33 / 64
初めての指名依頼編
32・バッドドラゴンのS級魔石
しおりを挟む
その夜の『黄金のケルベロス亭』で、シオン君は言った。
「ああ。ロンバルディ商会の親子はインウィ出身だ。ロレッタ嬢が赤ん坊のころにラトニーへ移住してきた。ロレンツォは商人というよりも職人で、今、ロンバルディ商会が販売している魔道具のデザインは彼が考えたものだ」
販売や営業を担当していた奥さんが亡くなったのを機に、故郷を離れたのだという。
「母親に似たのか、商人としての才能はロレッタ嬢のほうがある。これまではロレンツォが慣れない商売に勤しんでいたが、これからは以前のように商品開発に専念して、販売と営業はロレッタ嬢に任せればいいだろう」
シオン卿として依頼したダンジョンアントの魔石の利用は、ロレッタちゃんが中心になって行う初めての事業なのだそうです。
「その分意地があったのだろう。俺の配慮が足りなくて貴様に迷惑をかけたようだな」
「そんなことないよ。ちゃんと仲良くなれた、と思うし」
いくつかお試しに魔石ごはんを作って、明日からの予定を確認して別れるとき、ラケルと離れたくないと泣かれてしまったけど、明日には機嫌が直っているはず。
……直ってるよね?
「大丈夫だぞ。ロレッタは俺より小さいからな。俺も面倒を見てやるぞ」
ラケルのほうが小さいと思う。今もわたしの膝の上だし。
でも気持ちは嬉しい。
「そうだね。ありがとう、ラケル」
前世でラケルがわたしの妹に対してお兄さんぶっていたことを思い出しながら、わたしは部屋のテーブルに広げていた羊皮紙を手に取った。
ふたりと一緒に、明日からの護衛旅行中のメニューを考えていたのだ。
魔石ごはんに付与効果がある以上、それを利用してメニューを組み立てたほうがいい。
冒険者ギルドのマスターのホセさんに付与効果やラケルが人間の言葉を話せることを伝えていたように、マルコさんにも付与効果については知らせているそうです。
ロンバルディ商会の旦那様、というかロレッタちゃんには利用されそうなので教えていません。
わたしが『転生してきた異世界人』だということは、だれにも秘密。
「港町のマルテスは治安が悪く、周辺の街道には盗賊が出る。『闇夜の疾風』のヤツらなら大丈夫だと思うが、疲労を減らして能力を増幅できるならそれに越したことはない」
「ごしゅじんの魔石ごはんならできるぞ!」
ラケルがドヤ顔で言う。
「その通りだ、ラケル殿。慣れた人間でも長旅は疲れる。往路と復路、出発してからの日数で味付けや量を変えるべきだろう」
「……朝はラーメンがいいと思う。HP回復率が上昇するから疲れが溜まり難くなる」
ベルちゃんの言葉に、シオン君が頷く。
「毎日だと飽きるだろうから、味付けを変えていくといいだろう。疲れると濃い味付けが欲しくなる。最初は塩で、しょう油、味噌、豚骨だな」
マルコさんがラーメンに飽きる日が来るのかなあ?
