人物である。
溢れんばかりの拍手の中でスレイが議長として演説をしていた。
オーケイ。
分かってるよ、おまえらの言いたい事は。
ドヤ顔で『おまえがやったんだろ』って言いたいんだろ?
えっ、違う?
どうやって議長を交代させたのかを知りたい?
やれやれ。
物を知らないな、おまえらは。
誠心誠意、真心を込めてお願いしたら伝わるものなんだよ、こういうのは。
「信じられないなのだ。問答無用で全員ボコるなんてあり得ないなのだ。吾輩が想像してた乗っ取りとは全然違うなのだ」
チャーリーが何か言ってるが無視だ。
『ご主人様、言っちゃなんだけど、これはすぐに瓦解するピョン』
影からアルが呆れてるが無視だ。
オレは満足げに新議長誕生に議会で立ち会いながら、回想したのだった。
◇
ナガン諸島連合は14島の連合国家だが、それ以外にも無人島はある。
官邸を燃やされた当日の夜、
その1つの無人島で、
「ごぉらぁぁぁぁっ! オレ様を攫ってただで済むと思ってやがるのかぁぁぁぁっ!」
きっとビックリしたんだろう。
動揺した戦闘力280の40代の人間のオッサンはそう息巻いていたが、
オレが誠心誠意、魂のこもった拳(いや、触りたくなかったので蹴りだが)で語り明かすと、
「・・・イデデデデ、暗殺者を送ったのは大陸追従派で、ワシは関係ないっ! ガオス代表だ、絶対にっ! グオオオオ、アナタ様に逆らいませんから命だけは助けて下さいっ!」
熱意が伝わったのか泣きながらオレのブーツの下で平伏しながら説得に応じてくれた。
「本当かしら?」
「・・・イデデデ、もちろんです。一生アナタ様には逆らいません」
なんてブーツの下で言ってるが、
おまえらだったら、それを信じてそのままリリースするか?
えっ?
帰しちゃうの?
ないない。
そんな事したら家来の許に帰ると同時に忠誠を誓った舌の根も乾かない口で、
「勇者に攫われたっ! アイツはただの犯罪者だっ!」
って喚き散らすに決まってるだろうが。
実際に何度かそんな経験、オレあるし。
こういう時はな。
「なら、隷属の契約を受けられるわよね?」
オレが提案した。
「・・・な、何ですか、それは?」
「『絶対服従』の契約。まあ、私は滅多に命令は出さないから裏切り防止かしら? 裏切らないのなら受けられるわよね?」
「・・・で、ですが」
オレの言葉を警戒しながらも、ミシミシッと足に力を入れると、オッサンは、
「・・・グアアアアア、受けます、受けますから」
そんな訳で魔法陣の発動だ。
オレとオッサン、それに2人を中心に。
つまりは3つの魔法陣が重なって出現し、
「両手を上にして水を掬うように出して」
「は、はい」
オレは人差指から雫を垂らした。
血じゃない。
輝く雫だ。
気とも魔力とも厳密には違う。
強さの雫だった。
両手でオッサンが受けるとそのまま体内に吸収されて、
「ウオオオオ、力が漲るぅぅぅっ! 何ですか、これは?」
「隷属になった証かしら? すぐに死なれたら困るから少し力も与えておいたわ。ざっと、倍くらい強くなったかしらね?」
これは本当だ。
隷属への雫はオレの強さの1000分の1からで、今が16万チョイだから、160でも良かったが。
死なれたら困るので倍近い300を与えていた。
+300でコイツの戦闘力は580。
もう雑魚じゃない。
まあ、すぐに死なれたら困るからな。
「ただ少し筋肉痛で苦しむかもね。それじゃあ、くれぐれも裏切らないように。裏切りの罰則はかなり凄いから、この術式」
オレはそう言って、ようやくボコッたオッサンをリリースしたのだった。
因みに、今のはまだまともな方の説得だった。
何せ、初対面の印象が『不合格』の奴には、
「グアアアアアアアア・・・勇者殿、何を? ワシは何も・・・」
「さっさと代表を引退すると言いなさい」
「グオオオ・・・ど、どうして、ワシが・・・」
「何もしてないからよっ! 私が賊に襲われても何もしなかった。そんな無能はいらないのよっ!」
「ギャアアアアア・・・そんな一方的な・・・」
「なら私が代表を引退させてあげるわ、【影喰】っ!」
オレは魔法を発動。
オレの影から現れた鮫の口が不合格の爺さんの影の半分を喰らう。
「ギャアアアアアア」
爺さんは悲鳴を上げたが、その後、爺さんの影は上半身が消えてなくなっていた。
つまりな。
肉体、精神、幽体ってある訳だが、
それらが無事でも、影が消えた場所は作用してないって訳さ。
ちゃんと生きてるぞ。
生かす為にわざわざ影だけを喰ってるって事だ。
これでもう上半身は使い物にならない。
頭もな。
だが、ちゃんと生きてる。
廃人だがな。
やりすぎだって?
