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序章 はじまり
師匠に騙された【エドニスside】
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せっかく1人で地竜を倒したのに、毎度の事ながら師匠がガミガミと五月蠅い。
「いい加減にしろ、エドニスっ! 今回は魔力戦闘の練習だから【太陽光気】は使わずに地竜を狩れと言ったじゃろうがっ!」
そう言ったオレの師匠は自称100歳のチンチクリンの爺さんだ。
だが、まあ、洒落にならないくらい強いんだが。
森の落ちてる棒切れというか、細長い枝でも地竜くらい鼻歌交じりで倒せるからな。
オレは名前を呼ばないが、時々師匠の許を訪ねてくる連中は師匠の事を「レード様」と呼んでる。
今は森でオレと一緒に暮らしてるが、どうも元はどっかの王国の重鎮っぽい。
オレはその師匠に物心付いた頃から鍛えられた16歳の少年だった。
茶髪の美少年。
それがオレだ。
森で竜肉とかを食い放題だから、16歳の割に身長も高い。
あっ、巨漢じゃないぞ。
長身痩躯って奴だ。
そして、これが一番重要な事だが、ともかくオレは強かった。
何せ、滅茶苦茶強い師匠に鍛えられて10年以上が経つ。
お陰で16歳ながら【闘気】の最高峰の【太陽光気】まで会得してるからな、オレって。
だから、もう地竜だって1人で余裕で狩れる訳だが・・・・・・・
師匠はそれでは満足しない爺さんだった。
「いいじゃん、師匠。地竜はちゃんと1人で狩ったんだからさ」
とのオレの答えに、
「【太陽光気】でじゃろうがっ? 【太陽光気】にばっかり頼りよってっ! 【太陽光気】が封印されたらどうするつもりじゃ?」
「【闘気】はともかく【神聖属性】の【太陽光気】を封印とか、そんな事出来るの?」
「暗黒神殿では稀にあるぞ。一時的なら、邪神の力を借りた魔法陣やアイテムとかも」
「へぇ~」
「そんな罠に掛かった時の為に魔力戦闘を極めておけ、とワシは言っておるんじゃ。ちゃんと技法の方は総て教えてあるんじゃからっ! 後は実践で・・・」
「でもさぁ~、地竜相手に【太陽光気】なしだと剣1本だと8時間以上掛かるしぃ~。それに男は【闘気】、女は【魔力】なんだろ?」
「まあ、一概には言えんが・・・・・・統計的に言えばそうじゃな」
「なら、いいじゃん。不得意な魔力戦闘なんて、わざわざ覚えなくても」
とオレはそう正論を言ったが、
「それはエドニスが未熟じゃからじゃろうがっ! ワシなんて不得意でもちゃんと極めたぞっ!」
師匠はまだまだエキサイトしていた。
「じゃあ、地竜の解体は【魔力】の【身体強化】でやるから」
「当然じゃ」
その後も、オレが地竜を解体中、ずっと師匠はグチグチと文句を言っていた。
そしてその日の晩に「それ」は起こった。
「エドニス、これを飲め」
拠点にしてる古代遺跡の一室で師匠がオレにその瓶を渡してきた。
「ナニ、これ?」
「魔法薬じゃ。魔力戦闘の威力が飛躍的上がる」
さらりと言う師匠にオレは非難するように、
「そんな便利な物があるなら、どうして最初から出さないんだよ、師匠?」
「楽して習得するなど外法じゃからな」
「楽してでも習得出来るんなら言いに決まってるじゃん」
と言ったオレは疑わずに瓶の栓を抜いてゴクゴクッと一気に魔法薬を飲んだのだが・・・
直後に、ドクンッとの心音と共に、
「グアアアアアアアアアア」
オレの全身に激痛が駆け巡った。
椅子に座ってられないくらいの痛さだった。
つーか、全身が熱い。
毒じゃないのか、これって?
