40 / 80
第四十話 本物と類似品。
しおりを挟む
『魔石でんち』でやらかした翌日、アーシェリヲンが協会を訪れたとき、ガルドランに声をかけられた。
「おう、坊主。朝飯食ったか?」
「あ、ガルドランさん。おはようございます。食べてきましたよ」
「それなら茶くらいいいだろう? 『馬鹿魔力』の坊主」
あのときいなかったはずのガルドランが、アーシェリヲンがそう言われていたのを知っていた。
「なんでガルドランさんが?」
「噂がたつような新しい探索者なんて、坊主しかいないからな」
そう言ってアーシェリヲンの頭を押さえつけるように撫でる。人であったなら、耳元まで裂けた大きな口に鋭く見える牙を覗かせて、機嫌良さそうに笑っていた。
「そうだったんですね。あ、メリルージュさんもおはようございます」
席に着こうとしたとき、見知ったエルフの女性がいることに気づいた。メリルージュは食事を終えたところだったようだ。彼女もガルドラン同様、嬉しそうに微笑みかけてくれる。
「『馬鹿魔力』のアーシェリヲン君。おはよう。でも凄いわね」
「何がですか?」
「あたしでもね、朝からやったとして、五十本が限界なのよ」
「そうなんですか?」
「昨日の夜、気持ち悪くならなかったの?」
アーシェリヲンは左腕の『魔力ちぇっかー』を見せた。
「昨日は橙色でしたが、もうこんな感じなんです」
魔石の色は青かった。それなりに有名な道具だったことから、メリルージュも色味の意味はわかっているようだ。
「成長期だからかもしれないわね? 回復が早いのでしょう、きっと。でもその魔力総量があるなら、空間魔法を何度でも、……ううん。なんでもないわ。忘れてちょうだい」
メリルージュは何かを言いかけたが、頭を振って訂正する。
「あの、空間魔法って案外――」
「だめよ」
声質が変わった。まるで叱られているかのような、強いもの。
「え?」
「あのね、アーシェリヲン君」
「はい」
「あなたが言おうとしたことはね、きっとお金以上の価値があるかもしれないの。探索者はね、自分の秘密を口に出して言う者はいないわ。当たり前でしょう? 生き残るためのものなんですものね」
頭の良いアーシェリヲンは、これまで感じなかった衝撃を覚えただろう。
「はい。……失言だったんですね」
「いいの。素直な子は私も大好きですからね」
「そうだぞ坊主。一度の失敗くらいは気にしなくていい。次から同じ間違いをしなけりゃいいんだ。この二百歳を超えてる師匠があんなこと教えるなんて珍しいん――」
「がーるーどーらーん? 誰が二百歳超えてるって? あたしはまだ百九十八歳」
「す、すみまっしぇん」
メリルージュを師匠と呼ぶガルドランは素直に謝った。それはフリなのではなく、本心からなのだろう。なにせ先ほどまで揺れていた尻尾が微動だにしていないからである。
「師匠、この坊主は」
「ガル。名前を呼んであげなさいよ」
「はいっ。あの、この、んー。アーシェの坊主はこれだけ金貨を稼いだって話なんです」
ガルドランは片手を広げて五、人差し指を添えて一。合わせて六を現している。
「はいっ。金貨五枚超えたので、やっと『魔法袋』が買えるんです」
「こら、坊主。せっかく俺がぼやかしてやったのに……」
「あ、あはははは」
「あら? ガル、ちょっと待ちなさい」
「はい、何ですか?」
「魔法袋って、金貨五枚程度で買えるものだったかしら?」
「俺が持ってるこれは、安くしてもらって金貨百五十枚でしたね」
ガルドランが腰に手をやって、見せてくれる。かなり年季の入った腰鞄だ。
「え?」
きょとんとするアーシェリヲン。
「メリルージュさん」
「どうしたの? マリナちゃん」
「例の金貨五枚ですが、調べたところ」
「うん」
「本物ではないようですね」
「やっぱりね。あたしが持ってるのも、今買うなら金貨五百枚はするもの」
「え?」
メリルージュが見せてくれたものは、ガルドランが持っているものより更に年期の入ったものだ。
「おそらく類似品だと思うわ。付与魔法の練習で偶然できたものが流れているんでしょう。せいぜい、籠一つ分くらいかしら」
「それでも金貨五枚なら」
「あのね、あたしが知る限りだけど、本物じゃないのは重さが変わらないの。ただ『入る』だけ」
「え?」
アーシェリヲンも魔法の道具、いわゆる魔道具は本から得た知識はある。メリルージュが言う『付与魔法』も、聞き覚えがある。
「そもそも、『魔法袋』はね、ユカリコ教で作られていたらしいわ。あたしが生まれる前の話だけどね」
「そうなんですか?」
「あたしが知る限りだけどね、聖女様が作らせたらしいの。だから現存するものがもの凄く高いわけ」
「え?」
「ガルが持っているこれもね、あたしの口利きで譲ってもらったのよ。いずれ絶対に役に立たせるからって」
「そうだったんですね。それならもっと稼がないと……」
「おい坊主、無理はするなよ?」
「そうよ。アーシェリヲン君はまだ十歳なんだから」
「いえ、元手はかかりませんから」
それからしばらくの間、アーシェリヲンは朝協会へ出てくると、手の足りない依頼がないか確認する。何もない場合は、『魔石でんち』の充填。
終わったら早めに帰ってゆっくり休む。レイラリースの仕事の終わりを待って、一緒にごはんを食べる。その繰り返し。
協会にはアーシェリヲンに渡した金貨の倍額が翌日入ってくる。出入りの業者がほくほく顔で出て行くのを見ていた探索者がいたくらいだ。
例えば、現在は無理がない限りアーシェリヲンは金貨六枚分の『魔石でんち』を充填する。その翌日、協会は金貨十二枚で譲り渡す。すると、協会に金貨六枚が残るわけだ。
あまり無理をするとレイラリースが心配することもあって、アーシェリヲンは定期的に休みをとっていた。それでも昼くらいから少しだけ顔を出し、充填だけ行って帰る。
十日もすると、アーシェリヲンの手元には金貨六十枚。協会にも同額の金貨が残るわけだ。
この定期的な魔力の行使によって、アーシェリヲンは自身の魔力総量の底上げになっていることも自覚していた。左腕の『魔力ちぇっかー』を常に確認し、橙色を超えないように作業を行っていたのだが、少しずつ充填できる本数が増えていったからだ。
「いらっしゃいませ、あ、アーシェリヲン君。さささ、こちらへどうぞ」
コレットが手を引いてアーシェリヲンを迎えてくれる。そんな姿をガルドランもメリルージュも見ていた。
「ど、どうしちゃったんですか? コレットさん」
「アーシェリヲン君はですね、私たちの救いの神なんです」
「はい?」
すると受付には苦笑しているマリナがいた。
「マリナさん、これ、どういうことなんですか?」
「おう、坊主。朝飯食ったか?」
「あ、ガルドランさん。おはようございます。食べてきましたよ」
「それなら茶くらいいいだろう? 『馬鹿魔力』の坊主」
あのときいなかったはずのガルドランが、アーシェリヲンがそう言われていたのを知っていた。
「なんでガルドランさんが?」
「噂がたつような新しい探索者なんて、坊主しかいないからな」
そう言ってアーシェリヲンの頭を押さえつけるように撫でる。人であったなら、耳元まで裂けた大きな口に鋭く見える牙を覗かせて、機嫌良さそうに笑っていた。
「そうだったんですね。あ、メリルージュさんもおはようございます」
席に着こうとしたとき、見知ったエルフの女性がいることに気づいた。メリルージュは食事を終えたところだったようだ。彼女もガルドラン同様、嬉しそうに微笑みかけてくれる。
「『馬鹿魔力』のアーシェリヲン君。おはよう。でも凄いわね」
「何がですか?」
「あたしでもね、朝からやったとして、五十本が限界なのよ」
「そうなんですか?」
「昨日の夜、気持ち悪くならなかったの?」
アーシェリヲンは左腕の『魔力ちぇっかー』を見せた。
「昨日は橙色でしたが、もうこんな感じなんです」
魔石の色は青かった。それなりに有名な道具だったことから、メリルージュも色味の意味はわかっているようだ。
「成長期だからかもしれないわね? 回復が早いのでしょう、きっと。でもその魔力総量があるなら、空間魔法を何度でも、……ううん。なんでもないわ。忘れてちょうだい」
メリルージュは何かを言いかけたが、頭を振って訂正する。
「あの、空間魔法って案外――」
「だめよ」
声質が変わった。まるで叱られているかのような、強いもの。
「え?」
「あのね、アーシェリヲン君」
「はい」
「あなたが言おうとしたことはね、きっとお金以上の価値があるかもしれないの。探索者はね、自分の秘密を口に出して言う者はいないわ。当たり前でしょう? 生き残るためのものなんですものね」
頭の良いアーシェリヲンは、これまで感じなかった衝撃を覚えただろう。
「はい。……失言だったんですね」
「いいの。素直な子は私も大好きですからね」
