BL 生徒会長が怖い

163話 本性 5

「嫌だも止めても言わないんじゃなかったのか？ 脆いな。やはり俺の側にいることなど、お前にはできない。」

「っ...！！ 」

悔しくて、涙が出た。

南原さんの側にいる以上、苛められるのは当然で、俺はそれを受け入れる覚悟をしていたはずなのに。
ちょっと目隠しされただけで、取り乱してこの様とか、情けないにも程がある。

自分で言ったことすら貫き通せないなんて。

「っごめ...なさ...く...ぅ...も、言わな、言わない...！！ 」

俺は、襲い来る恐怖を無理矢理我慢して、必死に暗闇を受け入れようとした。

落ち着け、大丈夫だ、南原さんになら、どんなことをされたっていい。
どんなに痛めつけられたって、俺は南原さんが好き。そこは、揺らがない。

目の前にいるのは桂本さんではなく南原さんだ。そう何度も自分に言い聞かせた。

「ふーん。じゃあ、このまま挿れていいか？ 」

「っ...！ 」

南原さんの嗜虐的な声に、ビクッと体がすくむ。

俺の後孔を弄っていた指が引き抜かれ、変わりにより大きな質量のものをソコへあてがわれた。

え、待って。このまま、い、れる...？

このままって、目隠しされたまま、暗い視界のままってこと...？

「ぅ...ぁ...」

ただでさえこんなに怖いのに、もういっぱいいっぱいなのに、その上挿入されるなんて。
既に全身ガタガタと震え、呼吸は苦しく、さらに疲れもたまっている俺は、これ以上の責めに絶えるなんて無理。そう体は訴えている。

でも、ここで拒否したら、南原さんの本性だとか、本音だとか、そういうものも突き放してしまうような気がして。答えはやっぱり、一つしか無かった。

「っ...い、いいです、よ。い、いれても...。俺は、へ、平気です、から。」

「っ...！ 」

俺の声はあまりにも小さく掠れていて、儚いことこの上なかったが、南原さんには伝わっただろうか。

視界は依然として塞がれていて、南原さんの表情が見えない。南原さんが今どんな気持ちなのかとか、何を考えているのかとか、そういうことも予測できなくて不安が高まる。

それでも、受け入れるよ、俺は。
だって、これっきりもうさよならなんて、納得できないから。

「...こうなったらもう、容赦しないからな。」

南原さんはそう言うと、自身を俺の中に一気に捩じ込んできた。