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一章「秘密基地をダンジョンに」
#14 女子メンバー参加!
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「いやぁ。絶好の秘密基地日和ですなぁ!」
翌日、バーベキューをした河原にて、ぼく、ケンゴ、コータ、カナちゃん、アリサが全員集合した。
昨日のことなど何もなかったかのように、ケンゴはご機嫌だった。
「楽しみだね」
とカナちゃんもご機嫌なので、ぼくのテンションも上がりっぱなしだ。
ちなみに、現地集合にしたのは、全員でぞろぞろ基地へ向かうと、人目について、バレかねないと水無月さんが言ったからだ。
「で、どこなの?秘密基地」
とアリサ。
「こっちだ! さあ、付いてこい!」
「なんでケンゴが仕切ってんのよ」
「リーダーだからだな!」
そう言って、ケンゴが先頭に立って、川沿いをザクザク歩く。
「見ろ、あそこに赤い岩があるだろ」
「あるわね」
「アレが目印だ」
「……基地は?」
「ふふふ、見て驚くなよ……」
ケンゴがウッシッシと笑う。
「そんな大げさな。どうせちょっとした小屋とかでしょ?」
「いや、水無月さん、小屋じゃないよ」
「小屋じゃないの?」
「うん、多分驚くと思うよ」
まぁ……驚くだろうね。
「行ってからのお楽しみってことでいいじゃない。ね、アリサ」
カナちゃんがウキウキとした足取りでアリサに駆け寄る。
「そうね。男子たちが自慢げだし、ちょっとは期待しよっか」
アリサがニヤリと笑う。
だから怖いって。
「ここで曲がる!」
「…何もないじゃない」
「ん? アリサ、アレじゃない?ほらあそこ……」
「一倉さんよくわかったね。そう、あそこが秘密基地への入り口」
「おおお、思いの外秘密っぽいわ……男子侮りがたし」
「あなどりってなんだ?」
ケンゴが首をかしげる。
「馬鹿にできないってこと」
「馬鹿にしてたのか!」
「だから『馬鹿にできない』って言ってんじゃん……馬鹿ね」
「そうか、ならいい……ん? 今馬鹿って言わなかった?」
「いいから先に行って。いつまでたっても着かないじゃない」
「お、おぅ……」
茂みに足を踏み入れて、石段を登る。
ぼくはこの石段を登るときの雰囲気が好きだ。
どこか異世界への入り口のような、不思議な雰囲気があると思う。
女子二人も、思ったよりも凄い場所でちょっとおっかなびっくり歩いている。
「よくこんな場所見つけたね」
「おお、ダイチが見つけたんだ」
「お婆ちゃんももちろん知ってるよ、時々来てるみたい」
そうして洞窟にたどり着く。
女子二人は口をポカンとあけて、
「「おおおおおおーーーー……」」
と固まっている。
あー、ぼくらも最初こんな感じだったなぁ……。
ケンゴは、ザクザクと進み、洞窟前の祠で手を合わせて、
「ようこそ、我らの秘密基地へ!」
と大げさなポーズで振り返った。
* * *
「さて、いつものように、会員証を出せ!」
ケンゴが皆に言うと、みんなゴソゴソとお守りを取り出す。
「確かに。入場を許可する。アリサ、カナ。歓迎するぜ」
ニッとわらって、ケンゴは秘密基地に足を踏み入れた。
「「おおおおお~~~~~!!」」
カナちゃんとアリサは、テンションが上がりっぱなしだ。
「なにここ……何かの遺跡?」
「随分奥があるみたい。ね、この奥には何があるの?」
カナちゃんの質問に、ケンゴが答える。
「ダンジョンだ」
「「ダンジョン?!」」
「そうだ」
「馬鹿じゃないの?」
アリサが呆れたように言う。
いやぁ、それが本当にダンジョンっぽいんだよなぁ……。
「百聞は一見にしかず」
コータがすっくと立ち上がって、懐中電灯を取り出す。
「ひゃくぶん? って何だ?」
ケンゴが首をかしげる。
「見ればわかるよってこと」
そう言ってぼくたちは女子二人をつれて洞窟の奥へと足を踏み入れた。
「うわー、なにここ!?」
「すごい、本当にゲームに出てくるダンジョンみたい……」
その光景にポカンとしている二人(ポカンとしててもカナちゃんは可愛い)に、ぼくは
「ここ、めちゃくちゃ深いんだよ」
と説明する。
といっても今日はさすがに二人を連れて中へは入れない。
何といっても女の子だし、暗いから怖いだろうしね。
「奥、見てみたいな」
カナちゃんがポツリと言うので、慌てて止める。
「奥は真っ暗だし、けっこう怖いんだ。ちゃんと説明するから、それでも入ってみたければ次の機会にちゃんと準備してから連れて行ってあげる」
そう言うと、カナちゃんは「ありがと」と小さくお礼を言ってくれた。
ホッとしていたら、
「えー、なんで?奥連れてってよ」
と、今度はアリサがごね始めた。
「いや、ダメだ。マジで危険なんだって」
「どう危険なの?」
「迷ったら出てこられない。それに、奥の方に行くとスマホとかゲームの電源が切れちゃうし、もっと奥に行くと懐中電灯も消えちゃうんだ」
「……どういうこと?」
「だから、奥の方に行くと明かりがないってこと」
「いや、そうじゃなくて」
あ、アリサは気づいたみたいだ。