「そうだぞ坊主。一度の失敗くらいは気にしなくていい。次から同じ間違いをしなけりゃいいんだ。この二百歳を超えてる師匠があんなこと教えるなんて珍しいん――」
「がーるーどーらーん? 誰が二百歳超えてるって? あたしはまだ百九十八歳」
「す、すみまっしぇん」
メリルージュを師匠と呼ぶガルドランは素直に謝った。それはフリなのではなく、本心からなのだろう。なにせ先ほどまで揺れていた尻尾が微動だにしていないからである。
「師匠、この坊主は」
「ガル。名前を呼んであげなさいよ」
「はいっ。あの、この、んー。アーシェの坊主はこれだけ金貨を稼いだって話なんです」
ガルドランは片手を広げて五、人差し指を添えて一。合わせて六を現している。
「はいっ。金貨五枚超えたので、やっと『魔法袋』が買えるんです」
「こら、坊主。せっかく俺がぼやかしてやったのに……」
「あ、あはははは」
「あら? ガル、ちょっと待ちなさい」
「はい、何ですか?」
「魔法袋って、金貨五枚程度で買えるものだったかしら?」
「俺が持ってるこれは、安くしてもらって金貨百五十枚でしたね」
ガルドランが腰に手をやって、見せてくれる。かなり年季の入った腰鞄だ。
「え?」
きょとんとするアーシェリヲン。
「メリルージュさん」
「どうしたの? マリナちゃん」
「例の金貨五枚ですが、調べたところ」
「うん」
「本物ではないようですね」
「やっぱりね。あたしが持ってるのも、今買うなら金貨五百枚はするもの」
「え?」
メリルージュが見せてくれたものは、ガルドランが持っているものより更に年期の入ったものだ。
「おそらく類似品だと思うわ。付与魔法の練習で偶然できたものが流れているんでしょう。せいぜい、籠一つ分くらいかしら」
「それでも金貨五枚なら」
「あのね、あたしが知る限りだけど、本物じゃないのは重さが変わらないの。ただ『入る』だけ」
「え?」
アーシェリヲンも魔法の道具、いわゆる魔道具は本から得た知識はある。メリルージュが言う『付与魔法』も、聞き覚えがある。
「そもそも、『魔法袋』はね、ユカリコ教で作られていたらしいわ。あたしが生まれる前の話だけどね」
「そうなんですか?」
「あたしが知る限りだけどね、聖女様が作らせたらしいの。だから現存するものがもの凄く高いわけ」
「え?」
「ガルが持っているこれもね、あたしの口利きで譲ってもらったのよ。いずれ絶対に役に立たせるからって」
「そうだったんですね。それならもっと稼がないと……」
「おい坊主、無理はするなよ?」
「そうよ。アーシェリヲン君はまだ十歳なんだから」
「いえ、元手はかかりませんから」
それからしばらくの間、アーシェリヲンは朝協会へ出てくると、手の足りない依頼がないか確認する。何もない場合は、『魔石でんち』の充填。
終わったら早めに帰ってゆっくり休む。レイラリースの仕事の終わりを待って、一緒にごはんを食べる。その繰り返し。
協会にはアーシェリヲンに渡した金貨の倍額が翌日入ってくる。出入りの業者がほくほく顔で出て行くのを見ていた探索者がいたくらいだ。
例えば、現在は無理がない限りアーシェリヲンは金貨六枚分の『魔石でんち』を充填する。その翌日、協会は金貨十二枚で譲り渡す。すると、協会に金貨六枚が残るわけだ。
あまり無理をするとレイラリースが心配することもあって、アーシェリヲンは定期的に休みをとっていた。それでも昼くらいから少しだけ顔を出し、充填だけ行って帰る。
十日もすると、アーシェリヲンの手元には金貨六十枚。協会にも同額の金貨が残るわけだ。
この定期的な魔力の行使によって、アーシェリヲンは自身の魔力総量の底上げになっていることも自覚していた。左腕の『魔力ちぇっかー』を常に確認し、橙色を超えないように作業を行っていたのだが、少しずつ充填できる本数が増えていったからだ。
「いらっしゃいませ、あ、アーシェリヲン君。さささ、こちらへどうぞ」
コレットが手を引いてアーシェリヲンを迎えてくれる。そんな姿をガルドランもメリルージュも見ていた。
「ど、どうしちゃったんですか? コレットさん」
「アーシェリヲン君はですね、私たちの救いの神なんです」
「はい?」
すると受付には苦笑しているマリナがいた。
「マリナさん、これ、どういうことなんですか?」
153
お気に入りに追加
782
あなたにおすすめの小説

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる