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第二章 狸の住処は戌屋敷!
16・黒い仮面の女②
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板止さんはふっくらとした体つきの人が良さそうな女性だった。
だけど、目の前にいる夫成さんがどういう女性なのかは少しもわからない。
会う前に聞いた信吾さんの言葉とは関係がなかった。
わからないのは、彼女が黒い影でできた鎖の仮面をかぶっているからだ。
その背中にはとても飛べそうにない、ベトベトと滴り落ちる泥でできた翼があった。
美妃ちゃんや戌井ちゃんと行ったデパートで会った、あの人物だ。
向こうもわたしに気づいた。
「お前がチクったんだね、このガキがっ!」
黒い仮面の女が、翼から泥を滴らせながら飛びかかってくる。
──が。
信吾さんが黙って見ているはずがなかった。
さっ、とわたしの前に立ち彼女の動きを止める。
黒い影の鎖に覆われた腕をつかまれて、夫成さんは大声で喚き立てた。
鎖から突き出している棘は、信吾さんにダメージを与えていないようだ。
わたし以外には見えない実体のない存在だからなのもあるだろうし、相手が彼だから平気なのもある気がした。
「なにするんだい、離しなよ! 訴えてやる訴えてやる!」
「いいですね、訴えてもらいましょうか」
黒い影に覆われて本当の顔も見えない状態なのに、信吾さんの言葉に息を呑むのがわかった。
「裁判になったら、ここに来る以前のことや人間関係も調べられますからね。無理矢理あなたの入居を捻じ込んできた市の担当者についても、裏を探れば面白いことがわかるかもしれません」
「も、問題を起こしてこの仕事を失ってもいいのかい?」
「二十歳の若造だというだけで妬んでくる方たちがいるのは承知の上ですが、担当者の彼に言われてるんじゃないですか? 問題を起こすなって。実はあなたの入所に際して念書を書いてもらってるんですよ。なにかあったら、彼が責任を取ると」
「はあ、そんなもの……」
「そうですねえ。それくらいで彼を失職させることはできないでしょう。ですがネット社会は怖いものです。ウソや言いがかりで罪を着せることが難しくなった代わりに、きちんと証拠があれば炎上させるのは簡単です。こちらの担当は外されるんじゃないでしょうかねえ? そうじゃなかったとしても、あなたまで庇う余裕はありませんよ」
……なんか、いろいろあるようだ。
信吾さんの生み出す利益を奪い取ろうとして策を講じた人がいたけど、なぜか自分が墓穴を掘る羽目になったっていうことかな。
彼の頭上では、黒い狐さんが自慢そうな顔をしている。
ホラー映画や実話系の怪談みたいに、空いていたはずのドアや窓がいつの間にか閉じていたり、だれもいないのに背後から荒い息遣いを感じたりするような経験をしたのかもね、その担当者さんは。
「不思議に思いませんでしたか? 最初は問題を起こすよう言われていたのに、入居が決まった途端、絶対に妙な真似をするなと言われて」
「勝手な想像でものを言うんじゃないよ! 名誉棄損で訴えてやる」
「だから、どうぞ、と言っているんです」
広い背中越しに視線を感じる。
夫成さんは念書を書かされた担当者よりも賢いのだろう。
信吾さんに敵わないと悟って、わたしに憎悪を向けているのだ。
デパートで会ったとき、わたしが近所の人だと気づいて、今回のクレカ盗難事件を知って彼に告げたと思っているに違いない。
実際は引き篭もりニート女子大生のわたしに近所の人の顔などわからないし、そもそも黒い影が邪魔で顔自体見えていなかったのだけれど。
正直なところ、自分に向けられていなくても乱暴な口調で喚き立てられるのを聞いていると、それだけで怖い。
……戌井ちゃんのストーカーはどうなったのかな?