でもまあ今は珍しいものを食べたから夢中になってるだけかもね。
「四日目の夜にマルテスに着くから、五日目の朝食は『黄金のドラゴン亭』だ。宿に泊まっても疲れというのは完全になくなるものではない。六日目の朝はしょう油、以降は味噌、豚骨でいいだろう」
八日目の夜に王都サトゥルノへ戻ってくる予定だ。
それから、お昼やオヤツ、夕食についても話し合う。
決まったことを羊皮紙にメモって、わたしはちょっと気になったことを口にした。
「もしかしてケルベロス様は神獣だから、王都の宿屋さんしか名前を使えないの?」
個人的にはドラゴンのほうが格上な気もしたけど、ラケルのお父さんだからすごく偉いんだろう。神獣だし、大きくてもわんこは可愛いし。
「よくわかったな。そういうことだ。ラケル殿のお父上は偉大だからな」
「うむ。でもごしゅじん違うぞ」
「違うって?」
「ケルベロスは父上のお名前ではなくて種族名だ」
そういえば王都に初めて来たときに、シオン君がそのようなことを言っていた気がする。
「父上の真のお名前は女神様と母上しか知らないんだぞ。俺の真の名前も、この世界ではごしゅじんしか知らないだろ?」
「なるほどー」
そうでした。ラケルはチビ太でした。
「……強い魔力を持つ存在は真の名前によって自我を保つ。名前がないと自分自身の力に飲み込まれて……あ、出すの忘れてた」
ベルちゃんの黄金の腕輪が光って、テーブルの上に、ごろん、と真っ赤な石が転がった。
結構大きい。
わたしなら両手で抱えるくらい。
ルビーみたいだけど、こんなに大きいわけないよね。
赤は赤でもベルちゃんの瞳のように鮮やかな赤ではなく、どこか濁っている。
「聖女、まさかそれは……」
シオン君が眉間に皺を寄せるのに、ベルちゃんが答える。
「……そう。これは火属性のバッドドラゴンのS級魔石。コイツとの戦いに夢中になって、私はダンジョンコアを破壊してしまった」
「ほほう……」
ラケルが身を乗り出して、テーブルに前足をつけた。
「バッドドラゴン?」
「……ドラゴンはダンジョンコアから生まれる王獣の一種。ダンジョンのモンスターを食べて、ワームからワイアーム、ワイアームからワイバーン、ワイバーンからドラゴンへと進化していく」
ドラゴンには三種類あるのだという。
「……ダンジョンコアのランクが高くて、最初からドラゴンとして生まれたものがホーリードラゴン、ダンジョンモンスターを食べて魔力を蓄えて進化していったのがマジックドラゴン、ダンジョンを出て家畜や野獣などを食べて進化したのがバッドドラゴン」
魔石のランクもそれぞれ違って、バッドドラゴンはS級魔石、マジックドラゴンはSS級魔石、ホーリードラゴンはSSS級魔石になる。
魔力属性は魔石のランクには関係しない。
邪毒属性のホーリードラゴンとかもいるのかな。
「あれ? でもダンジョンの外で倒したモンスターは魔石にならないんでしょ?」
「……バッドドラゴンの狩場はダンジョンの外だけど、住処はダンジョンの中」
「そっか。ベルちゃんはそのドラゴンがダンジョンにいるときに倒したんだね」
「ふん。コアを壊してダンジョンを滅ぼすくらいなら、外にいるときに倒してもらいたかったぞ。外でも魔殻は採取できるのだから損はすまい」
「……ダンジョンの外だと、どこまでも飛んで行ってしまう」
シオン君は苦々しげな表情で首肯する。
「わかってる。あのまま家畜を奪われ続けていたら干上がる民も出ていただろう。バッドドラゴンを倒してくれたことには感謝している」
この世界ではモンスターを家畜にすることは少ない。
肉や皮、爪、牙などの魔殻素材は貴重だけれど、燃料魔石やミスリル銀の原料である魔石のほうが生活に密着しているからね。
とはいえ特定のモンスターをダンジョンから連れ出して飼う地域もあるそうです。
魔物使いの使い魔とかもいるし。
モンスター牧場かー、それはそれでロマンな話だなあ。
「ちょっと濁ってるけど綺麗な魔石だね。見せてくれてありがとう。……あ。もしかして魔石ごはんにするの?」
「……うん。そう思って『アイテムボックス』の大掃除をして探してきたの」
「そっかー」
わたしはシオン君を見た。
魔石って貴重なんだよね? ダンジョンアントのF級魔石ならともかく、こんな希少そうなものまで魔石ごはんにしていいのかな。
デスクロウの魔石はD級だったから、あんまり気にしてなかったんだけど。
「魔石はモンスターを倒した人間のものだ。本人が魔石ごはんにするのを望んでいるのだから、葉菜花がイヤでなければ変成してやればいい」
「バッドドラゴンの魔石は美味しいぞ! ごしゅじんが魔石ごはんにしたら、きっともっと美味しくなるぞ!」
ラケルはバッドドラゴンの魔石食べたことあるんだ。
ケルベロス様が倒したのかな?
それとも……やっぱりチートわんこなの?
