22 / 28
第22話 塩漬け依頼を片付けよう。
しおりを挟む
オルティアには約束してもらったんだ。
『俺の思考に突っ込みを入れない』
『もし笑ってしまったときは、思い出し笑いだと誤魔化してもらう』
みたいに。
どれくらいの範囲を感知できるのか聞いたら『家の中くらい』なんだそうだ。
大きな屋敷くらいになると、端端あたりではわからないときが多いと。
それでいて、彼女が誤魔化すときは『メイドの嗜みです』とかあっさりしてるんだよね。
ちょっとずるいとは思ったりもするけど、それが女性だからいいか、とも思ったりする。
昼から予定が空いたから、例の『塩漬け依頼』を片付けようと俺はギルドに出向いていた。
もちろん服は着替えたよ。
この後、考えられる『不幸事』があるから、綺麗な服は流石に困るんだ。
「こんにちは、ソウジロウ様」
「どうも、シルヴェッティさん。これ、依頼を受けたいんですけど」
「……本当によろしいのですか? クレーリアちゃんもジェラル君も、普通の人が受けない依頼を受けてくれているんです。確かにギルド《うち》としては助かるのですけれど……」
「いいんです。一部を除いて、『困ってるから依頼を出した』ってことじゃないですか。困ってる人を助けるのも探検者ですよね?」
シルヴェッティさん。
目を輝かせて俺を見ないで……。
確かに俺のような等級の高い者は、低くて簡単なものを受けると迷惑になるそうだ。
だけど、塩漬け依頼のような、低い等級の人たちも敬遠してしまう。
それは時間と報酬が合わないもの。
簡単そうに見えて、実は難しいものなど。
そういう依頼を塩漬けと呼んでるみたいだね。
「高位の探検者の俺が、こういうことを進んでやればさ。若い人たちも多少は見習ってくれるかなって。そういうのは年配の俺の役目だと思ってるんですよ」
あ、他の探検者たちが壁の方を向いちゃってる。
きっと耳が痛いんだろうな。
そりゃ楽で稼げる以来の方が、取り合いになるほど人気だろうよ。
でもね、それだけじゃ駄目なんだよ。
お金が重要かもしれないけどさ、ギルドの信頼度が下がれば、依頼も減っちゃうだろう?
だからこそ、こういうことも必要だし、それに気づいた俺の役目だと思ってる。
妬まれても痛くもかゆくもないからね。
シルヴェッティさんに見送られて俺は依頼を完遂するべく、外に歩きだした。
俺の受けた依頼は、探検者にも嫌がられているもののひとつ。
『猫探し』なんだよ。
よくよく考えてみれば、確かに大変だ。
日本にいた頃、探偵社や便利屋の仕事として、迷い犬や迷い猫の捜索があったりしたのを憶えている。
専門にやってる人たちは、それぞれのノウハウを持っているらしいけど、それでも簡単じゃないだろう。
ただ、俺にはちょっとした考えがあったんだ。
とりあえず俺は、果物を売る店でとあるものを買ってから。
町中を、路地を、あちこちうろついてみた。
依頼書にあった猫の特徴。
なんでも白い猫で、右目のブチがハート型に似てるらしい。
路地に入ったとき、それっぽい猫を発見した。
なるべく目を合わせないように、横を通り過ぎようとしたとき。
「痛てっ」
俺の足に猫がかみついた。
そう、俺は自分の不幸を逆手にとったんだよね。
クレーリアちゃんたちに会ったとき、野犬の犬にかじられたのを思い出したんだ。
やはり思った通り。
普通なら追いかけると逃げちゃうんだろうけど、俺の場合、こうなると思ったんだ。
足にかみついた猫をよく見る。
うん、当たってるっぽいな。
「おい、お前は用はないんだ」
もう一匹かみついてきた。
これがなかなか離してくれない。
そんなとき、何かで見たんだよね。
「『さっき買った柑橘類』」
俺の手にはみかんに似たものを手にしている。
その皮をちょっと剥いて。
指先で挟んで関係ない猫の鼻先で軽く潰す。
フギャッ
その猫は逃げて行った。
猫は柑橘類の匂いが嫌いだと書いてあったんだ。
もちろん、その場で『柑橘類』と格納。
目的の猫を抱えて、依頼主の家に直行する。
ほら、大人しくしてくれよ。
俺の指かじらないでくれ、地味に痛いんだ。
それほど遠くない場所に、二階建てのアパートのような貸室があった。
前にクレーリアちゃんたちが借りてた感じのところだろうな。
「すみません。探検者ギルドから依頼を受けて猫を連れてきたんですが」
俺の呼びかけに応じるように、ドアが開くと。
奥から小さな女の子とお母さんみたいな女性が出てきたよ。
「あっ、ミャァちゃん」
猫の名前を小さな子が呼んだとき、猫も憶えていたのだろう。
その子の腕に飛び込んでいったじゃないか。
「見つからないと思っていたんです。本当にありがとうございました」
「いえ。これが仕事ですから。では、これにサインをお願いします」
このサインをもらわないと、終わりにならないらしいんだ。
女の子のお母さんだろう。
笑顔で名前を書いてくれた。
「はい。ほら、ありがとうは?」
「おじちゃん。ありがとう」
「うん。よかったね。では失礼します」
「はい。ありがとうございました」
猫を抱いた女の子と、そのお母さんに見送られて俺はギルドに戻ることにした。
俺が頼んだ募集と違って、依頼はあらかじめお金を預けるんだそうだ。
だからとりっぱぐれはないらしい。
しかし、ある一定の期間が過ぎると、白紙に戻り、お金は一割引かれて依頼主の元へ返されるそうなんだ。
シルヴェッティさんたちはプロだ。
どの依頼が理不尽で、どの依頼が困って頼まれたものか。
おおよそわかると前に聞いたんだ。
だから彼女が『これは無視しても差し支えありません』と言ったものは。
引かれた一割の金額が、文句を言われたりする苦情の対応の対価みたいなものなんだろう。
どの世界もサービス業のクレーム処理は辛いんだろうな……。
ギルドに戻ると、俺はシルヴェッティさんに依頼完了の報告をしようと思ったんだけど。
「それとも何ですか? ここは依頼をしても完遂するつもりがないんですか? フィルケム家を蔑ろにする。そういうおつもりなのですね?」
「いえ、そういうわけではありません。どの依頼も平等に、一定期間張り出すことになっています。受ける受けないは依頼書を見て判断した人たちですので、私どもではどうすることもできないのが現状なのですが……」
男は立派な身なりをしてるな。
執事のようなそんな感じ。
口元にちょびひげとか、いかにも気難しそうな感じだわ。
シルヴェッティさんも大変だな……。
「あの、シルヴェッティさん。依頼の完了手続きお願いしたいんですけど」
「あ、ソウジロウ様。お帰りなさい。って、もう終わったんですか? あんなに難しいのに」
「コツがあるんですよ。それよりもどうしたんです? 何やら『トラブル』みたいに見えましたけど」
男は俺を値踏むような目でじろっと見た。
俺より身長低いのに、まるで見下ろすような目で『ふんっ』と鼻息まで。
「この方の依頼が受け手がいないので、差戻の手続きをしていたのですが……」
「どんな依頼です?」
いや、家名でなんとなくわかっちゃったんだけどね。
塩漬け依頼の一覧もらってるから。
俺は依頼書を見せてもらう。
あぁやっぱり『草刈り銀貨一枚』か……。
まさか依頼主が食って掛かってるとは思わなかったよ。
『俺の思考に突っ込みを入れない』
『もし笑ってしまったときは、思い出し笑いだと誤魔化してもらう』
みたいに。
どれくらいの範囲を感知できるのか聞いたら『家の中くらい』なんだそうだ。
大きな屋敷くらいになると、端端あたりではわからないときが多いと。
それでいて、彼女が誤魔化すときは『メイドの嗜みです』とかあっさりしてるんだよね。
ちょっとずるいとは思ったりもするけど、それが女性だからいいか、とも思ったりする。
昼から予定が空いたから、例の『塩漬け依頼』を片付けようと俺はギルドに出向いていた。
もちろん服は着替えたよ。
この後、考えられる『不幸事』があるから、綺麗な服は流石に困るんだ。
「こんにちは、ソウジロウ様」
「どうも、シルヴェッティさん。これ、依頼を受けたいんですけど」
「……本当によろしいのですか? クレーリアちゃんもジェラル君も、普通の人が受けない依頼を受けてくれているんです。確かにギルド《うち》としては助かるのですけれど……」
「いいんです。一部を除いて、『困ってるから依頼を出した』ってことじゃないですか。困ってる人を助けるのも探検者ですよね?」
シルヴェッティさん。
目を輝かせて俺を見ないで……。
確かに俺のような等級の高い者は、低くて簡単なものを受けると迷惑になるそうだ。
だけど、塩漬け依頼のような、低い等級の人たちも敬遠してしまう。
それは時間と報酬が合わないもの。
簡単そうに見えて、実は難しいものなど。
そういう依頼を塩漬けと呼んでるみたいだね。
「高位の探検者の俺が、こういうことを進んでやればさ。若い人たちも多少は見習ってくれるかなって。そういうのは年配の俺の役目だと思ってるんですよ」
あ、他の探検者たちが壁の方を向いちゃってる。
きっと耳が痛いんだろうな。
そりゃ楽で稼げる以来の方が、取り合いになるほど人気だろうよ。
でもね、それだけじゃ駄目なんだよ。
お金が重要かもしれないけどさ、ギルドの信頼度が下がれば、依頼も減っちゃうだろう?
だからこそ、こういうことも必要だし、それに気づいた俺の役目だと思ってる。
妬まれても痛くもかゆくもないからね。
シルヴェッティさんに見送られて俺は依頼を完遂するべく、外に歩きだした。
俺の受けた依頼は、探検者にも嫌がられているもののひとつ。
『猫探し』なんだよ。
よくよく考えてみれば、確かに大変だ。
日本にいた頃、探偵社や便利屋の仕事として、迷い犬や迷い猫の捜索があったりしたのを憶えている。
専門にやってる人たちは、それぞれのノウハウを持っているらしいけど、それでも簡単じゃないだろう。
ただ、俺にはちょっとした考えがあったんだ。
とりあえず俺は、果物を売る店でとあるものを買ってから。
町中を、路地を、あちこちうろついてみた。
依頼書にあった猫の特徴。
なんでも白い猫で、右目のブチがハート型に似てるらしい。
路地に入ったとき、それっぽい猫を発見した。
なるべく目を合わせないように、横を通り過ぎようとしたとき。
「痛てっ」
俺の足に猫がかみついた。
そう、俺は自分の不幸を逆手にとったんだよね。
クレーリアちゃんたちに会ったとき、野犬の犬にかじられたのを思い出したんだ。
やはり思った通り。
普通なら追いかけると逃げちゃうんだろうけど、俺の場合、こうなると思ったんだ。
足にかみついた猫をよく見る。
うん、当たってるっぽいな。
「おい、お前は用はないんだ」
もう一匹かみついてきた。
これがなかなか離してくれない。
そんなとき、何かで見たんだよね。
「『さっき買った柑橘類』」
俺の手にはみかんに似たものを手にしている。
その皮をちょっと剥いて。
指先で挟んで関係ない猫の鼻先で軽く潰す。
フギャッ
その猫は逃げて行った。
猫は柑橘類の匂いが嫌いだと書いてあったんだ。
もちろん、その場で『柑橘類』と格納。
目的の猫を抱えて、依頼主の家に直行する。
ほら、大人しくしてくれよ。
俺の指かじらないでくれ、地味に痛いんだ。
それほど遠くない場所に、二階建てのアパートのような貸室があった。
前にクレーリアちゃんたちが借りてた感じのところだろうな。