あのときはいなかったのかもしれない。
そのままストーカーを止めていたのならいいのに。
「そ、その女がどうなってもいいのかい? アタシには仲間がたくさんいるんだよ。クレカ泥棒なんて大した罪にはならない。すぐ出てきて復讐してやる!」
「……璃々さんに手を出す、そうおっしゃっているように聞こえますが、間違いないですか? 猫屋敷さんのクレカを盗んだことを自白なさった上に脅迫の余罪も加わりますね。ご存じですか? 刑務所や留置所では、よく人が自殺するんです」
「あ、あんたのほうこそ脅迫するつもりかい?……うっ? こ、この音はなんだよ!」
「音ですか? 僕にはなにも聞こえませんよ」
自ら罪を白状したも同然の夫成さんは、両腕を頭に寄せている。
鎖から飛び出した棘に刺されても、本人は痛くないのかな。
黒い影のせいで詳細がわからない。
耳を塞いでいるのだろうか。
異形の存在が蠢いているようにしか見えなかった。
異形といえば、信吾さんの頭上にいる黒い狐さんが変化していた。
狐の部分から黒い影が立ち昇り、形を失って蠢いているかのようだ。
夫成さんは、自分以外のだれにも聞こえない音に苦しめられているのかもしれない。
「……し、信吾さん?」
わたしは信吾さんの腕をつかんで引っ張った。
やっぱり彼は狐さんにすごく助けられているのだと思う。
……かなりグレーな分野で。
「どうしました、璃々さん」
「こんなことしてるより、早く警察を呼んだほうが」
「そうですね。あの焦りようからすると、まだクレジットカードを処分してないんじゃないでしょうか。猫屋敷さんのご遺体が見つかったのに欲を捨てられなかったんでしょうね。まあカーテンを閉めたりクーラーをつけたりしていた時点で、少しでも長い間クレカを不正使用したいという欲が透けて見えてましたし」
「き、きええぇぇぇっ!」
夫成さんは奇声を上げて、信吾さんの手を振りほどき家の中に逃げ込んだ。
「あぁっ!」
彼女は廊下を走って部屋に飛び込むと、ガラス窓を開けて庭へ飛び出した。
信吾さんが低木の切れ目から庭へ入ろうとしたが、そこにはゴミ袋が積み重ねられている。
庭を囲む低木をかき分けて、黒い仮面の女が逃げていく。
裏の家との隙間に出る瞬間に、彼女が振り返った。
……わたしを見ている。
その顔が黒い影でできた鎖で覆われていても、憎悪に満ちた視線を向けられているのがわかった。
いや、視線だけではない。
黒い鎖から飛び出した棘がわたしを向いている。
「覚えておきなっ! ふたりとも絶対に許さないからねっ!」
その言葉と同時に放たれた棘がわたし目指して飛んでくる。
「……警察に連絡して、すぐに来てもらいましょう。なぁに、捕まえるための証拠ならいくらでも見つけさせられます。……璃々さん?」
ゴミ袋を乗り越えて夫成さんを追うのを諦めて(最初からそんなつもりはなかった気もする)、信吾さんが振り返る。
彼はその場に座り込んでいるわたしに気づいて、細い目を見開いた。
腰を降ろして、倒れそうなわたしを支えてくれる。
状況が違うとはいえ彼女の黒い影に触れるのは初めてではない。
あのときもわたしの中に入った黒い影が、彼女の怒りを伝えてきた。
だけど、違う。
全然違った。
信吾さんの頭上から、黒い狐さんが伸ばしてくれた手に触れても回復できない。
こんなのは初めてだった。
夫成さんの状況がデパートのときとは変わった。
自分から触れたのではなく向こうから攻撃? された。
……等々、理由はたくさんある。
でも一番違う、初めてだと感じたのは『殺意』だ。
十一月に動物園へ行った際も、他人の殺意を味わった。
だけど今回流れ込んでくるのは、わたしに向けられた明確な殺意だ。
デパートのときの憤怒とは比べものにならないほど熱く、気持ちが悪い。
全身から汗が噴き出す。
彼女の背中にあった翼のように、体がドロドロと滴り落ちてしまいそう。
力の抜けた背中に当たる、骨ばった大きな手の感触が心地良かった。