「……葉菜花の魔石ごはんにしてもらいたい。この魔石を売らなくてもお金ならある」
「ベルちゃんがいいなら魔石ごはんにするよ。でもこの前のデスクロウのD級魔石のとき、たまたま大盛りラーメンになっただけで、わたしの意思はあんまり関係しなかったみたいなの。これも……そうなるんじゃないかな?」
「属性や種族によっては作れる魔石ごはんが決定しているということか。スライムのときも属性による縛りがあったな」
なんでも変成できるダンジョンアントの魔石が特別なのかもしれない。
混沌属性のモンスターってほかにいないのかな?
スライムにはいなかったよね。
「……美味しいもののほうがいいけど、できるものでかまわない」
「ごしゅじんの魔石ごはんなら、絶対美味しいぞ!」
「ありがとう、ラケル。……じゃあベルちゃん、やってみるね」
ベルちゃんに真剣な表情で頷かれて、わたしはバッドドラゴンのS級魔石を持ち上げた。
大きいので、合わせた両手に載せる形になる。
……なにができるかな。
スライムの魔石を変成したときと同じように、魔石の中に眠っているなにかを引き出す感じ。
赤くて、甘くて、いい匂いがする──
「ああ。ロンバルディ商会の親子はインウィ出身だ。ロレッタ嬢が赤ん坊のころにラトニーへ移住してきた。ロレンツォは商人というよりも職人で、今、ロンバルディ商会が販売している魔道具のデザインは彼が考えたものだ」
販売や営業を担当していた奥さんが亡くなったのを機に、故郷を離れたのだという。
「母親に似たのか、商人としての才能はロレッタ嬢のほうがある。これまではロレンツォが慣れない商売に勤しんでいたが、これからは以前のように商品開発に専念して、販売と営業はロレッタ嬢に任せればいいだろう」
シオン卿として依頼したダンジョンアントの魔石の利用は、ロレッタちゃんが中心になって行う初めての事業なのだそうです。
「その分意地があったのだろう。俺の配慮が足りなくて貴様に迷惑をかけたようだな」
「そんなことないよ。ちゃんと仲良くなれた、と思うし」
いくつかお試しに魔石ごはんを作って、明日からの予定を確認して別れるとき、ラケルと離れたくないと泣かれてしまったけど、明日には機嫌が直っているはず。
……直ってるよね?
「大丈夫だぞ。ロレッタは俺より小さいからな。俺も面倒を見てやるぞ」
ラケルのほうが小さいと思う。今もわたしの膝の上だし。
でも気持ちは嬉しい。
「そうだね。ありがとう、ラケル」
前世でラケルがわたしの妹に対してお兄さんぶっていたことを思い出しながら、わたしは部屋のテーブルに広げていた羊皮紙を手に取った。
ふたりと一緒に、明日からの護衛旅行中のメニューを考えていたのだ。
魔石ごはんに付与効果がある以上、それを利用してメニューを組み立てたほうがいい。
冒険者ギルドのマスターのホセさんに付与効果やラケルが人間の言葉を話せることを伝えていたように、マルコさんにも付与効果については知らせているそうです。
ロンバルディ商会の旦那様、というかロレッタちゃんには利用されそうなので教えていません。
わたしが『転生してきた異世界人』だということは、だれにも秘密。
「港町のマルテスは治安が悪く、周辺の街道には盗賊が出る。『闇夜の疾風』のヤツらなら大丈夫だと思うが、疲労を減らして能力を増幅できるならそれに越したことはない」
「ごしゅじんの魔石ごはんならできるぞ!」
ラケルがドヤ顔で言う。
「その通りだ、ラケル殿。慣れた人間でも長旅は疲れる。往路と復路、出発してからの日数で味付けや量を変えるべきだろう」
「……朝はラーメンがいいと思う。HP回復率が上昇するから疲れが溜まり難くなる」
ベルちゃんの言葉に、シオン君が頷く。
「毎日だと飽きるだろうから、味付けを変えていくといいだろう。疲れると濃い味付けが欲しくなる。最初は塩で、しょう油、味噌、豚骨だな」
マルコさんがラーメンに飽きる日が来るのかなあ?
