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第6章 冬の乙女祭
至福の時間って何よ【パリナside】
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妹が出来てから私の通学はエニスと一緒だ。
騎士団長宅に下宿してるエニスが騎士団の蜥蜴車で、我が家に訪ねてきてアスレオット家の狼車に乗って一緒に通学する。
車内では手を繋いだり、イチャイチャ喋ったりして過ごす。
でも、まだキスは無理ね。
自分から言うのはハードルが高過ぎて。
多頭魔狼が騎士団によって退治された翌朝、私はエニスと一緒に狼車に乗って通学していた。
問題は今朝のその車内に、もう1人の同乗者が居る事だ。
何故か、第2王女のルビア様が同乗していた。
20歳で、長い金髪の巻き毛のわがまま王女様。
今はドレスではなくて、ミリアリリー王国の女騎士の身なりだった。
どうしてルビア様がここに居るのかと言うと、エニスの蜥蜴車の後から、王家の紋章付きの狼車が我がアスレオット家に入ってきて、そのまま私が家の狼車に乗り込んたからだ。
そして更に問題なのが喋ってる内容だった。
「本当にアナタが昨日の魔狼を1人で倒したの?」
だった。
そうなの?
あの仮面の女騎士ってエニスの事だったの?
まあ、納得だけど。
エニスの強さなら。
でも、エニスは口止めされてるのか、
「さぁ~、知りませぇ~ん」
「とぼけなくてもいいのよ、陛下と騎士団長の会話を盗み聞きしたから」
さすがはわがまま王女様ね。
エニスも同じ事を思ったのか、
「盗み聞きだなんて、はしたないんですね、王女様って」
「そんな事よりも、本当かどうかを聞いてるの」
「知りませぇ~ん。後、朝からの訪問は止めて貰えます? せっかくのお姉さまを独り占め出来る至福の時間の邪魔ですから」
こら、エニス。
至福の時間って何よ。
ホント、エニスだけは。
困ったものね、ったく。
・・・私、顔ニヤけてないわよね?
「本当、アナタって可愛くないわね。私の親衛隊に入りなさいよ?」
「嫌に決まってるじゃないですか。私には師から課せられた使命があるんですから」
「何なの?」
私は既に知ってる。
エニスに教えて貰ったから。
「さあ、何だったかしら?」
「言いなさいよ。冤罪で逮捕させるわよ」
このわがまま王女様ならやりかねない、と思った私がエニスに、
「教えてさしあげなさい」
と口添えして、エニスが、
「ヴァンパイアの真祖狩りですよ」
「へぇ~。なら、断然、私の傍に居た方がいいじゃないの」
「どうしてです?」
「だって、私の傍に居たら情報がすぐに入るわよ」
「騎士団長の御屋敷とそれほど変わらないと思いますけど?」
と喋ってる内に、ミリアリリー女学園に到着したのだけれど、
「では、私達は登校しますので」
「待って。アナタの実力が見たいわ。狩猟に付き合いなさい。今日の放課後でいいから」
とのルビア様の申し出は私としてもタイムリーだったので、
「あら、いいお誘いじゃないの。お受けなさい、エニス」
「お姉さま、私を冬の乙女祭に出場させようという思惑が透けてますわよ?」
「あら、何の事かしら? ともかくお姉さま命令よ。王女様と狩猟に出向く事」
「ええぇ~」
「いいわね」
と私が言明し、ルビア様が、
「じゃあ、迎えの狼車を放課後に寄越すわね」
「はぁ~い」
エニスはテンションを下げて返事したのだった。
騎士団長宅に下宿してるエニスが騎士団の蜥蜴車で、我が家に訪ねてきてアスレオット家の狼車に乗って一緒に通学する。
車内では手を繋いだり、イチャイチャ喋ったりして過ごす。
でも、まだキスは無理ね。
自分から言うのはハードルが高過ぎて。
多頭魔狼が騎士団によって退治された翌朝、私はエニスと一緒に狼車に乗って通学していた。
問題は今朝のその車内に、もう1人の同乗者が居る事だ。
何故か、第2王女のルビア様が同乗していた。
20歳で、長い金髪の巻き毛のわがまま王女様。
今はドレスではなくて、ミリアリリー王国の女騎士の身なりだった。
どうしてルビア様がここに居るのかと言うと、エニスの蜥蜴車の後から、王家の紋章付きの狼車が我がアスレオット家に入ってきて、そのまま私が家の狼車に乗り込んたからだ。
そして更に問題なのが喋ってる内容だった。
「本当にアナタが昨日の魔狼を1人で倒したの?」
だった。
そうなの?
あの仮面の女騎士ってエニスの事だったの?
まあ、納得だけど。
エニスの強さなら。
でも、エニスは口止めされてるのか、
「さぁ~、知りませぇ~ん」
「とぼけなくてもいいのよ、陛下と騎士団長の会話を盗み聞きしたから」
さすがはわがまま王女様ね。
エニスも同じ事を思ったのか、
「盗み聞きだなんて、はしたないんですね、王女様って」
「そんな事よりも、本当かどうかを聞いてるの」
「知りませぇ~ん。後、朝からの訪問は止めて貰えます? せっかくのお姉さまを独り占め出来る至福の時間の邪魔ですから」
こら、エニス。
至福の時間って何よ。
ホント、エニスだけは。
困ったものね、ったく。
・・・私、顔ニヤけてないわよね?
「本当、アナタって可愛くないわね。私の親衛隊に入りなさいよ?」
「嫌に決まってるじゃないですか。私には師から課せられた使命があるんですから」
「何なの?」
私は既に知ってる。
エニスに教えて貰ったから。
「さあ、何だったかしら?」
「言いなさいよ。冤罪で逮捕させるわよ」
このわがまま王女様ならやりかねない、と思った私がエニスに、
「教えてさしあげなさい」
と口添えして、エニスが、
「ヴァンパイアの真祖狩りですよ」
「へぇ~。なら、断然、私の傍に居た方がいいじゃないの」
「どうしてです?」
「だって、私の傍に居たら情報がすぐに入るわよ」
「騎士団長の御屋敷とそれほど変わらないと思いますけど?」
と喋ってる内に、ミリアリリー女学園に到着したのだけれど、
「では、私達は登校しますので」
「待って。アナタの実力が見たいわ。狩猟に付き合いなさい。今日の放課後でいいから」
とのルビア様の申し出は私としてもタイムリーだったので、
「あら、いいお誘いじゃないの。お受けなさい、エニス」
「お姉さま、私を冬の乙女祭に出場させようという思惑が透けてますわよ?」
「あら、何の事かしら? ともかくお姉さま命令よ。王女様と狩猟に出向く事」
「ええぇ~」
「いいわね」
と私が言明し、ルビア様が、
「じゃあ、迎えの狼車を放課後に寄越すわね」
「はぁ~い」
エニスはテンションを下げて返事したのだった。
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