178 / 341
178話 嫉妬 7
しおりを挟む「んーっ、んーっ、あっ、ああっ...! 」
ぽとり。
ようやく体内から排出することができたローターが長椅子に落ちた。
はぁ、はぁ、と荒い呼吸を繰返しながら、一瞬ほっとして放心状態になるが、すぐに自分のやったことを思い出して、羞恥に泣き崩れた。
「ふえええぇ! ばかっ...! 南原さんのばか! 変態! ばかあぁ...! 」
あまりの羞恥に暴言を吐きながら、まるで子供のように泣きじゃくる。
恥ずかしすぎて、もう今すぐ逃げ出したいっ...!
「よしよし、上手にできたな。」
南原さんは、そんな俺を抱き寄せて、宥めるように背中をトントンと一定の感覚で優しく叩いてくれた。
南原さんがドSなのは分かってる、分かってるけどっ...!
「こん、なの、恥ずかしい...です...うぅ...ひっく...」
俺は、ぎゅうっと南原さんにしがみつき、涙を止めようと身を震わせながら唇を噛んだ。
「なら、やっぱりもう離れるか? 」
え...
思いがけない言葉に、はっとして顔を上げる。
挑戦的な笑みを浮かべつつも、どこか不安げな南原さんの表情に気づいた俺は、すぐにフルフルと首を降った。
「離れ、ません...ぐすっ...」
強い意思を伝えるように、真っ直ぐに南原さんを見てはっきりと言い切る。
俺は、南原さんが意地悪だからという理由で離れることはしない。だって、それを踏まえてでも南原さんが好きだから。
それに...
「み、南原さんに、苛められるの怖いけど...嫌じゃないっていうか...。」
「ククッ、ついにMに目覚めてしまったか? 」
「っ...違います! 」
南原さんは、俺を可愛いと思ってくれているから、余計に意地悪をしたくなるのだと言っていた。
つまり、意地悪をされるたびに可愛いと言われているようなもので。そんなの、嬉しくないわけがないのだ。
でも、やっぱり怖いものは怖いし、恥ずかしいものは恥ずかしいよ...。
だから、つい抵抗したり、泣いちゃったりするけれど、南原さんは、そんな俺の様子を見たいから意地悪をして来るのだろう。
だったら、いちいち柄にもなく気にしないで欲しい。なんだかこっちも調子が狂う。
「お、俺は、そのままの南原さんが...好きですから。 」
照れて、ムスッとした声になってしまったが、俺がそう言った途端、余裕のない顔をした南原さんが、ガバッと俺に覆い被さって来た。
13
お気に入りに追加
1,057
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる