BL 生徒会長が怖い

13話 捕まった

結局、昼休みも南原さんは俺の教室に来ず、その後の授業も無事に終えることができた。今日の授業は残り1時間。

しかし、平穏は続かなかった。

今日は無事に帰れるかも...とか生ぬるいことを考えながら、教科書を片付けたり、次の授業の準備をしていると、ついに南原さんは再び姿を現した。

もちろんお仕置きの恐怖から、油断などしていなかった俺は、その存在にいち早く気付き、素早く教室から逃げだした。そして廊下を全力で駆け抜ける。しかし。

「うわっ！！！？」
「ククッ...捕まえた♪」

朝と違って、思いの外すぐに捕らえられてしまった俺は焦って暴れる。

「なんでっ！？今日の朝は...！」

「わざと逃がしたに決まっているだろう。あの時捕らえても十分な罰は与えられないからな。」

確かにそれはそうだろうなとは思っていた。そもそも、それが狙いだったのだから。

授業前は時間が無いから、例え捕まったとしても大丈夫だと、放課後さえなんとか逃げ切ることができればいいのだと考えていた。

それなのに何で。

「い、今俺を捕まえたって、同じじゃないですか...！まだ授業は一時間残ってる！授業まで、あと５分もないですよ？
...まさか、生徒会長ともあろう人が、授業をサボったりしませんよね！？」

「もちろんだよ。俺はサボったりなんかしない。
サボるのは、お前だけだよ坂北くん。
さぁ、大人しくついてこい。」

「え...それってどういう...」

どういう意味ですか？と問う前に、右手首をこれでもかというくらいに強く引かれ、抵抗もむなしく引きずられるように歩かされる。

「痛い痛い！手、離してください！どこに連れてくつもりですか！？...やだ...！」

廊下を歩く他の生徒たちから、あわれみの目を向けられながら、俺は生徒会室に連れ込まれるのだった。