いやいや、これも総てナガン諸島連合の未来の為さ。
勇者祭のあった日の晩だったので14島の代表の内、7人が帰らず本島のクロス島で宿泊したお陰で代表への説得は簡単に済んだ。
◇
問題はクロス島から勇者祭の当日に宿泊したくなくて帰った連中の方だ。
つまりは大陸追従派。
その首魁はガオス代表だった。
何者かと言えば、勇者祭でオレが2番目に戦った戦闘力410の狼人だ。
ダメだ。
まったく顔を思い出せない。
年齢すら覚えてなくて、オレが分かるのは戦闘力が410の狼人の男って事だけだ。
もし同じ戦闘力410の狼人が居たら誤爆してしまうかも。
そんな危機感を覚えて、新聞に載ってた代表の顔写真で確認してから、
堂々と翌日にオオチ島に向かってガオスと会ったのだった。
「何か用か?」
50代の狼人だった。紺色の髪で白が一房あった。
戦闘力410なのだから筋肉質でもある。
まあ、オッサンだからこれ以上の描写はいいか。
「昨日、宿泊してた官邸が燃えましてね」
「それは災難だっ・・・ひぶしゃああっ!」
とぼけた発言をしたので回し蹴りをしてしまったぜ。
ドゴッと殴られたガオスはギャグのように壁を人型の穴を残して、隣の部屋へと吹き飛んび、
「てめえ」
「族長に何しやがるっ!」
と側近のA~Fが襲いかかってきたので全員を一撃で『天井に首だけでぶら下がる刑』に処してやった。
「ちょ、ちょ、いいの、ご主人様?」
昨夜はオレの単独行動だったので、今日同行して初めてオレの説得を見たアシュが驚いて尋ねる中、オレがさらっと、
「問題ないわ」
そう言ったが、肩のチャーリーが、
「問題ありまくりなのだ。昨夜から滅茶苦茶なのだ」
「そうなの、チャーリー?」
「独立派も大陸派もお構いなしなのだ」
「ご主人様、いいの?」
「だって、誰が官邸を燃やしたのか分からないんだし」
オレは壁に開いた人型の穴を通って隣室に移動すると、ガオスは情けない事に白眼を剝いて気絶していた。
ドゴッと踏むように腹に蹴りを入れて起こしてやる。
「うごふうっ! 貴様ぁぁぁっ!」
そのまま踏んだ足に力を入れて、
「グオオオオオっ! 待て待て、それ以上、足に力を・・・」
「昨日、宿泊してる屋敷を燃やされたのよねえ?」
「グオオオオっ! ワシではないぞっ! 官邸はワシラは警戒されてて滅多に近付けんし、入ったとしても護衛と称する監視が付くからな」
おっと、新証言が出てきた。
オレは足を緩めながら、
「そうなの?」
「そうだ。官邸のはワシではないぞ」
「雑魚の偽勇者を殺せってのは?」
「それはワシかな、テへ・・・グオオオオオオオっ!」
オッサンが可愛く言っても許す訳ないだろうがっ!
少しだけ足の力を緩めてやって、
「私のオウムにちょっかいを出されたの知ってる?」
「グオオオ・・・知らん。何だ、それは?」
「ヒント、タンテト連合の軍船」
「・・・まさか、あの沈没・・・いや、だが、あれは欠陥だったからじゃあ」
「木を隠すには森の中ってね」
オレが言った意味を正確に理解したオッサンが、
「・・・待て。それ以上喋るな。聞きたくないぞ、そんな話」
「それでね。私、タンテト連合が嫌いなの。手を切ってくれる?」
「イエロ将国とは繋がってていいのか?」
「いいけど、あっちはもうすぐ潰れるわよ」
「どうしてだ?」
「だって、私を襲ってきたし」
「待て、聞きたくない」
「それでね。主義変えして欲しいの」
「独立派なんぞにはならんぞ」
「ああ、独立路線派じゃないわ。勇者心酔派になってくれるだけでいいから」
「はあ、何だ、それは?」
「私を崇める組織。今、全員をボコって従わせてる最中なのよ」
「ふざけるな。ワシらの国だぞ・・・グオオオオオオっ!」
生意気な事を言ったので、オレはブーツの足に力を入れた。
「イヂヂヂヂ・・・待て、マジで腹が千切れる。ってか漏れそうだから」
さすがにブリッとされたら嫌なので足の力を緩めた。
「従うの、従わないの、どっち?」
「・・・分かった、従うから」
「じゃあ、絶対服従の隷属の術式も受けられるわよね?」
「・・・いや、それはさすがに・・・イヂヂヂヂヂヂっ」
「受けられるわよね?」
「・・・受けるから、早く足を・・・」
こうしてガオスも+300の戦闘力を与えて従えたのだった。
そんな訳で大陸追従派の残る3人の説得工作はガオスに任せた。
◇
問題はヒルンって奴だ。
誰かと言えば、勇者祭では一番にオレに突っ掛かってきた戦闘力630の虎人だ。
コイツはさすがに覚えてる。
黄金装飾をジャラジャラと付けた40代で精悍な顔立ちの筋骨隆々の奴だ。
面もちゃんと覚えてる。
戦闘力500以上はどんな裏技を使ってるのか興味を引くからな。
コイツも勇者祭の当日に島に帰ってるが・・・
帰ったのは大陸追従派だからではない。
なら何故帰ったんだって?
