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第7章 冬休み
なら友達でいいわ【ルビアside】
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新年の挨拶の際に国王陛下を狙ったヴァンパイア3人は全員生け捕りにされた。
別室の映像が鏡に映し出されてる。
「誰に頼まれた?」
「親は誰だ?」
「どこに住んでいる?」
国王陛下の命を狙ったのだ。
尋問など生温い。
最初から拷問されており、
「ギャアアア」
とヴァンパイア達は悲鳴を上げてたけど、まあ、無駄でしょうね。
ヴァンパイアってのは口が異常に固いから。
正確には【血の制約】って奴で、自分を作った上位個体を裏切れなくなってる。
お陰でヴァンパイアの雑魚は狩れても、ミリアリリー王国に根付いたヴァンパイア社会を潰す事は出来ずにいた。
それにしても、
「アナタって本当に役に立つわね。いい加減、私の親衛隊に入りなさい」
私は同室に居た仮面を被ったエニスに声を掛けた。
「だから嫌ですって」
私の申し出を断るなんて相変わらず可愛くないわね。
「もう魔物と無理に戦わせたりしないから」
「そんな事よりも、あのヴァンパイア達の口をどうにか割らせられないんですか?」
私の親衛隊に入る事がそんな事?
まあ、陛下の暗殺未遂事案だから確かにそっちの方が優先だけど。
「出来るなら、とっくにやってるわよ」
「ですよね。なら、わざと逃がして泳がせるというのは?」
「無理ね。作戦に失敗したら何人かのクビが飛ぶし、それに逃げるとは限らないから。今日の襲撃なんて成功率はどう考えてもゼロだでしょ? 捨て石の可能性は十分あるから、また玉砕覚悟で陛下の命を狙うとも限らないし」
「想像以上に厄介ですね、ヴァンパイアって。 ブルドール学園でも10人以上のヴァンパイアに逃げられたんでしたっけ?」
仮面を被ったエニスが確認してきたので、
「ええ、御前対校戦の翌日に選手にヴァンパイアが紛れてたブルドール学園に騎士団が調査に出向いた時には生徒や教師、合わせて12人が消えていたわ」
「ったく」
「ねぇ。それよりも私の部下に・・・」
「なりませんって」
と否定されたので、私は、
「なら友達でいいわ。私の友達になりなさい」
「? 王女様なんだから友達にも不自由してないはずでしょ?」
「それが不自由してるのよ。1人も居ないんだから」
私は真顔で答えた。
別に私の性格がわがままだからじゃない。
王族だから対等の友達が居ないだけだ。
「ーーああ、格上過ぎて。そういう苦労もあるんですね、王族には。まあ、贅沢な悩みですが」
「ねぇ。友達に・・・」
私がエニスにこだわるのは強い以前に、王族の私の事を敬っていなかったからだと思う。
意外に貴重なのだ、そういう存在は。
「友達は部下と違って何でも従う訳じゃないんですよ?」
エニスが言うので、
「分かってるわ」
「友達は友達の秘密を無理に暴こうとはしないものなんですよ?」
「ええ。聞かないわ」
「王宮には出向きませんからね?」
「大丈夫よ、私の方が騎士団長の御屋敷に出向くから」
「あのですねぇ~」
「それよりも友達に・・・・・・」
「友達ってのは自然になるものなんですよ。命令とかお願いじゃなく」
「なら、いいのね?」
「ええ、もちろん」
エニスがそんな男前な返事をして、私は友達を得たのだった。
別室の映像が鏡に映し出されてる。
「誰に頼まれた?」
「親は誰だ?」
「どこに住んでいる?」
国王陛下の命を狙ったのだ。
尋問など生温い。
最初から拷問されており、
「ギャアアア」
とヴァンパイア達は悲鳴を上げてたけど、まあ、無駄でしょうね。
ヴァンパイアってのは口が異常に固いから。
正確には【血の制約】って奴で、自分を作った上位個体を裏切れなくなってる。
お陰でヴァンパイアの雑魚は狩れても、ミリアリリー王国に根付いたヴァンパイア社会を潰す事は出来ずにいた。
それにしても、
「アナタって本当に役に立つわね。いい加減、私の親衛隊に入りなさい」
私は同室に居た仮面を被ったエニスに声を掛けた。
「だから嫌ですって」
私の申し出を断るなんて相変わらず可愛くないわね。
「もう魔物と無理に戦わせたりしないから」
「そんな事よりも、あのヴァンパイア達の口をどうにか割らせられないんですか?」
私の親衛隊に入る事がそんな事?
まあ、陛下の暗殺未遂事案だから確かにそっちの方が優先だけど。
「出来るなら、とっくにやってるわよ」
「ですよね。なら、わざと逃がして泳がせるというのは?」
「無理ね。作戦に失敗したら何人かのクビが飛ぶし、それに逃げるとは限らないから。今日の襲撃なんて成功率はどう考えてもゼロだでしょ? 捨て石の可能性は十分あるから、また玉砕覚悟で陛下の命を狙うとも限らないし」
「想像以上に厄介ですね、ヴァンパイアって。 ブルドール学園でも10人以上のヴァンパイアに逃げられたんでしたっけ?」
仮面を被ったエニスが確認してきたので、
「ええ、御前対校戦の翌日に選手にヴァンパイアが紛れてたブルドール学園に騎士団が調査に出向いた時には生徒や教師、合わせて12人が消えていたわ」
「ったく」
「ねぇ。それよりも私の部下に・・・」
「なりませんって」
と否定されたので、私は、
「なら友達でいいわ。私の友達になりなさい」
「? 王女様なんだから友達にも不自由してないはずでしょ?」
「それが不自由してるのよ。1人も居ないんだから」
私は真顔で答えた。
別に私の性格がわがままだからじゃない。
王族だから対等の友達が居ないだけだ。
「ーーああ、格上過ぎて。そういう苦労もあるんですね、王族には。まあ、贅沢な悩みですが」
「ねぇ。友達に・・・」
私がエニスにこだわるのは強い以前に、王族の私の事を敬っていなかったからだと思う。
意外に貴重なのだ、そういう存在は。
「友達は部下と違って何でも従う訳じゃないんですよ?」
エニスが言うので、
「分かってるわ」
「友達は友達の秘密を無理に暴こうとはしないものなんですよ?」
「ええ。聞かないわ」
「王宮には出向きませんからね?」
「大丈夫よ、私の方が騎士団長の御屋敷に出向くから」
「あのですねぇ~」
「それよりも友達に・・・・・・」
「友達ってのは自然になるものなんですよ。命令とかお願いじゃなく」
「なら、いいのね?」
「ええ、もちろん」
エニスがそんな男前な返事をして、私は友達を得たのだった。
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