「すみません。探検者ギルドから依頼を受けて猫を連れてきたんですが」
俺の呼びかけに応じるように、ドアが開くと。
奥から小さな女の子とお母さんみたいな女性が出てきたよ。
「あっ、ミャァちゃん」
猫の名前を小さな子が呼んだとき、猫も憶えていたのだろう。
その子の腕に飛び込んでいったじゃないか。
「見つからないと思っていたんです。本当にありがとうございました」
「いえ。これが仕事ですから。では、これにサインをお願いします」
このサインをもらわないと、終わりにならないらしいんだ。
女の子のお母さんだろう。
笑顔で名前を書いてくれた。
「はい。ほら、ありがとうは?」
「おじちゃん。ありがとう」
「うん。よかったね。では失礼します」
「はい。ありがとうございました」
猫を抱いた女の子と、そのお母さんに見送られて俺はギルドに戻ることにした。
俺が頼んだ募集と違って、依頼はあらかじめお金を預けるんだそうだ。
だからとりっぱぐれはないらしい。
しかし、ある一定の期間が過ぎると、白紙に戻り、お金は一割引かれて依頼主の元へ返されるそうなんだ。
シルヴェッティさんたちはプロだ。
どの依頼が理不尽で、どの依頼が困って頼まれたものか。
おおよそわかると前に聞いたんだ。
だから彼女が『これは無視しても差し支えありません』と言ったものは。
引かれた一割の金額が、文句を言われたりする苦情の対応の対価みたいなものなんだろう。
どの世界もサービス業のクレーム処理は辛いんだろうな……。
ギルドに戻ると、俺はシルヴェッティさんに依頼完了の報告をしようと思ったんだけど。
「それとも何ですか? ここは依頼をしても完遂するつもりがないんですか? フィルケム家を蔑ろにする。そういうおつもりなのですね?」
「いえ、そういうわけではありません。どの依頼も平等に、一定期間張り出すことになっています。受ける受けないは依頼書を見て判断した人たちですので、私どもではどうすることもできないのが現状なのですが……」
男は立派な身なりをしてるな。
執事のようなそんな感じ。
口元にちょびひげとか、いかにも気難しそうな感じだわ。
シルヴェッティさんも大変だな……。
「あの、シルヴェッティさん。依頼の完了手続きお願いしたいんですけど」
「あ、ソウジロウ様。お帰りなさい。って、もう終わったんですか? あんなに難しいのに」
「コツがあるんですよ。それよりもどうしたんです? 何やら『トラブル』みたいに見えましたけど」
男は俺を値踏むような目でじろっと見た。
俺より身長低いのに、まるで見下ろすような目で『ふんっ』と鼻息まで。
「この方の依頼が受け手がいないので、差戻の手続きをしていたのですが……」
「どんな依頼です?」
いや、家名でなんとなくわかっちゃったんだけどね。
塩漬け依頼の一覧もらってるから。
俺は依頼書を見せてもらう。
あぁやっぱり『草刈り銀貨一枚』か……。
まさか依頼主が食って掛かってるとは思わなかったよ。
10
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
Switch jobs ~転移先で自由気ままな転職生活~
天秤兎
ファンタジー
突然、何故か異世界でチート能力と不老不死を手に入れてしまったアラフォー38歳独身ライフ満喫中だったサラリーマン 主人公 神代 紫(かみしろ ゆかり)。
現実世界と同様、異世界でも仕事をしなければ生きて行けないのは変わりなく、突然身に付いた自分の能力や異世界文化に戸惑いながら自由きままに転職しながら生活する行き当たりばったりの異世界放浪記です。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる