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はじまり
このイケメン集団なんなんだよ
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「ん……えぇ?」
虎杖2号によるセクハラの末眠ってしまっていた俺を待ち受けていたのはデカいイケメン達だった。何故かベッドに寝かされようやっと上半身起こしたのにこの仕打ちなんて、何か悪いことしたっけ。
最初に目に入ったのは俺から見て中央にいた腕を組む大男。190㎝以上はある白髪白肌筋肉なオールバックマッチョマン。虎杖2号と同じ制服着てやがるそいつは、お手本のような綺麗な金眼で、分かりやすい二重のせいかそれが黄色ではなく金色だとバッチリ伝わる。鼻が高くてはっきりとした顔立ちだ。
どのパーツも自己主張が激しいのに全く喧嘩していない、確実に日本人は持たない白い髪もナイスアクセントだ。
「おーすげー目が黒じゃん、初めて見た」
目を覗き込んできたのは茶色髪の褐色美男子だった。しかもやっぱり背デケーなおい、気持ち虎杖2号以上はありそうだ。俺のような低身長陰の者からすれば褐色の高身長なんて嫌な予感しかしないが、子供のような人懐っこい笑顔が映える俺程ではないがちょっと童顔気味で、変に安心してしまった。
童顔と言っても俺みたいなロリやショタと勘違いされる類のものではなく、大きい口にパッチリとした目、笑った時に目が細くなるあの感じ、後はシンプルに動きとかそこら辺も含めて小さい男の子の面影だけが残っている感じの童顔だ。
「す、凄いですね。小さいのに声が低くて成体で、黒髪黒眼で、異国情緒溢れるけどあどけなくて……本で読んだ天使様みたい」
「本当だ。特にこの黒い目。この世界の人間で黒い目を持っている奴なんて聞いたことないぞ」
「うん。やっぱり天使様だよ!」
うわ畳みかけるようにイケメンを投下してくるな。えっとまずは、ずげー本物の金髪碧眼じゃん、アニメでしか見たことないけど二次元に引けを取らないぐらい綺麗だ、ここはイケメンが標準なの?
次に眼鏡をかけたクリーム色の長くて艶っぽい髪を低いところで結んでいる、異世界ものの医者みたいな背の高いイケメンだ、背が高いのも標準かよ。低身長の元々なかった人権をマイナスに振り切るな。
そんで最後は虎杖2号……虎杖2号じゃねえか!!!
「おいテメェ絶対に許さんぞ! 俺の大事に取っておいたハジメテ返しやがれ!」
気を失うまではあんなに重くて熱かった身体は嘘のように俺のいうことを聞いて奴に飛びかかった。虎杖2号の上半身にへばりついて押し倒そうとしたが、ここまで体格差があるとそれすら厳しく、寧ろ抱き止められる形になってしまった。悔しい、畜生め。虎杖2号が何故か嬉しそうなのも気に食わない。
「えっと……天使様、先程はご無体を働いてしまい申し訳ございませんでした! 御体はもう大丈夫そうですね」
……ん? 想像の斜め上な発言が来たぞ。この声すらも虎杖にくりそつなこいつは何を言っているんだ。
「おー元気そうでよかった。でも一応診察はしておこうか」
「いきなり天使様呼びって、スターお前気が早えよ」
「変わったお洋服だね、ここら辺のものではなさそうだけど」
「天使様、ビーフジャーキー食うか?」
待て待て俺にも分かるように状況を教えてくれ。その医者っぽい奴この状況をなんとかした欲しい、1番年長者っぽいし。天使様って誰だよここに来て知らん奴の名を出すな。虎杖2号お前スターって名前だったんだな、初めて知った、心の中だけとはいえ今まで散々2号呼ばわりして悪かった。あとビーフジャーキーは食べる、ちょっとお腹空いたし。
掴み掛かった手を離して、白くて金色な筋肉マッチョが差し出して来たビーフジャーキーを貰った。うん。ちゃんとビーフジャーキーだ。日本にあったものより肉厚で歯応えがある、塩味も疲労が溜まった体によく効いた。
