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リゾートビーチの潜水艦

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 瑞穂の提案による入院中の子供達への西海岸リゾートビーチご招待の案内が広がると直ぐに問い合わせが殺到した。

 まあ、ロロに丸投げしたけど今日から夏休み中開催だ。

 言い出しっぺの瑞穂と裕子がお迎えに行く瑞穂は聖女様風衣装で真っ白な身体のラインがはっきり分かるシスター服で所々に金の刺繍が為されていた。

 金髪で綺麗な蒼眼まさしく絶世の美女の瑞穂大きな胸が強調され引き締まった腰のライン物語にででくる美しい聖女様その者だった。

 私は全く悔しく無いけどね縦ロールのドリルが揺れる。

 裕子は夏用のワンピースとサンダルに
つば広い麦わら帽子で夏のお嬢様だ
勿論裕子もスタイルもバツグンな美少女である。

 ロロにナビされて病室の前に転移する
突然現れた二人に驚きその容姿を見てまた驚く。

 病室の扉は開かれており中から楽しそうな声が聞こえた。

 こんにちは~!何処かの芸人さんような挨拶をして二人は入って行った。

「わー!聖女様!きれいー!」

「うん、そうでしょうそうでしょう!」

 その間に裕子は責任者と挨拶して最終打ち合わせを済ませる。

 徐ろに聖水という名の水道水を四隅に撒き両手を組んでお祈りのポーズを裕子と二人でとる。

「全能なる美しき女神様どうか私どもに慈悲を与えくださいヒール」

病室が眩しい程に輝き出した。

「からの転移!」

 人がいなくなった病室からは心拍数のモニターから大きなエラー音が鳴り響いていた。



バシャバシャバシャバシャバシャ

 波打ち際を全速力で駆け抜ける少女
豊満な彼女の胸があらゆる方向に暴れ回っていた。

「キャハハハ楽しーい!!」

 セリフはカブるが決してあの女の子ではない。

「古都ー!待ちなさーい!アナタ何年も寝たきりだったんだから急に全速力で走っちゃマズいって~!」

付き添いの看護師さんが必死に追いかけて来る。彼女の胸も暴れん坊さんだ!

「あっ清水さんもチャカリエロい水着着ているこの国は殆ど女性しか居ないのに」

「五月蝿いな、配信もやっているのよ世界中大人気の配信!それにこの水着は無理矢理渡されたのよ!」

 看護師の清水さんはアラサーに片脚を突っ込んでいる美人のお姉さんだ。
婚活中と自ら言っていた私もさっき知ったばかりだ私寝たきりだったもんね。

「しっかし、言っちゃ悪いけど聖女様って化け物ねあっ!いい意味でよ!
何でもかんでも治るのよイヤ体が新しくなったが正解かな私の古傷も無くなっているしさっきトイレで確認したけど
あったわ膜が未来の旦那様が喜ぶ顔が目に浮かぶわ」

「でもその歳で処女なんて反対に引かれません?」

「うっさいわね分かってるわ!」

 清水さんってこんな人だったんだ。
普段の冷静沈着でキリッとした姿に憧れていたけどな。
けど素の清水さんの方が好きだよ。

「それじゃ皆んなの元に戻るわよ」

「は~い」

「あっ!コラッ!走るなーー!!」



「は~い!これからお昼までの時間海の旅となりま~す。ここに集まって下さい
では水先案内人を紹介しますどうぞ!」

ササラです。
リリスです。
マイちゃんで~す。

 マイが一様落とした形になったが所詮は三歳児だ滑っても気にしない。

 三人ともお揃いのスクミズを着ていて胸の所にはお約束の白地の布にマジックで名前が書かれていた。

勿論これは悪役令嬢の仕業だ。

きゃーー!かわいいー!!
悪魔っ子三人娘だ!うひょひょひょ!
ぼ僕縫いぐるみもっているよ!

ササラが代表として一歩前にでる。

「それでは皆さん出発しま~す」

「皆んなお昼はBBQよ楽しみにしてね」

は~い!
早く行こう!
ドラゴン焼肉楽しみだね。

「転移!」


「えっ!ここ何処?」

 薄暗い乗り物の様な所に飛ばされて
不安を隠しきれない表情の面々。

「ここは海の中潜水艦の中ですわ
出発進行!」

 潜水艦の前部と左右はより大きな窓を取り付けて見晴らしがとても良い!

わー!魚が泳いでるよ!
本当だ生きている魚
あそこに大きな魚がいるよ!
ほんとーデカいわ!

 その女の子の声に数名の男の子が顔を赤らめるオマセさん。

「あっ!イルカさんだ!」

「ふふふ、私達に勝とうなんて一億年早いのですわ」

「だよねー」

「行っちゃえササラちゃん」

「ササラいきまーす!皆んな掴まって!

 グググーーンと加速する潜水艦物凄いGだ咄嗟にリリスが保護結界を張った。

「流石リリスちゃん余計な圧がなくなったわ快適だね」

「ほらほら、追い越しちゃうぞ~!」

 必死になって逃げるイルカ達事ある度にリリス達に鍛えられて力強くなって来ている。

「良し!私の勝ち!」

ガッツポーズを決めるササラ。

「ササラちゃんまた勝ったねリリスちゃん」

「あい」

 抱き合うマイとリリスに周りの者達はウットリしている。

「あー可愛いわ抱きしめたい!」

「ちょっと清水さん顔がヤバいわよ」

「あん!」

「何でキレるのよ!飲んでるのお酒飲んでるの?」

「……の飲んで無いわ」

「何で目を逸らすのよ!声もちちゃいよ!」

「それじゃ海も飽きたし空に行きます」

ザッパァァァァァァァンーー!!

「きゃー!!」

あちこちから悲鳴が上がる。

「飛んでるわ!潜水艦が空飛んでる!
清水さん!凄いよコレ!ねえねえ見て見て清水さん!」

 清水は落ち着いていた冷静沈着なできるお姉さんだ。

「ほへ~流石清水さんおっとな~!ん?」

清水さんは白目を剥いていた。


うわーあれ日本だよね。
アメリカが見えるわ!
あそこハワイだよね。
男の子がスマホを取り出しマップを見て自慢げに皆んなに教えていた。

「あれ?さっき迄水色の空が紺色になっているよあっ!本当に地球って青いんだってかキレイな水色だよ!」

「えっ?宇宙まで来ちゃった?」

 物凄い速度で横を通り過ぎていくのは人口衛星?

「私本物初めて見たあんなに速いのね」

ポーン

「わたくし、機長のマイです」

「潜水艦だから艦長じゃないの?宇宙船も艦長って言うしね」

ゴホン!

 一人の男の子の指摘に咳払い一つで
黙らせるマイ機長。

「これより有人宇宙ステーションに接近しますので目一杯媚びを売って下さい!」

「言い方!」



「キャプテン!大型の物体が此方に向かって来ます!」

計器を睨んでいた女性が告げる。

「コース割り出しました!
えっ!マズい同じ航路上です!」

男性が素早く計算しキャプテンに報告する。

「何だと!コース変更は間に合うのか?」

「駄目です時間が全く足りません!」

「地上にこの事を報告する」

「すでに状況を報告しています!」

もう一人の女性が地上とやり取りをしている。

「そうかありがとう」

「キャプテン見えました!」

「なっ!!潜水艦なのか???」

「キャプテンあれは異世界人に借りパクされた某国の最新鋭潜水艦改だと思われます!」

「奴らの潜水艦は宇宙空間も飛べるのか」

「あと十秒で衝突します!」

「皆んな今までありがとうそして済まなかった」

 頭を深々と下げるキャプテン涙が空中に漂っていた。

キャプテン……艦内は一瞬沈黙した。

「潜水艦進路変更しました」

「なっ?当艦通過後百八十度進路変更
更に横に並びます!」

「何だとーー!!アニメの宇宙ロボットでもあるまいし宇宙空間でその様な動きが絶対出来る筈が無い!!」

「キャプテン右舷を見て下さい!」

「ななな何ーー!!」

 ピッタリと並走している潜水艦大きな観光用だろう窓から沢山の子供達が大きく手を振っているではないか!
しかもなぜに水着?

 付き添いだろう女性が何ともエロくて辛抱堪らんコリャ暫くの間トイレが混みそうだ。

「キャプテン地上から連絡あり映像を出します!」

「へっ?」

「ゴホン!カール君口を閉じなさい!
アホ面が全世界に配信されているぞ」

「へっ??」

「あの船は日本の病院に長期間入院している子供達の慰問の一環で夏休み限定のリゾートビーチ企画の一つだ」

「はぁ~!って宇宙空間まで来るのかよ!」

「全くその通りだ早く笑顔で手を振り返せ皆んなが見てるぞ」

「あい」

 キャプテンの引き攣った笑顔が全世界に映し出された。


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