「璃々さん? 璃々さん、どうしたんです?」
信吾さんの声は聞こえるのに答えることができない。
吐き気がする。お腹の調子も悪くなってきた。
あれ? もしかして黒い影を打ち込まれたからじゃなくてSFTSが発症したのかな。
アライグマが捕獲される前に、猫屋敷さんの家の庭に入っちゃったし。
「……梨里ちゃん……」
「梨里? 梨里がどうしたんですか、璃々さんっ!」
……一緒に庭に入った梨里ちゃんは大丈夫かな。
彼女は地面に尻もちまでついちゃったし。
そんなことを案じながら、わたしは意識を失った。
だけど、目の前にいる夫成さんがどういう女性なのかは少しもわからない。
会う前に聞いた信吾さんの言葉とは関係がなかった。
わからないのは、彼女が黒い影でできた鎖の仮面をかぶっているからだ。
その背中にはとても飛べそうにない、ベトベトと滴り落ちる泥でできた翼があった。
美妃ちゃんや戌井ちゃんと行ったデパートで会った、あの人物だ。
向こうもわたしに気づいた。
「お前がチクったんだね、このガキがっ!」
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──が。
信吾さんが黙って見ているはずがなかった。
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鎖から突き出している棘は、信吾さんにダメージを与えていないようだ。
わたし以外には見えない実体のない存在だからなのもあるだろうし、相手が彼だから平気なのもある気がした。
「なにするんだい、離しなよ! 訴えてやる訴えてやる!」
「いいですね、訴えてもらいましょうか」
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「も、問題を起こしてこの仕事を失ってもいいのかい?」
「二十歳の若造だというだけで妬んでくる方たちがいるのは承知の上ですが、担当者の彼に言われてるんじゃないですか? 問題を起こすなって。実はあなたの入所に際して念書を書いてもらってるんですよ。なにかあったら、彼が責任を取ると」
「はあ、そんなもの……」
「そうですねえ。それくらいで彼を失職させることはできないでしょう。ですがネット社会は怖いものです。ウソや言いがかりで罪を着せることが難しくなった代わりに、きちんと証拠があれば炎上させるのは簡単です。こちらの担当は外されるんじゃないでしょうかねえ? そうじゃなかったとしても、あなたまで庇う余裕はありませんよ」
……なんか、いろいろあるようだ。
信吾さんの生み出す利益を奪い取ろうとして策を講じた人がいたけど、なぜか自分が墓穴を掘る羽目になったっていうことかな。
彼の頭上では、黒い狐さんが自慢そうな顔をしている。
ホラー映画や実話系の怪談みたいに、空いていたはずのドアや窓がいつの間にか閉じていたり、だれもいないのに背後から荒い息遣いを感じたりするような経験をしたのかもね、その担当者さんは。
「不思議に思いませんでしたか? 最初は問題を起こすよう言われていたのに、入居が決まった途端、絶対に妙な真似をするなと言われて」
「勝手な想像でものを言うんじゃないよ! 名誉棄損で訴えてやる」
「だから、どうぞ、と言っているんです」
広い背中越しに視線を感じる。
夫成さんは念書を書かされた担当者よりも賢いのだろう。
信吾さんに敵わないと悟って、わたしに憎悪を向けているのだ。
デパートで会ったとき、わたしが近所の人だと気づいて、今回のクレカ盗難事件を知って彼に告げたと思っているに違いない。
実際は引き篭もりニート女子大生のわたしに近所の人の顔などわからないし、そもそも黒い影が邪魔で顔自体見えていなかったのだけれど。
正直なところ、自分に向けられていなくても乱暴な口調で喚き立てられるのを聞いていると、それだけで怖い。
……戌井ちゃんのストーカーはどうなったのかな?