「圏外になるってんならわかるけど、電源が入らなくなるってどういうこと?」
うん、ぼくもずっと気になってた。
翌日、バーベキューをした河原にて、ぼく、ケンゴ、コータ、カナちゃん、アリサが全員集合した。
昨日のことなど何もなかったかのように、ケンゴはご機嫌だった。
「楽しみだね」
とカナちゃんもご機嫌なので、ぼくのテンションも上がりっぱなしだ。
ちなみに、現地集合にしたのは、全員でぞろぞろ基地へ向かうと、人目について、バレかねないと水無月さんが言ったからだ。
「で、どこなの?秘密基地」
とアリサ。
「こっちだ! さあ、付いてこい!」
「なんでケンゴが仕切ってんのよ」
「リーダーだからだな!」
そう言って、ケンゴが先頭に立って、川沿いをザクザク歩く。
「見ろ、あそこに赤い岩があるだろ」
「あるわね」
「アレが目印だ」
「……基地は?」
「ふふふ、見て驚くなよ……」
ケンゴがウッシッシと笑う。
「そんな大げさな。どうせちょっとした小屋とかでしょ?」
「いや、水無月さん、小屋じゃないよ」
「小屋じゃないの?」
「うん、多分驚くと思うよ」
まぁ……驚くだろうね。
「行ってからのお楽しみってことでいいじゃない。ね、アリサ」
カナちゃんがウキウキとした足取りでアリサに駆け寄る。
「そうね。男子たちが自慢げだし、ちょっとは期待しよっか」
アリサがニヤリと笑う。
だから怖いって。
「ここで曲がる!」
「…何もないじゃない」
「ん? アリサ、アレじゃない?ほらあそこ……」
「一倉さんよくわかったね。そう、あそこが秘密基地への入り口」
「おおお、思いの外秘密っぽいわ……男子侮りがたし」
「あなどりってなんだ?」
ケンゴが首をかしげる。
「馬鹿にできないってこと」
「馬鹿にしてたのか!」
「だから『馬鹿にできない』って言ってんじゃん……馬鹿ね」
「そうか、ならいい……ん? 今馬鹿って言わなかった?」
「いいから先に行って。いつまでたっても着かないじゃない」
「お、おぅ……」
茂みに足を踏み入れて、石段を登る。
ぼくはこの石段を登るときの雰囲気が好きだ。
どこか異世界への入り口のような、不思議な雰囲気があると思う。
女子二人も、思ったよりも凄い場所でちょっとおっかなびっくり歩いている。
「よくこんな場所見つけたね」
「おお、ダイチが見つけたんだ」
「お婆ちゃんももちろん知ってるよ、時々来てるみたい」
そうして洞窟にたどり着く。
女子二人は口をポカンとあけて、
「「おおおおおおーーーー……」」
と固まっている。
あー、ぼくらも最初こんな感じだったなぁ……。
ケンゴは、ザクザクと進み、洞窟前の祠で手を合わせて、
「ようこそ、我らの秘密基地へ!」
と大げさなポーズで振り返った。
* * *
「さて、いつものように、会員証を出せ!」
ケンゴが皆に言うと、みんなゴソゴソとお守りを取り出す。
「確かに。入場を許可する。アリサ、カナ。歓迎するぜ」
ニッとわらって、ケンゴは秘密基地に足を踏み入れた。
「「おおおおお~~~~~!!」」
カナちゃんとアリサは、テンションが上がりっぱなしだ。
「なにここ……何かの遺跡?」
「随分奥があるみたい。ね、この奥には何があるの?」
カナちゃんの質問に、ケンゴが答える。
「ダンジョンだ」
「「ダンジョン?!」」
「そうだ」
「馬鹿じゃないの?」
アリサが呆れたように言う。
いやぁ、それが本当にダンジョンっぽいんだよなぁ……。
「百聞は一見にしかず」
コータがすっくと立ち上がって、懐中電灯を取り出す。
「ひゃくぶん? って何だ?」
ケンゴが首をかしげる。
「見ればわかるよってこと」
そう言ってぼくたちは女子二人をつれて洞窟の奥へと足を踏み入れた。
「うわー、なにここ!?」
「すごい、本当にゲームに出てくるダンジョンみたい……」
その光景にポカンとしている二人(ポカンとしててもカナちゃんは可愛い)に、ぼくは
「ここ、めちゃくちゃ深いんだよ」
と説明する。
といっても今日はさすがに二人を連れて中へは入れない。
何といっても女の子だし、暗いから怖いだろうしね。
「奥、見てみたいな」
カナちゃんがポツリと言うので、慌てて止める。
「奥は真っ暗だし、けっこう怖いんだ。ちゃんと説明するから、それでも入ってみたければ次の機会にちゃんと準備してから連れて行ってあげる」
そう言うと、カナちゃんは「ありがと」と小さくお礼を言ってくれた。
ホッとしていたら、
「えー、なんで?奥連れてってよ」
と、今度はアリサがごね始めた。
「いや、ダメだ。マジで危険なんだって」
「どう危険なの?」
「迷ったら出てこられない。それに、奥の方に行くとスマホとかゲームの電源が切れちゃうし、もっと奥に行くと懐中電灯も消えちゃうんだ」
「……どういうこと?」
「だから、奥の方に行くと明かりがないってこと」
「いや、そうじゃなくて」
あ、アリサは気づいたみたいだ。
「圏外になるってんならわかるけど、電源が入らなくなるってどういうこと?」
うん、ぼくもずっと気になってた。
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