171 / 341
171話 弱点確定?
しおりを挟む「西村さん。あの、南原さんの弱点って...」
先程途切れてしまった話が気になり、西村さんをチラリと伺う。
すると西村さんは、「あーそうそう、その話だったね」と続けた。
「南原ってさ、なんかいつも偉そうじゃん? 俺ら同い年なのにさ。できるなら対等になりたいわけ。でもあいつ、隙がなくて弱さを見せないんだよねー。で、それなら、作っちゃおうっておもって!」
あー、東山さんも確か前に対等になりたいとか言ってたような...。
確かに、同級生に「従え!」とか言われるのはなかなか腹が立つかもしれない。
つまり、俺が南原さんの恋人になったということは...。
「これで、あいつが何か気にくわないことを言ってきたときには、俺たちは坂北くんを盾にして対等に南原と渡り合える! やったぁ! 」
そういうことか。
だから俺と南原さんをくっつけたのか。
ばんざいのポーズで無邪気に喜ぶ西村さん。
俺の中で、腹黒策士という異名を勝手に西村さんに付けた。
「いや、というか俺を巻き込まないで下さい。」
南原さんと戦うための道具にされるなんて冗談じゃない。
南原さんは、もし俺がピンチになったら、体育倉庫の時みたいに駆けつけてくれるとは思うけど、だからってそんなに簡単にやり込められる相手ではない。それどころか、俺がとばっちりでお仕置きを受けることになる気しかしないので、そんなのごめんだ。
「えー! 上手くいったの俺のおかげじゃーん! 」
大袈裟に不満そうな声を上げる西村さん。
それとこれとは話が別だ。
それに、上手くいったのだって、きっかけは西村さんたちのおかげかもしれないけれど、その後は南原さんにもう関わるなとか言われたし、それでもなんとか説得した俺の頑張りが大きいと思う。
「ま、コイツにその気がなくてもいざというときは勝手に利用すればいいだろ。」
「はい!? 」
随分と自分本位な物言いをする東山さんに耳を疑った。
「ふふ、それもそっか。」
西村さんまで同意してるし。
怖いのは、この二人なら恐らくそれができてしまうだろうということだ。
「ちょっ、絶対やめてくださいね。」
ジロッと睨みを効かせるけれど、二人は愉快そうに笑うだけだった。
12
お気に入りに追加
1,057
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる