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召喚から皇帝へ

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 片膝をついていたザクスはゆっくりと立ち上がって周りを見渡した。

 何処だ?俺は気を失い連れ去られたのか?何故直ぐに殺さなかった?
ん?魔法陣だと転移させられた事か?

 薄暗いまるで地下室の様な何も無い空間周りを全て石板て固められて天井もそう高く無い。

 偉そうなジジィと若い女がいて俺を囲む様にフル装備の騎士達が様子を伺っている勿論剣に手を掛けながらだ。

 壁際には魔法使いなのか精根が尽きたように彼方此方に転がってる。

「そうなるよな、俺は黄金色に輝く全身鎧にヘルムを被っている不審者全開だ」

沈黙を破ってジジィが声を掛けて来た。

「おお!勇者殿我々の召喚に応じて貰い誠にありがとうございます!」

「へっ?召喚?」

 咄嗟に変な声が出てしまった。
先程まで声色を使っていたからな女の子の声は冷や汗物だったわい!

「お願いします!勇者様わたくし達を魔の者達から救って下さい!勇者様だけが最後の人類の希望なのです!」

 若い女が祈りを込める様に両手を組み膝をつく豪華な純白ドレスの汚れなど気にしない。

 あざといと俺は思った。

 この様な懇願は毎回見ていたし本気度も其れなりにわかる様に成っていた。
糞達に感謝だな……

「えー飽きた!早送りして!」

「堪え性がないなヒマリはわかったよ」

ペチャクチャペチャクチャペチャクチャ

 ザクスがジジィに近づくと周りの騎士の首が飛んだ。
ジジィと一言三言話した後女の手を引いて部屋から出て行った。

「あっ!コレはやるねー!」

「雰囲気セルナに似ているからヤル気マンマンだよ!」

「ほら!始まったから通常再生して頂戴」

「うわーマッパのくせにヘルムだけは外さないのね」

「おー!イキナリ後ろかー」

「ヘルム被っているし吸ったり舐めたり出来ないからよ脱げばいいのに」

 ロンは画面だけに集中している両手を耳に当てて決してJK達の解説や実況を聞かない様にしていた。

 あの子達に関わってはいけない!
幾多の戦乱を切り抜けてきた者だからこそ命の危機に敏感になるのだ。

あ~勇者様!すご~い!もう行きそう!
私壊れちゃうわ!
行く行く行く行く行く行く行くわー!

「ベテランね裕子みたい」

「なっ!何を言っているのかな瑞穂ちゃん」

裕子は立ち上がり瑞穂を手を掴んだ。

「ど、ど、何処に連れて行くのよ!」

瑞穂は物陰につれさられた。

パパパパパパパパパパパパパパパーン!

ヒンギィーーー!!

瑞穂の絶叫が響き渡る。

 パンパンと手を払いながらニコニコな裕子が戻って来た。

「ヒマリ!擬似んぽ超良いわ簡単に瑞穂を分からせられるんだもの気持ちも良いし亜希子に言って特許権取ったら?」

「特許か~でも使える人二百人も居ないよ」

「……だよね亜希子に毒されたかな」

「……裕子物陰に行こうか?」

「ひぇー御免なさい亜希子さん!」

「あら、ザクス君が先に行ったわ」

「そうろう……」

「あっ、音声がまた止まったヘタレね」


 しばらく経ってから気持ちを取り戻したザクスは続きから再開させた。

 ザクスに腕枕をされマッパな二人は寄り添っていた。
女はずーとザクスの乳首を弄び続けていたまたにチンコも扱いたりと女に抜かりは無い。

「で、あのジジィがアンタの父親で皇帝陛下なのか?その娘のアンタが第二王女バキナって言うのか?」

「そうよ宜しくね勇者ザクス様」

「あ、また始まった」

「あ、もう行っちゃった」

「あ、また音声が止まった」



昼食を挟んで再開だ。

 皐月さん達はビーチチェアで寝そべりながら爆睡している。
飲み過ぎだ調子こいたお父さんみたいだよ。瑞穂談

「あースキップ」

「結婚式?ザクス君王女バキナと結婚してたんだ」

「それでジジィを力で引退させて皇帝に就いたのか納得しました」

「他の継承者も居たよね?」

「それはそのザクス君だよ消したに決まっているでしょう」

「だよね」

「やっと駆逐艦事件に入るのね」

「私一回帰るわね」

「えーじゃ私も帰る」

「皆んなで帰って明日にしましょう」

「そだね」

「3ーPO洋一さんも帰るよね」

「僕もかえってドラゴンステーキで英気を養うよ」

「えー毎日食べているんでしょう」

「そうでした」

 エヘッと頭をコツンとするがヒマリに睨まれた。

「あ、ザクス君は」

「大丈夫固定しているから盗まれることは無いわ後で洋一さんがエサを与えれば良いオッケーよ」

えーやっぱり僕か……

「おい、俺の鎧かえせよ!」

はっ!皆んな消えた?

 瓦礫の中でたった一人のザクスは取り残されていた。

 ビキニパンツは下げられたままザクスのチンチンは丸く縮まっていた。

「俺のパンツちゃんと履かせれよ!!」


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