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第4章 イザベラの羽化と生徒会選挙

えっと、勉強もお姉さまに教わってるの?【ラライアside】

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 私のクラスに居るイザベラさんが体力系の授業で突出し始めたのには驚いたけど、今度は座学でも頭角を現し始めた。

 勉強は苦手だったはずなのに。

 あれ?

 もしかしてミリアリリー女学園1年生の座学首位の私の地位が脅かされてる?

 でも、いくらお姉さまが勉強を見ても、こんなにすぐに勉強が出来るものなのかしら?

 特別な勉強法がある?

 それとも、まさか、本当は最初から勉強が出来てたのに、実力を隠してた?

 真相が知りたくなった私は殆ど喋った事のなかったクラスメイトのイザベラさんに、

「えっと、イザベラさん、勉強もお姉さまに教わってるのかしら?」

「いえ、教わってないわよ。お姉さまに教わってるのは戦闘訓練だけだから」

 虎皮の帽子を被ったイザベラさんが答えた。

 この帽子、何かマヌケよね。

 もしかして、周囲を油断させる為に、わざと被ってる?

「なら、どうして突然、勉強が出来るようになったの?」

「えっと、実は授業中もお姉さまに【強化】の練習をしろって言われてて、こっそりと使ってるんだけど」

 何か私が聞きたくもない訳の分からない事を言い始めたわ。

 やっぱりおバカさんなの?

 と私が思ってると、

「私の場合、【闘気】と【魔力】の両方を使った【強化】は【身体】だけじゃなくて【頭脳強化】も含めた【完全強化】って奴で、教科書とかを読んでたら、何故か、スラスラと頭の中に入ってくるというか」

 とんでもない事をイザベラさんが言い始めた。

 イザベラさんが言った言葉の意味をしんに理解した私は思わず喉をゴクリッと鳴らした程だ。

「待って」

 今、凄い事をさらりと言ったわよ、このイザベラさん。

 でも、その事実に、もしかして気付いてない?

「【頭脳強化】って【身体強化】の高等技法で、文字通り、頭脳を強化する?」

 私が恐る恐る質問すると、

「ええ、お姉さまが言うには」

 イザベラさんの言葉を聞いて私は嫌な予感を覚えながら、

「まさかとは思うけど、授業以外で勉強とかは・・・・・・」

「してないわよ、そんなの。放課後にお姉さまに剣でシゴかれてて、夜は疲れてすぐに寝ちゃうから」

「反則じゃないのっ! 私は何時間も勉強してるのにっ!」

 私はそう絶叫したけど、別に悪い事じゃない。

 【頭脳強化】を禁止したら【身体強化】も使えなくなる。

 叫んだ私にキョトンとするイザベラさんに対して、

「そう。凄いのね、アナタって」

 敗北感を覚えながら、私は自分の席に戻っていった。
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