でもまあ今は珍しいものを食べたから夢中になってるだけかもね。
「四日目の夜にマルテスに着くから、五日目の朝食は『黄金のドラゴン亭』だ。宿に泊まっても疲れというのは完全になくなるものではない。六日目の朝はしょう油、以降は味噌、豚骨でいいだろう」
八日目の夜に王都サトゥルノへ戻ってくる予定だ。
それから、お昼やオヤツ、夕食についても話し合う。
決まったことを羊皮紙にメモって、わたしはちょっと気になったことを口にした。
「もしかしてケルベロス様は神獣だから、王都の宿屋さんしか名前を使えないの?」
個人的にはドラゴンのほうが格上な気もしたけど、ラケルのお父さんだからすごく偉いんだろう。神獣だし、大きくてもわんこは可愛いし。
「よくわかったな。そういうことだ。ラケル殿のお父上は偉大だからな」
「うむ。でもごしゅじん違うぞ」
「違うって?」
「ケルベロスは父上のお名前ではなくて種族名だ」
そういえば王都に初めて来たときに、シオン君がそのようなことを言っていた気がする。
「父上の真のお名前は女神様と母上しか知らないんだぞ。俺の真の名前も、この世界ではごしゅじんしか知らないだろ?」
「なるほどー」
そうでした。ラケルはチビ太でした。
「……強い魔力を持つ存在は真の名前によって自我を保つ。名前がないと自分自身の力に飲み込まれて……あ、出すの忘れてた」
ベルちゃんの黄金の腕輪が光って、テーブルの上に、ごろん、と真っ赤な石が転がった。
結構大きい。
わたしなら両手で抱えるくらい。
ルビーみたいだけど、こんなに大きいわけないよね。
赤は赤でもベルちゃんの瞳のように鮮やかな赤ではなく、どこか濁っている。
「聖女、まさかそれは……」
シオン君が眉間に皺を寄せるのに、ベルちゃんが答える。
「……そう。これは火属性のバッドドラゴンのS級魔石。コイツとの戦いに夢中になって、私はダンジョンコアを破壊してしまった」
「ほほう……」
ラケルが身を乗り出して、テーブルに前足をつけた。
「バッドドラゴン?」
「……ドラゴンはダンジョンコアから生まれる王獣の一種。ダンジョンのモンスターを食べて、ワームからワイアーム、ワイアームからワイバーン、ワイバーンからドラゴンへと進化していく」
ドラゴンには三種類あるのだという。
「……ダンジョンコアのランクが高くて、最初からドラゴンとして生まれたものがホーリードラゴン、ダンジョンモンスターを食べて魔力を蓄えて進化していったのがマジックドラゴン、ダンジョンを出て家畜や野獣などを食べて進化したのがバッドドラゴン」
魔石のランクもそれぞれ違って、バッドドラゴンはS級魔石、マジックドラゴンはSS級魔石、ホーリードラゴンはSSS級魔石になる。
魔力属性は魔石のランクには関係しない。
邪毒属性のホーリードラゴンとかもいるのかな。
「あれ? でもダンジョンの外で倒したモンスターは魔石にならないんでしょ?」
「……バッドドラゴンの狩場はダンジョンの外だけど、住処はダンジョンの中」
「そっか。ベルちゃんはそのドラゴンがダンジョンにいるときに倒したんだね」
「ふん。コアを壊してダンジョンを滅ぼすくらいなら、外にいるときに倒してもらいたかったぞ。外でも魔殻は採取できるのだから損はすまい」
「……ダンジョンの外だと、どこまでも飛んで行ってしまう」
シオン君は苦々しげな表情で首肯する。
「わかってる。あのまま家畜を奪われ続けていたら干上がる民も出ていただろう。バッドドラゴンを倒してくれたことには感謝している」
この世界ではモンスターを家畜にすることは少ない。
肉や皮、爪、牙などの魔殻素材は貴重だけれど、燃料魔石やミスリル銀の原料である魔石のほうが生活に密着しているからね。
とはいえ特定のモンスターをダンジョンから連れ出して飼う地域もあるそうです。
魔物使いの使い魔とかもいるし。
モンスター牧場かー、それはそれでロマンな話だなあ。
「ちょっと濁ってるけど綺麗な魔石だね。見せてくれてありがとう。……あ。もしかして魔石ごはんにするの?」
「……うん。そう思って『アイテムボックス』の大掃除をして探してきたの」
「そっかー」
わたしはシオン君を見た。
魔石って貴重なんだよね? ダンジョンアントのF級魔石ならともかく、こんな希少そうなものまで魔石ごはんにしていいのかな。
デスクロウの魔石はD級だったから、あんまり気にしてなかったんだけど。
「魔石はモンスターを倒した人間のものだ。本人が魔石ごはんにするのを望んでいるのだから、葉菜花がイヤでなければ変成してやればいい」
「バッドドラゴンの魔石は美味しいぞ! ごしゅじんが魔石ごはんにしたら、きっともっと美味しくなるぞ!」
ラケルはバッドドラゴンの魔石食べたことあるんだ。
ケルベロス様が倒したのかな?
それとも……やっぱりチートわんこなの?
「……葉菜花の魔石ごはんにしてもらいたい。この魔石を売らなくてもお金ならある」
「ベルちゃんがいいなら魔石ごはんにするよ。でもこの前のデスクロウのD級魔石のとき、たまたま大盛りラーメンになっただけで、わたしの意思はあんまり関係しなかったみたいなの。これも……そうなるんじゃないかな?」
「属性や種族によっては作れる魔石ごはんが決定しているということか。スライムのときも属性による縛りがあったな」
なんでも変成できるダンジョンアントの魔石が特別なのかもしれない。
混沌属性のモンスターってほかにいないのかな?
スライムにはいなかったよね。
「……美味しいもののほうがいいけど、できるものでかまわない」
「ごしゅじんの魔石ごはんなら、絶対美味しいぞ!」
「ありがとう、ラケル。……じゃあベルちゃん、やってみるね」
ベルちゃんに真剣な表情で頷かれて、わたしはバッドドラゴンのS級魔石を持ち上げた。
大きいので、合わせた両手に載せる形になる。
……なにができるかな。
スライムの魔石を変成したときと同じように、魔石の中に眠っているなにかを引き出す感じ。
赤くて、甘くて、いい匂いがする──
10
お気に入りに追加
819
あなたにおすすめの小説
大嫌いな双子の妹と転生したら、悪役令嬢に仕立て上げられました。
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
ファンタジー
家族は私には興味がなかった。
いつでも愛されるのは双子の妹だけ。
同じ顔・同じ声。それでも私は愛してもらえない。
唯一の味方だったくまの人形はあの子の手によって……。
そんな中、私は異世界へと転移した。
やっと自分らしく生きられると思ったのに、まさか妹も一緒に転移していたなんて。
そして妹に濡れ衣を着せられて悪役令嬢に。
そんな中、くまの人形と再会を果たし――
異世界転生×悪役令嬢×ざまぁ
しかしその根本にあるものはまったく違う、二人の姉妹の人間模様。
そこに王弟殿下と次期宰相の恋模様も重なり、物語は加速していく。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います
かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。
現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。
一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。
【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。
癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。
レイナの目標は自立する事なのだが……。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
私が豚令嬢ですけど、なにか? ~豚のように太った侯爵令嬢に転生しましたが、ダイエットに成功して絶世の美少女になりました~
米津
ファンタジー
侯爵令嬢、フローラ・メイ・フォーブズの体はぶくぶくに太っており、その醜い見た目から豚令嬢と呼ばれていた。
そんな彼女は第一王子の誕生日会で盛大にやらかし、羞恥のあまり首吊自殺を図ったのだが……。
あまりにも首の肉が厚かったために自殺できず、さらには死にかけたことで前世の記憶を取り戻した。
そして、
「ダイエットだ! 太った体など許せん!」
フローラの前世は太った体が嫌いな男だった。
必死にダイエットした結果、豚令嬢から精霊のように美しい少女へと変身を遂げた。
最初は誰も彼女が豚令嬢だとは気づかず……。
フローラの今と昔のギャップに周囲は驚く。
さらに、当人は自分の顔が美少女だと自覚せず、無意識にあらゆる人を魅了していく。
男も女も大人も子供も関係なしに、人々は彼女の魅力に惹かれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる