上 下
252 / 310

編入試験始まる

しおりを挟む
「ヒマリ様、瑞穂様、かなこ様入室いたします」

家臣の声が謁見の間に静かに響き渡る。

「うむ、許可する」

「やっほー!ロンさん少しは慣れた?」

「ヒマリ殿ロン艦長は……いや失礼しました。かのお方はロン国王陛下ですので何卒宜しく頼みますよ」

「えへっ!ゴメンネ国王陛下様」

「ヒマリ殿にそう言われると何だか幼少期に近所のお姉さんに悪戯されたトラウマが想い出されますよ」

「何された?あれか?」

唇を噛み締めて俯くロン国王陛下相当のトラウマみたいだ。

「初体験は思いの外早かったのね幼少期には大人になっていたのですね。
でしたらこの誰でもウェルカムのビッチな性女様に上書きして貰うと良いわよ」

「ヒマリさん!」

 かなこは声を上げたそれは人として如何なのかと!

「ひっ!ヒマリ殿、僕は大丈夫ですから瑞穂殿は体調が悪いのでは?」

 急にヒマリは口に手を当て俯いて話し出した。瑞穂の影に隠れ声真似までして籠った声で話す。

「いえいえ、私は聖女です体調不良などありません」

 と急に物凄い勢いで首を横に振る瑞穂
だがボキボキと不吉な音がしたのだ。

「ひっ!瑞穂さん今の音は……口から血が出でる……」

「あ、コレさっき飲んだトマトジュースが逆流しただけですよ所謂逆流性食道炎
ですわ」

聖女様なら簡単に治せるだろ!

 ロン陛下は思ったが口に出さない
触らぬ神に何ちゃらだから。

「それでは陛下学園を紹介して下さり誠にありがとうございます
では私達は学園に行ってみます」

 キレイにカーテシーを決めるJK三人
一人だけ彼方此方の関節から嫌な音がしていたが気にせず謁見の間を出る。

「ヒマリさんスリープだけじゃなくパラライズもかかってんじゃない?」

「おお流石ですね分かりますかその通りです。まあ、保険ですね多分自力で解いて暴れる筈ですから」

「ヒマリさん瑞穂さんの体中ブス青くなってます!不味くありません?」

「あら本当ね内出血だわついでにかなこちゃん治癒を瑞穂に掛けてみたら皆んな出来るよ」

「はあぁぁ!ヒール!」

「アハハ、力み過ぎだよかなこちゃん」

 優しい光が瑞穂を包み出す。
バッチッ!と眼を見開く瑞穂まるで吸血鬼の棺を開けたら目が合ってメッチャ
びびる感じだ。

 ウチのサリーさんはしっかりとベッドで寝ているし短髪だった髪も背中まで伸びてエロさ倍増だ洋一さんの鼻の下もメッチャ伸びていたな。

「はっ!ここは何処!私は誰!」

「馬鹿瑞穂!」

「テメェ!コンニヤロウ!ヒマリ!」

「あっ!イテェやったな!」

「ヒマリ!ザケンナよっ!」

 突然のキャットファイトにオロオロしだすかなこヒマリと瑞穂はお互いの頬を両手で抓り合っているがやっている事が小さな子供の喧嘩のようで何だか微笑ましくなってきた。

「今頃皆んなコレを見てお腹を抱えて笑っているのだろうな」

ふと、遠い目をするかなこだった。



 学園長室の応接用ソファに座り学園長と対面していた。

「陛下から伺っております。
隣国ローベルの友好国からの留学生で間違いありませんか?お一人多い様ですが」

「はい!この子は隣国ローベルの正統なる聖女様にあらせます。
是非とも今回の友好の標としての留学に参加したいと申され無理を承知でお連れしました。勿論彼女も編入試験を受けますので宜しくお願いします」

「何と!聖女様でしたかコチラとしても大変光栄な事です許可いたします」

「ありがとうございます」

三人揃って頭を下げる

 ゲスな目で私達を舐め尽くす様に視姦
するハゲデブ糞ジジィ早く死ねばいいのにと心で毒づくヒマリ。

 三人共指輪の効果の距離をゼロにしているカフェISNと同じくしているのだ。是非そうしろと皆がニヤニヤしながら言って来た。私達のやらかしを期待しているからだ。

「試験官を紹介します」

男女四人が入室して来た。

「筆記試験担当のカマーです」

 ちょっとイヤらしい体をしたアラフォー近くの未婚の女性の教師だ

 アラフォー未婚は全てヒマリの決めつけなのだ。

「武術試験担当のブソンだ手加減出来ないからそのつもりでいてくれ」

見るからに脳筋オヤジだ。
なっ?何を早速勃起してんだよ!