「ちゃんとご飯は食べるのか、食欲は問題なしと……ねえ、君のお名前を聞かせてもらっていいかな?」
__そういや俺こいつらは愚かいたどr……違うスター? にすら名乗ってなかったな。極限状態すぎて忘れていた。オマケに名前も知らないやつが初めての手コキ相手な上に今も俺を抱っこしてることも思い出した。まあいいわこれはこの際、本当は全然良くないけどこの状況下で色々考えすぎるのは辛かった。
「朝日奈一(あさひな はじめ)。朝日奈が苗字というより家名で、一が名前な」
この国のルールがいまいち掴めないから兎に角事細かに名前を名乗ったつもりだ。どうしようこれで家名とはなんぞやとかその次元だったら。
「へぇー天使様のいた世界にも家名ってあるんだな」
「まあな。ってかその天使様ってなんだ?」
「……あれ、ハジメは天使様じゃないのか?」
なんだそれは全く身に覚えがない。どこをどう見たらこんな身長も低くて地味で童顔な俺を天使だのなんだのと思うんだ。勘違いの仕方が謎すぎる。
「でもこんなにちっちゃいのに精通してて、髪も目も真っ黒で彫りが浅い。天使様以外に説明つかんだろ」
なんだこの褐色茶髪の陽キャ。チビはオナる権利すらないと言いたいのか、自分が180後半ぐらいあるからって好き勝手言いやがって。あと黒髪黒眼で顔が平たいのは日本人の特徴だ、お前らジパングに行ってみろ腐るほどいるぞ。
「黒髪黒眼、彫りが浅いのが沢山?」
「おう。俺が住んでた国、というより俺のいた世界にはそういうのが沢山住んでる所があるんだよ」
「聴くだけですごい楽園だ……いや天国?」
「まあ天使様が住んでたんだから天界みたいなものだろうね」
「ハジメはその天界から来たんだろ? やっぱ天使様じゃん」
……なんだこの、なんだ?
俺は低身長を救う魔術を使った、そしたらなんかこんなわけわからない世界に連れてかれて、天使扱いされて。しかも周り見たらこの部屋物が空いてたり魔法の薬っぽいの作ってる鍋あったり、もろ魔法と魔術の世界って感じだ。
どうにもならない程に多勢に無勢、この場からの解放を願いながら、別の意味で疲れてきた身体を再び奮い立たせた。
虎杖2号によるセクハラの末眠ってしまっていた俺を待ち受けていたのはデカいイケメン達だった。何故かベッドに寝かされようやっと上半身起こしたのにこの仕打ちなんて、何か悪いことしたっけ。
最初に目に入ったのは俺から見て中央にいた腕を組む大男。190㎝以上はある白髪白肌筋肉なオールバックマッチョマン。虎杖2号と同じ制服着てやがるそいつは、お手本のような綺麗な金眼で、分かりやすい二重のせいかそれが黄色ではなく金色だとバッチリ伝わる。鼻が高くてはっきりとした顔立ちだ。
どのパーツも自己主張が激しいのに全く喧嘩していない、確実に日本人は持たない白い髪もナイスアクセントだ。
「おーすげー目が黒じゃん、初めて見た」
目を覗き込んできたのは茶色髪の褐色美男子だった。しかもやっぱり背デケーなおい、気持ち虎杖2号以上はありそうだ。俺のような低身長陰の者からすれば褐色の高身長なんて嫌な予感しかしないが、子供のような人懐っこい笑顔が映える俺程ではないがちょっと童顔気味で、変に安心してしまった。
童顔と言っても俺みたいなロリやショタと勘違いされる類のものではなく、大きい口にパッチリとした目、笑った時に目が細くなるあの感じ、後はシンプルに動きとかそこら辺も含めて小さい男の子の面影だけが残っている感じの童顔だ。
「す、凄いですね。小さいのに声が低くて成体で、黒髪黒眼で、異国情緒溢れるけどあどけなくて……本で読んだ天使様みたい」
「本当だ。特にこの黒い目。この世界の人間で黒い目を持っている奴なんて聞いたことないぞ」
「うん。やっぱり天使様だよ!」
うわ畳みかけるようにイケメンを投下してくるな。えっとまずは、ずげー本物の金髪碧眼じゃん、アニメでしか見たことないけど二次元に引けを取らないぐらい綺麗だ、ここはイケメンが標準なの?
