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第7章 冬休み
ヴァルゼート半島の戦慄【ルビアside】
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冬、海は荒れる。
大型の海洋系の魔獣が餌である獲物を求めて浅瀬の海岸に出没する事も多数あった。
ミリアリリー王国ではヴァルゼート半島がその最前線だった。
その半島の戦力強化の為に海兵の育成機関が創設されてるくらいだ。
そして、現在、ミリアリリー王国の現国王陛下の第2王女である私は、その冬のヴァルゼート半島にきていた。
通常は来れない。
危険過ぎるから。
でも今回に限っては日帰りを条件に国王陛下が渋々折れた。
危険じゃないからだ。
正確には私の身の安全が保障されてるから。
騎士団長宅に居るエニスを同行する事で、だけど。
ギィギャギャギャギャギャギャッ!
浜辺でそう断末魔を上げて絶命したのは150メートルサイズの海蛇竜だった。
竜と名前にあるが、竜種ではない。
海蛇の災害級サイズだった。
「これで2頭目」
と呻くように呟いたのは私の親衛隊長のターベラだった。
私と私の親衛隊は浜辺にはいない。危険だから。
飛竜で上空に居て、浜辺の戦闘を観戦してるだけだった。
ターベラが2頭目と言ったのは、浜辺には既に70メートル級の蟹鯨の怪物が死骸が横たわっていたからだ。
まあ、それもエニスが倒した訳だけど。
海蛇竜はその蟹鯨の死骸を得ようとして浜辺にやってきて、仮面を被った女騎士姿のエニスにたった今、倒されたところだった。
輪斬りどころか、縦斬りに捌かれて。
「姫様、もうこの辺で終わりに・・・・・・」
「でも、また来たわよ」
海を見れば、今度は80メートル級のウネウネした触手を持つダイオウイカが迫っていたので私が指差した。
ブビャアアアアアアアアアアッ!
まあ、そのダイオウイカも一刀でエニスが真っ二つにしたんだけどね。
結局、エニスはその日、2時間の滞在で災害級の海洋魔獣を15頭倒した。
素材の回収などは無理で15頭の死骸を浜辺に放置したまま、私達はその日の内に王都ラサリリーに飛竜で帰った訳だけど・・・
野晒しにされた巨大魔獣の死骸の山を見て、地元の人達は恐怖を覚えたそうだ。
その野晒しにされた死骸を求めて巨大魔獣がその後も多数浜辺に集まり、死骸の取り合いで殺し合いを始め・・・
もう誰にも手が付けられず・・・
不祥事となった事でエニスの功績はミリアリリー王国の闇へと葬られたけどね。
そして「ヴァルゼート半島の戦慄」としてだけヴァルゼート半島地方の歴史書に記されたのだった。
「このバカ者がっ!」
翌日、王宮で私も甘々の国王陛下に思いっきり怒られたけどね。
バレて。
「視察名目で出向いておきながらーーいや、それ以前に資源として活用出来る海洋魔獣を倒すだけ倒して浜辺に野晒しにして帰ってくるなど一体何を考えてるんだ、ルビアっ!」
「だって、エニスが・・・」
「その名は使うなっ! ミリアリリー王国の騎士団だ。いいなっ!」
と訂正されて、私は仕方なく、
「ミリアリリー王国の騎士団がハッスルしちゃうから」
「嘘を言えっ! ルビアが無理矢理戦わせたんだろうがっ! 騎士団長を通じて女騎士から苦情も来ているんだぞっ!」
「えっ? 苦情? どんな?」
「もう絶対にルビア様のお守りはしないって」
「お守りだなんて失礼ね」
「そもそもアヤツを無駄に使うなっ! 必要な時にヘソを曲げられたら、どうするつもりだっ? ルビアは新年まで王宮からの外出禁止っ! いいなっ!」
「はぁ~い」
私は渋々とそう国王陛下に返事したのだけど、
やっぱりエニスはいいわ。
そう思ったのだった。
大型の海洋系の魔獣が餌である獲物を求めて浅瀬の海岸に出没する事も多数あった。
ミリアリリー王国ではヴァルゼート半島がその最前線だった。
その半島の戦力強化の為に海兵の育成機関が創設されてるくらいだ。
そして、現在、ミリアリリー王国の現国王陛下の第2王女である私は、その冬のヴァルゼート半島にきていた。
通常は来れない。
危険過ぎるから。
でも今回に限っては日帰りを条件に国王陛下が渋々折れた。
危険じゃないからだ。
正確には私の身の安全が保障されてるから。
騎士団長宅に居るエニスを同行する事で、だけど。
ギィギャギャギャギャギャギャッ!
浜辺でそう断末魔を上げて絶命したのは150メートルサイズの海蛇竜だった。
竜と名前にあるが、竜種ではない。
海蛇の災害級サイズだった。
「これで2頭目」
と呻くように呟いたのは私の親衛隊長のターベラだった。
私と私の親衛隊は浜辺にはいない。危険だから。
飛竜で上空に居て、浜辺の戦闘を観戦してるだけだった。
ターベラが2頭目と言ったのは、浜辺には既に70メートル級の蟹鯨の怪物が死骸が横たわっていたからだ。
まあ、それもエニスが倒した訳だけど。
海蛇竜はその蟹鯨の死骸を得ようとして浜辺にやってきて、仮面を被った女騎士姿のエニスにたった今、倒されたところだった。
輪斬りどころか、縦斬りに捌かれて。
「姫様、もうこの辺で終わりに・・・・・・」
「でも、また来たわよ」
海を見れば、今度は80メートル級のウネウネした触手を持つダイオウイカが迫っていたので私が指差した。
ブビャアアアアアアアアアアッ!
まあ、そのダイオウイカも一刀でエニスが真っ二つにしたんだけどね。
結局、エニスはその日、2時間の滞在で災害級の海洋魔獣を15頭倒した。
素材の回収などは無理で15頭の死骸を浜辺に放置したまま、私達はその日の内に王都ラサリリーに飛竜で帰った訳だけど・・・
野晒しにされた巨大魔獣の死骸の山を見て、地元の人達は恐怖を覚えたそうだ。
その野晒しにされた死骸を求めて巨大魔獣がその後も多数浜辺に集まり、死骸の取り合いで殺し合いを始め・・・
もう誰にも手が付けられず・・・
不祥事となった事でエニスの功績はミリアリリー王国の闇へと葬られたけどね。
そして「ヴァルゼート半島の戦慄」としてだけヴァルゼート半島地方の歴史書に記されたのだった。
「このバカ者がっ!」
翌日、王宮で私も甘々の国王陛下に思いっきり怒られたけどね。
バレて。
「視察名目で出向いておきながらーーいや、それ以前に資源として活用出来る海洋魔獣を倒すだけ倒して浜辺に野晒しにして帰ってくるなど一体何を考えてるんだ、ルビアっ!」
「だって、エニスが・・・」
「その名は使うなっ! ミリアリリー王国の騎士団だ。いいなっ!」
と訂正されて、私は仕方なく、
「ミリアリリー王国の騎士団がハッスルしちゃうから」
「嘘を言えっ! ルビアが無理矢理戦わせたんだろうがっ! 騎士団長を通じて女騎士から苦情も来ているんだぞっ!」
「えっ? 苦情? どんな?」
「もう絶対にルビア様のお守りはしないって」
「お守りだなんて失礼ね」
「そもそもアヤツを無駄に使うなっ! 必要な時にヘソを曲げられたら、どうするつもりだっ? ルビアは新年まで王宮からの外出禁止っ! いいなっ!」
「はぁ~い」
私は渋々とそう国王陛下に返事したのだけど、
やっぱりエニスはいいわ。
そう思ったのだった。
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