彷徨うペンギン

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火事

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 「ぎゃーーー!」

 キリンが行った台所から悲鳴が聞こえてくる。
 それと共に、焦げた匂いもだ。
ペンギンは、頭と消火器を抱えながらキリンが居る、事件現場。もとい、台所へと向かった。

 そこでは予想通り、火事が起きていた。
 キリンは火のついたねぎを振り回して、火を消そうとしているが、それでは火は消えない。
 むしろ、火の手が広がるばかりだ。

 ペンギンは、消火器のピンを引き抜き、中身を火に向かってぶちまける。
 消火器は、白い薬剤を振りまきながら、次々に燃え盛る火を沈めていく。
 ペンギンは、頭を冷やす意味も込めて、キリンにも白い薬剤を振りかける。
キリンが何やら叫んでいるようだが、お構いなしだ。

「頼みます!やめてください!いじめないでください!」

 小さなキリンに言われたので、ペンギンもさすがにやめたが、正直まだ足りないぐらいだった。
 それよりも、小さなキリンに助けられる大きなキリンとは何なのだろう?という疑問の方がペンギンには頭に残った。
 しかしそれよりも、キリンにどうしてこんなことになってしまったのかという事を聞かなければならない。
 ペンギンは面倒な気持ちを抑えてキリンに聞いた。

「どうして火事になったんだ?」

 それを聞いたキリンは、たいそう楽しそうに口を開いた。
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