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弾けて、混乱
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両の手首をぐっと掴まれた。脇腹から抱きしめる形をとっていたもんだから、その手を取られたらもうなす術はなかった。そのまま引っ張られるように両手から持ち上げられた。間近で顔を見た、身体が熱で試合された今の俺には顔をもう抵抗する意思はなく、ただその顔を見ることしかできなかった。
「いい加減にしろ……エロい顔でエロい事してんじゃねえよ」
「あ、あ……真田?」
真田仁。俺が無意識に体重を預けてしまい、更にはあんな事をしてしまった、可哀想なその男は、真田仁だった。今まで散々喧嘩に使ってきたであろうその筋肉質な腕で俺を掴んで離さない。
切羽詰まった、完璧に標的を俺にした雄の顔を見て、俺の中で何かが弾けた。目の奥のチカチカした小さいなにかが破裂したような、そんな感触だった。そして、世界が吹っ飛んだ。
「んっ、、あぁあア!ヤだ、待って待っ…ムリだからぁ~……」
身体が、頭が真っ白に吹き飛んだ。帰ってきたと思ったら、同時にもう一つ何か、とてつもなく気持ちいい物も溢れてくる。そうこれは、信じがたい事だが認めざるおえない、快楽だ。身体の力がことごとく奪われる、思考力が剥奪される、精神が凌辱されて、隠しておきたい隠さなくてはならないよく僕や思いが赤裸々になる。周りの気持ちいい視線も相まって本当にどうにかなりそうだ。
しばらくその快楽をなんとか逃がそうともがき苦しんだ。いきすぎた快楽は恐怖であること、今日初めて知った。こんなにも絶頂を無限に感じているのに肝心の俺のそれはナニかを放出する事なくただ熱を持つばかり。これは一体なんなのだろう、分からない。でもこれだけは言えた、生涯の中のどんな事より気持ちよかった。身体を芯から作り替えられるような、危うく人生観が変わりそうなほど。
「お、おい!どうしたんだよ!」
腕を掴んだだけなのに泣きながら暴れる踊り子を見て、真田は俺の身体を押さえつけるように抱きしめた。確かにあのままだと俺は転倒してしまったかも知れない、でも今の俺にはそれ以外にも間違った効果が出ることをきっとこいつは知らない。
「や、ヤ……! ちか、っちかい、からぁあ!」
そうなんだ、近すぎる。俺は一体どうしちまったんだ、こんな経験今まであったこともない。こんなAVの女みたいな声が自分の口から出ることも、そんな俺を見て興奮して勃起するやつがいる事も、そいつの顔が近いだけで気持ち良くなってる事も、全部俺の知らない事だ。助けてくれ、死んじまう。そうなんだ。死ぬ、という言葉が思い上がるほどに今の俺は心身ともに限界だった。
「離、して!ンッ……も、も、もう…げんかい、なんらよ!」
俺より大きい、180㎝は超えてるだろう真田相手に必死に抵抗した。といってももう力のちのじも出ない今の状態でこいつの鍛えられてる腹筋をポカポカと情けなく殴る事しか出来ない、それでも手についている鈴がその程度の動きでシャリンシャリンと音を立てていたけれど。身体もなんとかとモゾモゾと動かして反抗の意思を見せる。
「巳陽、まだ俺はお前をどうしようとかそんなんじゃねえ……おい」
あの感触がした。コリッとする感触のアレだ焦っているのは一目瞭然だった。何で萎えてないんだよ、ほぼ逃げ回っているのと変わらないのに。ひょっとして俺が悪いのか?頭がボーッとして考えがまとまらない。体が熱くていうことを聞かない、誰か、誰でもいいから助けて欲しい。目の前の男がひょっとしたら助けてくれるかもしれない。そんな考えとも言えないただの願望を持ってしまった。
波のような快楽の余韻が骨の髄まで残る中、抵抗をやめて殴っていた両腕で縋り付くように抱きしめた。股より少し上、腰の方にあたっているそれを気にしながら。