「魔法試験担当のコネクリじゃよろしくじゃ」

 想像通りの賢者ぽい格好をしている
老ぼれジジィだ魔力も大した事無いけど大丈夫か?げっこのジジィも勃起してるじゃね!私らは歩くバイアグラか!

「私は統括管理者のフセイだ君達の試験を公正な目で見る者だ」

なにが公正の目だフセイしまくりの濁った目をしているコイツも勃起してるわ!

ああ、女神様指輪を元に戻して宜しいでしょうか?

ダメじゃ!試練を全うするのじゃ!ぷっ

笑いを堪えている……はぁ皆んなで見て楽しんで頂けるだけでも私幸せです!

ヒマリが開き直った瞬間だ。



試験が始まった。
空き教室での筆記試験だ

 数学、理学、歴史、一般常識の四科目だ。数学、理学は日本の小学校高学年の問題だ勿論満点だろう。

 瑞穂はケアミスをよくするから心配だ
問題は歴史だ異世界の何処とも分からない国の成り立ちなんて分かるか!
あ、今の政権交代のクーデターなら分かるわ当事者だもね。
それだけ詳しく書いてやった後は適当に埋めてやったさ。

 一般常識は王族達に扱かれた事が結構あったので七、八割は取れたと思う。
かなこちゃんも大丈夫だろう、瑞穂は分からんけど二回目ぶっ殺されるまで聖女教育受けていたから行けるでしょう。

分からんけど。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

レディース異世界満喫禄

日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。 その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。 その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!

ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
 ハルドン伯爵家の三男として生まれた俺、カインは千万人に一人と言われている二つのスキルを持って生まれてきた。だが、その二つのスキルは〈創造〉と〈操作〉というハズレスキルだった。  そんな俺は、ある日、俺を蔑み、いじめていたやつらの策略によって洞窟の奥底に落とされてしまう。 「何で俺がこんな目に……」  毎日努力し続けてきたのに、俺は殺されそうになった。そんな俺は、復讐を決意した。    だが、その矢先…… 「ど、ドラゴン……」  俺の命は早々に消えそうなのであった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

ブラック・スワン  ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~ 

ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)

無能は不要とSランクパーティを追放された最弱ジョブの【アイテム師】。だが奴らは【複製】【融合】【付与】などチートスキル持ちの最強だと知らない

大田明
ファンタジー
フェイト・レイフォースはSランクパーティ、輝く風(シャイニングウィンド)に所属する【アイテム師】。 【アイテム師】とはこの世界で最弱と呼ばれる【ジョブ】。 フェイトは自分なりにパーティに貢献してきたつもりであったが……リーダのゲイツを始め、他のメンバーたちもフェイトはパーティに必要無いと、突然追放を宣言する。 理由は【アイテム師】だから。 ゲイツは最弱である【アイテム師】などという無能は必要ないと断言し、フェイトをダンジョン深くに放置して仲間たちと帰還してしまう。 だがフェイトは無能とは程遠い、超有能人材。 これまではゲイツたちに気を使っていたが、自分の力を解放しようと決意する。 普通の【アイテム師】では習得できるはずのないチートスキル、【複製】【融合】【付与】。 これらの力を発揮した時、フェイトの力は最強へと進化する。 いきなり始まるフェイトの最強人生。 ゲイツたちはまだ知らない。 有能で最強の人材を逃がし、そしてこれから待ち受ける自分たちの運命に。 これは最弱でありながら最強となった【アイテム師】の物語である。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。 国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。 溺愛する女性がいるとの噂も! それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。 それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから! そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー 最後まで書きあがっていますので、随時更新します。 表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。

あなたへの想いを終わりにします

四折 柊
恋愛
 シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)

処理中です...