冷たい石畳の床に倒れながら、
「ちょ、師匠・・・何だ、これ?」
「うん? 魔力戦闘の威力が飛躍的に上がる魔法薬じゃよ。但し、ちょいと全身が痛いがな」
ニヤリと笑う師匠に、
「先に言えぇぇぇぇぇぇぇっ! グアアアアアアアア」
非難しながらも、オレは全身の激痛と熱さで気絶したのだった。
「いい加減にしろ、エドニスっ! 今回は魔力戦闘の練習だから【太陽光気】は使わずに地竜を狩れと言ったじゃろうがっ!」
そう言ったオレの師匠は自称100歳のチンチクリンの爺さんだ。
だが、まあ、洒落にならないくらい強いんだが。
森の落ちてる棒切れというか、細長い枝でも地竜くらい鼻歌交じりで倒せるからな。
オレは名前を呼ばないが、時々師匠の許を訪ねてくる連中は師匠の事を「レード様」と呼んでる。
今は森でオレと一緒に暮らしてるが、どうも元はどっかの王国の重鎮っぽい。
オレはその師匠に物心付いた頃から鍛えられた16歳の少年だった。
茶髪の美少年。
それがオレだ。
森で竜肉とかを食い放題だから、16歳の割に身長も高い。
あっ、巨漢じゃないぞ。
長身痩躯って奴だ。
そして、これが一番重要な事だが、ともかくオレは強かった。
何せ、滅茶苦茶強い師匠に鍛えられて10年以上が経つ。
お陰で16歳ながら【闘気】の最高峰の【太陽光気】まで会得してるからな、オレって。
だから、もう地竜だって1人で余裕で狩れる訳だが・・・・・・・
師匠はそれでは満足しない爺さんだった。
「いいじゃん、師匠。地竜はちゃんと1人で狩ったんだからさ」
とのオレの答えに、
「【太陽光気】でじゃろうがっ? 【太陽光気】にばっかり頼りよってっ! 【太陽光気】が封印されたらどうするつもりじゃ?」
「【闘気】はともかく【神聖属性】の【太陽光気】を封印とか、そんな事出来るの?」
「暗黒神殿では稀にあるぞ。一時的なら、邪神の力を借りた魔法陣やアイテムとかも」
「へぇ~」
「そんな罠に掛かった時の為に魔力戦闘を極めておけ、とワシは言っておるんじゃ。ちゃんと技法の方は総て教えてあるんじゃからっ! 後は実践で・・・」
「でもさぁ~、地竜相手に【太陽光気】なしだと剣1本だと8時間以上掛かるしぃ~。それに男は【闘気】、女は【魔力】なんだろ?」
「まあ、一概には言えんが・・・・・・統計的に言えばそうじゃな」
「なら、いいじゃん。不得意な魔力戦闘なんて、わざわざ覚えなくても」
とオレはそう正論を言ったが、
「それはエドニスが未熟じゃからじゃろうがっ! ワシなんて不得意でもちゃんと極めたぞっ!」
師匠はまだまだエキサイトしていた。
「じゃあ、地竜の解体は【魔力】の【身体強化】でやるから」
「当然じゃ」
その後も、オレが地竜を解体中、ずっと師匠はグチグチと文句を言っていた。
そしてその日の晩に「それ」は起こった。
「エドニス、これを飲め」
拠点にしてる古代遺跡の一室で師匠がオレにその瓶を渡してきた。
「ナニ、これ?」
「魔法薬じゃ。魔力戦闘の威力が飛躍的上がる」
さらりと言う師匠にオレは非難するように、
「そんな便利な物があるなら、どうして最初から出さないんだよ、師匠?」
「楽して習得するなど外法じゃからな」
「楽してでも習得出来るんなら言いに決まってるじゃん」
と言ったオレは疑わずに瓶の栓を抜いてゴクゴクッと一気に魔法薬を飲んだのだが・・・
直後に、ドクンッとの心音と共に、
「グアアアアアアアアアア」
オレの全身に激痛が駆け巡った。
椅子に座ってられないくらいの痛さだった。
つーか、全身が熱い。
毒じゃないのか、これって?
冷たい石畳の床に倒れながら、
「ちょ、師匠・・・何だ、これ?」
「うん? 魔力戦闘の威力が飛躍的に上がる魔法薬じゃよ。但し、ちょいと全身が痛いがな」
ニヤリと笑う師匠に、
「先に言えぇぇぇぇぇぇぇっ! グアアアアアアアア」
非難しながらも、オレは全身の激痛と熱さで気絶したのだった。
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