「真田、、おれ、どうしよう…助けて、なぁ助けてくれよ~」
助けて欲しい。紛れもない本心だった。こんなに錯乱とした頭にしてはちゃんと意思表示出来たつもりだ。だけれど真田の反応は違うものだった。
「いい加減にしろ……エロい顔でエロい事してんじゃねえよ」
「あ、あ……真田?」
真田仁。俺が無意識に体重を預けてしまい、更にはあんな事をしてしまった、可哀想なその男は、真田仁だった。今まで散々喧嘩に使ってきたであろうその筋肉質な腕で俺を掴んで離さない。
切羽詰まった、完璧に標的を俺にした雄の顔を見て、俺の中で何かが弾けた。目の奥のチカチカした小さいなにかが破裂したような、そんな感触だった。そして、世界が吹っ飛んだ。
「んっ、、あぁあア!ヤだ、待って待っ…ムリだからぁ~……」
身体が、頭が真っ白に吹き飛んだ。帰ってきたと思ったら、同時にもう一つ何か、とてつもなく気持ちいい物も溢れてくる。そうこれは、信じがたい事だが認めざるおえない、快楽だ。身体の力がことごとく奪われる、思考力が剥奪される、精神が凌辱されて、隠しておきたい隠さなくてはならないよく僕や思いが赤裸々になる。周りの気持ちいい視線も相まって本当にどうにかなりそうだ。
しばらくその快楽をなんとか逃がそうともがき苦しんだ。いきすぎた快楽は恐怖であること、今日初めて知った。こんなにも絶頂を無限に感じているのに肝心の俺のそれはナニかを放出する事なくただ熱を持つばかり。これは一体なんなのだろう、分からない。でもこれだけは言えた、生涯の中のどんな事より気持ちよかった。身体を芯から作り替えられるような、危うく人生観が変わりそうなほど。
「お、おい!どうしたんだよ!」
腕を掴んだだけなのに泣きながら暴れる踊り子を見て、真田は俺の身体を押さえつけるように抱きしめた。確かにあのままだと俺は転倒してしまったかも知れない、でも今の俺にはそれ以外にも間違った効果が出ることをきっとこいつは知らない。
「や、ヤ……! ちか、っちかい、からぁあ!」
そうなんだ、近すぎる。俺は一体どうしちまったんだ、こんな経験今まであったこともない。こんなAVの女みたいな声が自分の口から出ることも、そんな俺を見て興奮して勃起するやつがいる事も、そいつの顔が近いだけで気持ち良くなってる事も、全部俺の知らない事だ。助けてくれ、死んじまう。そうなんだ。死ぬ、という言葉が思い上がるほどに今の俺は心身ともに限界だった。
「離、して!ンッ……も、も、もう…げんかい、なんらよ!」
俺より大きい、180㎝は超えてるだろう真田相手に必死に抵抗した。といってももう力のちのじも出ない今の状態でこいつの鍛えられてる腹筋をポカポカと情けなく殴る事しか出来ない、それでも手についている鈴がその程度の動きでシャリンシャリンと音を立てていたけれど。身体もなんとかとモゾモゾと動かして反抗の意思を見せる。
「巳陽、まだ俺はお前をどうしようとかそんなんじゃねえ……おい」
あの感触がした。コリッとする感触のアレだ焦っているのは一目瞭然だった。何で萎えてないんだよ、ほぼ逃げ回っているのと変わらないのに。ひょっとして俺が悪いのか?頭がボーッとして考えがまとまらない。体が熱くていうことを聞かない、誰か、誰でもいいから助けて欲しい。目の前の男がひょっとしたら助けてくれるかもしれない。そんな考えとも言えないただの願望を持ってしまった。
波のような快楽の余韻が骨の髄まで残る中、抵抗をやめて殴っていた両腕で縋り付くように抱きしめた。股より少し上、腰の方にあたっているそれを気にしながら。
「真田、、おれ、どうしよう…助けて、なぁ助けてくれよ~」
助けて欲しい。紛れもない本心だった。こんなに錯乱とした頭にしてはちゃんと意思表示出来たつもりだ。だけれど真田の反応は違うものだった。
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