BL 生徒会長が怖い

かのほ

文字の大きさ
上 下
156 / 341

156話 隠し事 22

しおりを挟む

「...やはり、駄目だな。坂北くん、もう俺には関わらなくていいよ。」

...は?

え、なに、どういうこと。

俺は、すぐにその言葉の意味を理解することができなかった。

関わらなくて、いいって?

「校則も、お前が俺に歯向かって来ない限りはこのままにしておく。それでも校則を破る奴は意外といるから、性欲処理も間に合っているしね。」

なんで、そんないきなり。

「これでお前は俺に振り回されることもなく自由だ。」

「っ...! 」

自由。

俺が散々求めていたはずのその言葉は、心に冷たく響いてきた。

確かに、これで俺はもう南原さんの奴隷ではない。無理矢理抱かれたり、意地悪をされることはなくなるのだろう。

でもそれは、俺と南原さんを繋ぐものが無くなってしまうということだ。そう考えると、胸がズキズキと痛んで堪らなくなる。

いや、無くしたりなんかしない。まだ、繋ぎ止めたい。

「あ、あの、でも、たまには会いに行ってもいいですか...? 」

「...は? お前は俺が怖いんだろう? せっかく俺との関係を切れるのに、なぜわざわざ会う必要があるんだ。」

「そ、れは...。」

南原さんは、怪訝そうに俺を見る。

あ、そっか。南原さんはまだ俺が南原さんを恨んでいると思ってるのか。

確かに、南原さんのことは好きになった今でもちょっと、いや、正直かなり怖い。でも、それだけじゃない。それだけじゃないから好きになった。

いつも凶悪な視線で周囲を威圧しているけれど、たまに見せる柔らかい微笑みとか。学校では才色兼備で完璧なのに、家はちらかっていてカップ麺が常備されていたりとか。
躊躇なく人に暴力をふるう癖に、咄嗟に身を挺してまで俺を助けてくれたりとか。

もっと知りたい。みんなが知らない南原さんを。

例え怖くても、酷いことをされてもいいから、そばにいてもっと、もっと......。

「来るな。」

「っえ...」

「会いに来るな。お前がそう言うなら言い方を変えよう。もう、俺に関わるな。」

冷たく突き放すように言った南原さんの言葉に、なんで、なんでという疑問だけが頭を巡る。

そして、すぐに一つの答えにたどり着いた。

あぁ、そうか、そうだった。

「...やっぱり飽きたんですね、俺のこと。 」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

調教専門学校の奴隷…

ノノ
恋愛
調教師を育てるこの学校で、教材の奴隷として売られ、調教師訓練生徒に調教されていくお話

ドSな義兄ちゃんは、ドMな僕を調教する

天災
BL
 ドSな義兄ちゃんは僕を調教する。

処理中です...