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聞き捨てなりません!
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グランディ伯爵邸では既に連絡を受けていたのか、セリーナ夫人が凛花の到着を待ち構えていた。
「あら、騎士様はあの時の?」
伯爵夫人はダニエルの手が凛花の腰に回されていることにすぐさま気が付いたのか、ダニエルの思惑を探るように問いかけた。
「私、逃げないかと随分警戒されているみたいで……。」
凛花が言い訳じみた言葉を口にすると伯爵夫人は納得が行かないのかダニエルに視線を送った。
「挨拶が遅れました。第二騎士団副団長ダニエルと申します。この度はリンカの保護を申し出て頂き、感謝します。」
「第二騎士団副団長?ダニエル様といえばあの…?」
セリーナはなにやら一人で頷くと、使用人に凛花を部屋まで案内するよう申し付けた。
「伯爵は今どちらに?」
ダニエルは凛花の腰から手を離すと、話があるからと伯爵のいる部屋へと去っていった。
「リンカ様、騎士団の本部ではあまり情報が得られなかったと聞いております。気を落とさないで…。ここで暫くゆっくりされるといいわ。」
「ありがとうございます。私も行く宛てがないものですから…大変助かります。」
セリーナ夫人は凛花を客間に連れて行くと、早速お茶の用意をして話をはじめた。
「それで、今朝本部へ行ってからずっとあの副団長が貴方に付いておられるの?」
「……はい、そうですが。夫人はダニエル様のこと、ご存知なのですか?」
セリーナ夫人は手にしていた紅茶を机に置くと、もちろんと頷いた。
「ダニエル副団長の名前はこの国の誰もが知ってると言ってもおかしくない程有名ですからね。ゆくゆくはカタリーナ殿下のお相手になられる方だと。」
「え?」
凛花は菓子の皿に伸ばしかけた手を一旦戻すと、セリーナ夫人に向き直った。
「私もお名前ばかりでお顔までは存じ上げなかったので今朝は気が付かなかったのですが。流石に整ったお顔の方ですわね。」
セリーナ夫人は感心したように呟くとケーキの皿を手に取った。
「ダニエル様は殿下と婚約される予定がおありなのでしょうか?」
「そういう噂ですよ?王女殿下から望まれて嫌と言える者は居ないでしょう?それに副団長様の方もこれ迄様々なお話があったのを全てお断りになっているそうで、それも全部殿下との婚約を結ぶためなのではないかと。」
凛花は先程のダニエルの様子を思い出すと心の中で首を傾げた。
──まぁ巷の噂っていうのはこの程度の精度なのかも知れないけど…。ダニエル様は外堀埋められてるんだなぁ、可哀想に。
「私の息子たちは第一騎士団の所属なのだけれど、ダニエル副団長は別格だといつだか話していたわ。」
──お?グランディ伯爵の息子たちは第一騎士団所属ってことはイケメン兄弟?ひょっとしてカタリーナ殿下を巡って奪い合い…みたいな?
凛花があらぬ想像を膨らませようとしていると伯爵とダニエルが部屋に入ってきた。
「リンカ、グランディ伯爵には今朝会ったね?」
「はい、今朝は助けていただきありがとうございました。暫くの間お世話になりますが、どうかよろしくお願い致します。」
グランディ伯爵は凛花に笑顔で頷くと、夫人を手招きして何事かを囁きそのまま二人で連れ立って部屋を出て行った。
「?」
部屋にダニエルと二人で取り残されるとは思ってもいなかった凛花はしばらく扉を見つめて固まっていた。
「どうした?」
「い、いえ。まさか夫人まで出て行かれるとは思ってもいなかったので…。」
ダニエルはチラッと凛花を見た後でソファーに座ると、目の前の菓子を示した。
「そう言えば、何か口にしたのか?食事をしていないだろう?」
凛花は手付かずの皿に目を向けると何も言わずにソファーに腰掛け、とりあえずケーキを一口口にした。
「美味しい……」
ほんのりブランデーの香るしっとりとしたケーキだった。本来ならば空腹時に口にする様なものではない気もするのだが…目の前にあるものは有難く頂く。
凛花がゆっくりとケーキを食べる間、ダニエルは黙ってそれを見ていた。
「もっと美味そうに食べたらどうだ?」
「そんな風にじっと見られていたら食べにくいです!」
「気にするな。」
「そんな無茶なこと言わないでください。」
「どうしてそう怒る?」
「怒ってなんか……いや、ちょっと怒ってたかも…。ごめんなさい。」
申し訳ない気持ちで少し凹んでいると、ダニエルが穏やかな調子で呟くのが聞こえた。
「俺の事は信用出来ないか?」
「え?」
「近寄れば離れて行く、見つめれば目を逸らす。話を聞けばはぐらかされる。」
「えーと…。」
「大抵の女性はそうされると直ぐに心を開くものだ。」
──いや、ちょっとコレは聞き捨てならんヤツじゃない?
「何?もしかして私の事試してたの?ちょっと優しくしたらボロ出すだろうって?」
「…」
「おかしいと思ったのよ!素性のしれない私なんかに妙に優しくしてくれるから…。」
──そうよ、いきなりお姫様抱っこからはじまるイケメンとの出会いなんて現実にはあるはずがないじゃない。
尚もダニエルを責めようと開いた口から言葉が出てこない。
──待って、現実?そんなはずないじゃない。相馬凛花とダニエルが同じ言葉を話してるこの世界が現実だなんて…。
いつの間にか握りしめていた拳から力が抜けていくのが分かった。瞬きもせずに呆然と見つめた自らの手の甲に温かい雫が一粒零れ落ちる。
「おかしいって……最初から…分かってた。」
「どうした?」
「信用してないのは貴方の方じゃない!」
「リンカ…?」
突然大粒の涙を流し出した凛花を見て、ダニエルはその興奮した様子が普通ではないと咄嗟に判断した。ダニエルは直ぐにソファーから立ち上がると凛花の背後に回り込み、ソファー越しに凛花を抱きしめた。
「離して!そんな事して欲しい訳じゃない!」
「…離さない。」
「暴れたりしないから!」
「…分かってる。」
「じゃあ放っといて?」
「放っとけない。」
「そんな事言われてももう信じられない!」
凛花に回されたダニエルの手に一層力が込められた。
「信じたくないのならそれでもいい。俺はただもう少しだけこうしていたいだけだ。」
「あら、騎士様はあの時の?」
伯爵夫人はダニエルの手が凛花の腰に回されていることにすぐさま気が付いたのか、ダニエルの思惑を探るように問いかけた。
「私、逃げないかと随分警戒されているみたいで……。」
凛花が言い訳じみた言葉を口にすると伯爵夫人は納得が行かないのかダニエルに視線を送った。
「挨拶が遅れました。第二騎士団副団長ダニエルと申します。この度はリンカの保護を申し出て頂き、感謝します。」
「第二騎士団副団長?ダニエル様といえばあの…?」
セリーナはなにやら一人で頷くと、使用人に凛花を部屋まで案内するよう申し付けた。
「伯爵は今どちらに?」
ダニエルは凛花の腰から手を離すと、話があるからと伯爵のいる部屋へと去っていった。
「リンカ様、騎士団の本部ではあまり情報が得られなかったと聞いております。気を落とさないで…。ここで暫くゆっくりされるといいわ。」
「ありがとうございます。私も行く宛てがないものですから…大変助かります。」
セリーナ夫人は凛花を客間に連れて行くと、早速お茶の用意をして話をはじめた。
「それで、今朝本部へ行ってからずっとあの副団長が貴方に付いておられるの?」
「……はい、そうですが。夫人はダニエル様のこと、ご存知なのですか?」
セリーナ夫人は手にしていた紅茶を机に置くと、もちろんと頷いた。
「ダニエル副団長の名前はこの国の誰もが知ってると言ってもおかしくない程有名ですからね。ゆくゆくはカタリーナ殿下のお相手になられる方だと。」
「え?」
凛花は菓子の皿に伸ばしかけた手を一旦戻すと、セリーナ夫人に向き直った。
「私もお名前ばかりでお顔までは存じ上げなかったので今朝は気が付かなかったのですが。流石に整ったお顔の方ですわね。」
セリーナ夫人は感心したように呟くとケーキの皿を手に取った。
「ダニエル様は殿下と婚約される予定がおありなのでしょうか?」
「そういう噂ですよ?王女殿下から望まれて嫌と言える者は居ないでしょう?それに副団長様の方もこれ迄様々なお話があったのを全てお断りになっているそうで、それも全部殿下との婚約を結ぶためなのではないかと。」
凛花は先程のダニエルの様子を思い出すと心の中で首を傾げた。
──まぁ巷の噂っていうのはこの程度の精度なのかも知れないけど…。ダニエル様は外堀埋められてるんだなぁ、可哀想に。
「私の息子たちは第一騎士団の所属なのだけれど、ダニエル副団長は別格だといつだか話していたわ。」
──お?グランディ伯爵の息子たちは第一騎士団所属ってことはイケメン兄弟?ひょっとしてカタリーナ殿下を巡って奪い合い…みたいな?
凛花があらぬ想像を膨らませようとしていると伯爵とダニエルが部屋に入ってきた。
「リンカ、グランディ伯爵には今朝会ったね?」
「はい、今朝は助けていただきありがとうございました。暫くの間お世話になりますが、どうかよろしくお願い致します。」
グランディ伯爵は凛花に笑顔で頷くと、夫人を手招きして何事かを囁きそのまま二人で連れ立って部屋を出て行った。
「?」
部屋にダニエルと二人で取り残されるとは思ってもいなかった凛花はしばらく扉を見つめて固まっていた。
「どうした?」
「い、いえ。まさか夫人まで出て行かれるとは思ってもいなかったので…。」
ダニエルはチラッと凛花を見た後でソファーに座ると、目の前の菓子を示した。
「そう言えば、何か口にしたのか?食事をしていないだろう?」
凛花は手付かずの皿に目を向けると何も言わずにソファーに腰掛け、とりあえずケーキを一口口にした。
「美味しい……」
ほんのりブランデーの香るしっとりとしたケーキだった。本来ならば空腹時に口にする様なものではない気もするのだが…目の前にあるものは有難く頂く。
凛花がゆっくりとケーキを食べる間、ダニエルは黙ってそれを見ていた。
「もっと美味そうに食べたらどうだ?」
「そんな風にじっと見られていたら食べにくいです!」
「気にするな。」
「そんな無茶なこと言わないでください。」
「どうしてそう怒る?」
「怒ってなんか……いや、ちょっと怒ってたかも…。ごめんなさい。」
申し訳ない気持ちで少し凹んでいると、ダニエルが穏やかな調子で呟くのが聞こえた。
「俺の事は信用出来ないか?」
「え?」
「近寄れば離れて行く、見つめれば目を逸らす。話を聞けばはぐらかされる。」
「えーと…。」
「大抵の女性はそうされると直ぐに心を開くものだ。」
──いや、ちょっとコレは聞き捨てならんヤツじゃない?
「何?もしかして私の事試してたの?ちょっと優しくしたらボロ出すだろうって?」
「…」
「おかしいと思ったのよ!素性のしれない私なんかに妙に優しくしてくれるから…。」
──そうよ、いきなりお姫様抱っこからはじまるイケメンとの出会いなんて現実にはあるはずがないじゃない。
尚もダニエルを責めようと開いた口から言葉が出てこない。
──待って、現実?そんなはずないじゃない。相馬凛花とダニエルが同じ言葉を話してるこの世界が現実だなんて…。
いつの間にか握りしめていた拳から力が抜けていくのが分かった。瞬きもせずに呆然と見つめた自らの手の甲に温かい雫が一粒零れ落ちる。
「おかしいって……最初から…分かってた。」
「どうした?」
「信用してないのは貴方の方じゃない!」
「リンカ…?」
突然大粒の涙を流し出した凛花を見て、ダニエルはその興奮した様子が普通ではないと咄嗟に判断した。ダニエルは直ぐにソファーから立ち上がると凛花の背後に回り込み、ソファー越しに凛花を抱きしめた。
「離して!そんな事して欲しい訳じゃない!」
「…離さない。」
「暴れたりしないから!」
「…分かってる。」
「じゃあ放っといて?」
「放っとけない。」
「そんな事言われてももう信じられない!」
凛花に回されたダニエルの手に一層力が込められた。
「信じたくないのならそれでもいい。俺はただもう少しだけこうしていたいだけだ。」
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