あのときはいなかったのかもしれない。
そのままストーカーを止めていたのならいいのに。
「そ、その女がどうなってもいいのかい? アタシには仲間がたくさんいるんだよ。クレカ泥棒なんて大した罪にはならない。すぐ出てきて復讐してやる!」
「……璃々さんに手を出す、そうおっしゃっているように聞こえますが、間違いないですか? 猫屋敷さんのクレカを盗んだことを自白なさった上に脅迫の余罪も加わりますね。ご存じですか? 刑務所や留置所では、よく人が自殺するんです」
「あ、あんたのほうこそ脅迫するつもりかい?……うっ? こ、この音はなんだよ!」
「音ですか? 僕にはなにも聞こえませんよ」
自ら罪を白状したも同然の夫成さんは、両腕を頭に寄せている。
鎖から飛び出した棘に刺されても、本人は痛くないのかな。
黒い影のせいで詳細がわからない。
耳を塞いでいるのだろうか。
異形の存在が蠢いているようにしか見えなかった。
異形といえば、信吾さんの頭上にいる黒い狐さんが変化していた。
狐の部分から黒い影が立ち昇り、形を失って蠢いているかのようだ。
夫成さんは、自分以外のだれにも聞こえない音に苦しめられているのかもしれない。
「……し、信吾さん?」
わたしは信吾さんの腕をつかんで引っ張った。
やっぱり彼は狐さんにすごく助けられているのだと思う。
……かなりグレーな分野で。
「どうしました、璃々さん」
「こんなことしてるより、早く警察を呼んだほうが」
「そうですね。あの焦りようからすると、まだクレジットカードを処分してないんじゃないでしょうか。猫屋敷さんのご遺体が見つかったのに欲を捨てられなかったんでしょうね。まあカーテンを閉めたりクーラーをつけたりしていた時点で、少しでも長い間クレカを不正使用したいという欲が透けて見えてましたし」
「き、きええぇぇぇっ!」
夫成さんは奇声を上げて、信吾さんの手を振りほどき家の中に逃げ込んだ。
「あぁっ!」
彼女は廊下を走って部屋に飛び込むと、ガラス窓を開けて庭へ飛び出した。
信吾さんが低木の切れ目から庭へ入ろうとしたが、そこにはゴミ袋が積み重ねられている。
庭を囲む低木をかき分けて、黒い仮面の女が逃げていく。
裏の家との隙間に出る瞬間に、彼女が振り返った。
……わたしを見ている。
その顔が黒い影でできた鎖で覆われていても、憎悪に満ちた視線を向けられているのがわかった。
いや、視線だけではない。
黒い鎖から飛び出した棘がわたしを向いている。
「覚えておきなっ! ふたりとも絶対に許さないからねっ!」
その言葉と同時に放たれた棘がわたし目指して飛んでくる。
「……警察に連絡して、すぐに来てもらいましょう。なぁに、捕まえるための証拠ならいくらでも見つけさせられます。……璃々さん?」
ゴミ袋を乗り越えて夫成さんを追うのを諦めて(最初からそんなつもりはなかった気もする)、信吾さんが振り返る。
彼はその場に座り込んでいるわたしに気づいて、細い目を見開いた。
腰を降ろして、倒れそうなわたしを支えてくれる。
状況が違うとはいえ彼女の黒い影に触れるのは初めてではない。
あのときもわたしの中に入った黒い影が、彼女の怒りを伝えてきた。
だけど、違う。
全然違った。
信吾さんの頭上から、黒い狐さんが伸ばしてくれた手に触れても回復できない。
こんなのは初めてだった。
夫成さんの状況がデパートのときとは変わった。
自分から触れたのではなく向こうから攻撃? された。
……等々、理由はたくさんある。
でも一番違う、初めてだと感じたのは『殺意』だ。
十一月に動物園へ行った際も、他人の殺意を味わった。
だけど今回流れ込んでくるのは、わたしに向けられた明確な殺意だ。
デパートのときの憤怒とは比べものにならないほど熱く、気持ちが悪い。
全身から汗が噴き出す。
彼女の背中にあった翼のように、体がドロドロと滴り落ちてしまいそう。
力の抜けた背中に当たる、骨ばった大きな手の感触が心地良かった。
「璃々さん? 璃々さん、どうしたんです?」
信吾さんの声は聞こえるのに答えることができない。
吐き気がする。お腹の調子も悪くなってきた。
あれ? もしかして黒い影を打ち込まれたからじゃなくてSFTSが発症したのかな。
アライグマが捕獲される前に、猫屋敷さんの家の庭に入っちゃったし。
「……梨里ちゃん……」
「梨里? 梨里がどうしたんですか、璃々さんっ!」
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