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ムラムラが止まらない

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 夕実の奴来月一日から施行される新しい法律の事分かっているのか?
あの様子だと聞いてはいるが理解してないな犯罪奴隷だぞ大丈夫か?

 「来月一日より不倫防止法が執行されます不倫防止法が適応されますと即犯罪奴隷に落とされますので心当たりのある方達は早めの清算を行なって下さい。

 繰り返します。来月一日より不倫防止法が執行されます心当たりのある方は早めの清算を行なって下さい。
怠りますと犯罪者奴隷になります!」

 ここ最近毎日の様にテレビラジオSNSなどで頻繁に流されている告知だ。
コレでも続ける強者がいるだろうか?
まあ、真実の愛を見つけたなどとほざく連中の離婚は増えているが今は簡単に離婚出来るのだから仕方がないか。

 「夕実さん今話題の防御魔法の付いた指輪買ってきたよ」

 「えー!あの中学生の女の子の事故のヤツ?」

 「そうあのヤツさ」

 「へーありがとう良ちゃん大事にするわ」

 「別にいいんだよ君に何があったら僕が堪らないからね」

 「ふふふ、そうね良ちゃんは私大好きだもんね」

 「揶揄うなよ全く」

 そっぽを向く僕、笑いながら右手中指に指輪をはめる夕実、それを見て細く笑む僕は酷く悪い顔しているのだろう。

 誓いの指輪は半径五メートル内に入ると強制的に相手の性欲をゼロにする物だ。

 この効果が浮気防止の指輪、所謂呪いの指輪と言われる所以だ。ただし指輪の範囲に入った者だけに有効なだけで指輪を付けている本人には全く作用されない。

 満たされ無い身体は自分で治めるしかないのだ。

 けど夕実の場合僕の指輪の範囲内であれば性欲を消してくれるので僕の側に居れば彼女も平穏に過ごせる。

 僕も安心だ夕実には性欲も湧かないから、だから感度増の付与も断ったのだ。

 「鷲岡係長、この後空いていますか?」

 「ああ、夕実君かスマン課長に呼ばれているんだ」

 「そうですか?それじゃ次回に……」

 「分かった」


 「呪いの指輪か……」

 ポツリと夕実は呟いた。

 「デカチンが欲しい……」

 本音が漏れた。




 「ただいま~!」

 「お帰りなさい良君!」

 「最近帰りが早くなった?」

 「そう?繁忙期が過ぎたからじゃない」

 「そっか、夕実が待っていると思うと僕は嬉しいよ」

 「ふふふ、私もよ良君と居ると落ち着くわ」

 だろうね。もう、そろそろかな。




 「えっ?ドラゴンですか?」

 僕、鷹下良平は課長に聞き返した。

 「専務がお前の頑張りに大層喜んでな
今流行りのドラゴンを食べさせると息巻いてるんだよ」

 「えーステーキですか?」

 「まさかよ!三人で九十万だぞある訳ないだろう!」

 「ですよね」


 僕達はあのカフェに来ていた。

 カランコロンと重めの木製ドアを開けると、うら若き女性達の声が聞こえる。

 「旦那様!お帰りなさい!」

 うわー!皆んな超美少女!
ケモ耳さんもいる、エルフさんもいる、異国の金髪さんもいる。

 ここは天国か?僕は死んだのか?
異世界転生なのか?女神様はどこ?

 軽くバグる鷹下良平がいた。

 「旦那様方コチラに席をご用意しております」

 事前の用意じゃなく単に空いている席に案内された。めっちゃ美しいダークエルフさんだ胸元が大きく開いたメイド服をご着用している動く度に大きなオッパイさんが揺れるのだ堪らんわ!

 僕は早速Love &Loveのサイトを開き彼女を探した。お、見つけた?

 「えっ?えー!王女様!!何でここに居るの?!」

 「お帰りなさいませ旦那様!」

 銀製の丸いトレイにお冷やを三つ乗せて銀髪ボブカットで赤い瞳のコリャまたキレイなお方がやって来た。

 どうぞと僕達に氷の入った水を置いていく。なぜか胸元に目が引き寄せられるのだこのお方もデカ乳なのだ。

 ガタッ!

 急に専務が席を立ち九十度に腰を折メイド服の彼女に頭を下げた。

 はっ?なに?

 唖然とする僕達だが課長に続き僕も席を立ち頭を下げる。

 「ご無沙汰しております!三代子様!
ご退院したにも関わらずご挨拶が遅れて大変申し訳ございません!」

 更に深々と頭を下げて謝罪する専務。

 「おー!タカシ君か久しいの元気そうで何よりだ健康が一番!がっははは!」

 「大曽根財閥のトップがなぜに……」

 「ああ、これか?バイトだよバイト!
アルバイトだよ!ワシも……」

 ゴホン!改めて言い直す三代子。

 「私も仕事をしないといけないのよ!
誰も怒らないけどね。だって女王様や王女様達もやっているわ昨日だってダンジョンに潜りドラゴンを狩ってきたのよ。最近はひのきの棒や竹箒の柄だけで攻略するのが流行っているの健康維持とストレス発散のためよ。ドラゴンの首を刎ねるとスッキリするわ」

 「……」

 「あら、いけないお婆ちゃんみたいに長話になったわね。では改めて
ご注文は如何致しますか?旦那様」

 はっ?

 専務魂が抜けてたね。

 「ドラゴンステーキを三つ!お願いします!」

 えっ!専務大丈夫か?

 「タカシ君無理しなくてもいいのよ
まあ、ここのドラゴンステーキは捨て値の大特価だもね一億でも安いのかな?」

 「各国の軍だって二階層までしか行けないのだからラスボスのドラゴンなんて夢の夢の夢だよね是非頑張って欲しいわね!」

 「ドラゴンステーキ三皿ですねご注文承りました。ありがとねタカシ君」

 「いえ、コチラこそ三代子様とお話しできて光栄です」

 「硬いよタカシ君!三代子でいいよ今は二十歳の小娘だから」

 「三代子ちゃん二番テーブルのお兄ちゃんからご指名よ~!」

 「分かりました」

 僕は偶々後ろを通り過ぎるケモ耳さんに小さく声を掛けた。先日の白狐の美少女さんだメイド服に巨乳素敵だ!

 「如何なされましたか?」

 「ちょっとした疑問なんですが皆さんあの指輪をしていますよね」

 「はい、全員しています」

 「でしたら、指輪の効果範囲内にいる訳ですね。なら何故ガッチリ反応するのでしょうか?」

 ああと僕の股間を一瞥し察した様だ。

 「私達は指輪の効果範囲を自由に変えられるのですよ今は距離ゼロですタッチされたら効果を発揮します」

 「そうですか納得です。それは僕の指輪もですか?」

 「出来ますよ。私達にお申し付け下さい」

 「ありがとうございます」

 僕は礼を言い頭を下げた。


 「お兄ちゃんお待たせ!」

 「ミヨちゃん僕ちんのオムライスにいっぱい愛情を注いでほしいな~それも白いヤツ」

 「お兄ちゃん行くよ!」

 三代子は大き目のマヨネーズを胸に挟み込み両手で胸を押し込みオムライスに
ビュッ、ビュッ、ビュッと飛ばす。

 それを真剣な眼差しで見ている男
はぁはぁと息が荒い小太りのお兄ちゃんが身震いを起こした。

 

 こんなので行くんなら先に抜いてこいよ!とこっそりため息を吐く三代子だった。

 

 その頃、会社でお仕事中の夕実のムラムラが止まる事はなかった。

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