おいおい、勇者祭であんな負け方をしたんだぜ?
恥ずかしくって逃げるように帰ったからに決まってるだろ。
つまりは武人って訳だ。
そんな訳でオレがモフス島のソイツの屋敷を訪問したら、
「もう1回勝負しろ」
オレの訪問理由を聞く前にそう言ってきた。
いいね、そういうの。
分かりやすくて。
「いいわよ。何で勝負するの?」
「場所はここ、真っ向勝負だっ!」
言うと同時に殴り掛かってきた。
戦闘力630だから常人からしたら早い方だろう。
まあ、オレには通用しなかったがな。
だから身体を半歩横にズラして、手首を掴んで、バタンッと地面の石畳に叩き付けてやった。
「グハッ」
オレは手首を掴んだまま、重量を無視して、頭の上に腕を振って反対側にバタンッとソイツを叩き付ける。
「グハッ」
それを何回か繰り返し、
「グハッ」
「グハッ」
「グハッ」
ボロボロになったところで、
「もういい?」
「・・・おまえが強いのは理解した(ガクッ)」
とオッサンは気絶したのだった。
そんな訳で、治癒室で治癒術師に治療をされてる中、
「何しに来たんだ?」
「議長になって貰いたくて」
「ならないぞ」
「どうして? なりたがってるって聞いたけど」
「それは昔の話だ。議長になったら戦場に出れなくなるらしいからな」
「あら、そうなの?」
「少なくとも防衛以外の戦場はダメらしい」
それはつまり。
「えっ? どこかに攻める気なの?」
「勇者殿が巨大クジラを進呈してくれたお陰で食糧問題が解決したからな。それに、タンテト連合では軍船が全部沈んだとかでな。少なくとも今なら連中の領域に出られる。だが議長じゃあ無理だろ?」
あらら、結果的にオレが侵攻の手伝いをした訳ね。
「なら、誰が議長だといいかしら?」
「今の議長でいいんじゃないのか?」
「あの男はダメよ。官邸焼失を許す無能だから」
「ふむ。あれが議長の仕業だという噂は本当だったって訳か」
おっと、そんな噂まで流れてるのか。
「なら、娘はどうだ? スレイ? 空軍トップのポストも空くし」
とのオッサンの提案で、
「ああ、あの女将軍。では、それでいきましょう」
こうして簡単に決まり、
そうそう。
治療が終わった後、人が居なくなったところで、
「少しズルになるけど強くなる気はない?」
「強くはなりたいが、ズルってどんな?」
「私の隷属になるの」
「それって奴隷って意味だよな?」
「まあね」
このオッサンなら合格だ。
「命令は滅多にしないわ」
「・・・」
「どうする?」
「・・・おまえならいいだろ。オレに勝ってるから」
おっと同意するとは思わなかったが受けたか。
そんな訳で、この男も隷属に加わった。
特別サービスで500を与えて戦闘力は1130。
戦争でこの男が活躍するのが眼に見えるな。
◇
そして、
ナガン諸島連合の議会が開かれて、島の新代表4人が挨拶をしただけで終わるはずが、緊急動議が出されて、『官邸焼失の責任』を問わされて議長が罷免。
巨大クジラの譲渡の功績を持つスレイがあっという間に、新議長に就任したのだった。
元議長が何か凄い顔と殺気で傍聴席に居るオレを睨んでるが、無視どこかオレは笑顔で手を振って返してやった。
「信じられないなのだ。問答無用で全員ボコるなんてあり得ないなのだ。吾輩が想像してたた乗っ取りとは全然違うなのだ」
『ご主人様、言っちゃなんだけど、これはすぐに瓦解するピョン』
チャーリーと影の中のアルの言葉を無視して、
オレは満足げに新議長が誕生する議会を傍聴したのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
登場人物。
戦闘力280・・・マシルド。独立路線派。イトール島代表。島の真珠業組合長。議長の右腕だった。
不合格の奴・・・リック・ジェム。コモ島代表。独立路線派だが、裏でタンテト連合と密貿易をしていた。
地名。
イトール島・・・ナガン諸島の1つ。名産品は真珠。
コモ島・・・ナガン諸島の1つ。名産品は珊瑚と砂糖。
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