次に眼鏡をかけたクリーム色の長くて艶っぽい髪を低いところで結んでいる、異世界ものの医者みたいな背の高いイケメンだ、背が高いのも標準かよ。低身長の元々なかった人権をマイナスに振り切るな。
そんで最後は虎杖2号……虎杖2号じゃねえか!!!
「おいテメェ絶対に許さんぞ! 俺の大事に取っておいたハジメテ返しやがれ!」
気を失うまではあんなに重くて熱かった身体は嘘のように俺のいうことを聞いて奴に飛びかかった。虎杖2号の上半身にへばりついて押し倒そうとしたが、ここまで体格差があるとそれすら厳しく、寧ろ抱き止められる形になってしまった。悔しい、畜生め。虎杖2号が何故か嬉しそうなのも気に食わない。
「えっと……天使様、先程はご無体を働いてしまい申し訳ございませんでした! 御体はもう大丈夫そうですね」
……ん? 想像の斜め上な発言が来たぞ。この声すらも虎杖にくりそつなこいつは何を言っているんだ。
「おー元気そうでよかった。でも一応診察はしておこうか」
「いきなり天使様呼びって、スターお前気が早えよ」
「変わったお洋服だね、ここら辺のものではなさそうだけど」
「天使様、ビーフジャーキー食うか?」
待て待て俺にも分かるように状況を教えてくれ。その医者っぽい奴この状況をなんとかした欲しい、1番年長者っぽいし。天使様って誰だよここに来て知らん奴の名を出すな。虎杖2号お前スターって名前だったんだな、初めて知った、心の中だけとはいえ今まで散々2号呼ばわりして悪かった。あとビーフジャーキーは食べる、ちょっとお腹空いたし。
掴み掛かった手を離して、白くて金色な筋肉マッチョが差し出して来たビーフジャーキーを貰った。うん。ちゃんとビーフジャーキーだ。日本にあったものより肉厚で歯応えがある、塩味も疲労が溜まった体によく効いた。
「ちゃんとご飯は食べるのか、食欲は問題なしと……ねえ、君のお名前を聞かせてもらっていいかな?」
__そういや俺こいつらは愚かいたどr……違うスター? にすら名乗ってなかったな。極限状態すぎて忘れていた。オマケに名前も知らないやつが初めての手コキ相手な上に今も俺を抱っこしてることも思い出した。まあいいわこれはこの際、本当は全然良くないけどこの状況下で色々考えすぎるのは辛かった。
「朝日奈一(あさひな はじめ)。朝日奈が苗字というより家名で、一が名前な」
この国のルールがいまいち掴めないから兎に角事細かに名前を名乗ったつもりだ。どうしようこれで家名とはなんぞやとかその次元だったら。
「へぇー天使様のいた世界にも家名ってあるんだな」
「まあな。ってかその天使様ってなんだ?」
「……あれ、ハジメは天使様じゃないのか?」
なんだそれは全く身に覚えがない。どこをどう見たらこんな身長も低くて地味で童顔な俺を天使だのなんだのと思うんだ。勘違いの仕方が謎すぎる。
「でもこんなにちっちゃいのに精通してて、髪も目も真っ黒で彫りが浅い。天使様以外に説明つかんだろ」
なんだこの褐色茶髪の陽キャ。チビはオナる権利すらないと言いたいのか、自分が180後半ぐらいあるからって好き勝手言いやがって。あと黒髪黒眼で顔が平たいのは日本人の特徴だ、お前らジパングに行ってみろ腐るほどいるぞ。
「黒髪黒眼、彫りが浅いのが沢山?」
「おう。俺が住んでた国、というより俺のいた世界にはそういうのが沢山住んでる所があるんだよ」
「聴くだけですごい楽園だ……いや天国?」
「まあ天使様が住んでたんだから天界みたいなものだろうね」
「ハジメはその天界から来たんだろ? やっぱ天使様じゃん」
……なんだこの、なんだ?
俺は低身長を救う魔術を使った、そしたらなんかこんなわけわからない世界に連れてかれて、天使扱いされて。しかも周り見たらこの部屋物が空いてたり魔法の薬っぽいの作ってる鍋あったり、もろ魔法と魔術の世界って感じだ。
どうにもならない程に多勢に無勢、この場からの解放を願いながら、別の意味で疲れてきた身体を再び奮い立たせた。
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