15 / 38
獣人と修行僧と
しおりを挟む
「やめておけ」
横から口を挟んだのは、修行僧のアッサラーだった。
邪魔をするな、と狗頭人が横に払った十文字槍の切っ先は、すぐにかわされた。
「おぬしの敵う相手ではない」
穏やかになだめる修行僧に、この賞金稼ぎは余計に苛立ったらしい。
私への挑戦はそっちのけにして、そちらに槍の穂先をつきつけた。
アッサラーは目を伏せて、首を微かに振る。
そこに隙ができたと思ったのか、狗頭人は何段にもわたる突きを繰り出した。
もっとも、それは私だから分かったことだ。
動くものを捉える眼と、揺るがぬ度胸を鍛えるために、テニーンは電光石火の突きを放っては、正面から見つめる訓練をさせた。
私を見据える眼差しは、冷え冷えとして、鋭い。
その気迫にも、目の前に迫る槍の穂先にも、最初のうちはたじろいだものだ。
だが、テニーンを見つめ返す私の眼は次第に槍の動きをも捉えるようになった。
やがて、その間合いも見切ると、もう恐れはなくなった。
そのときのことを、私はまだ覚えている。
満面の笑顔を浮かべたテニーンは槍を投げ捨てて駆け寄ると、豊かな胸に私を抱きすくめたものだ。
だが、その私にも、十文字槍《ランサー》の速さは分かった。
村の若者たちはおろか狼頭や山猫頭にも、その穂先は見えたかどうか。
アッサラーは、槍の柄を掴んでつぶやく。
「惜しい。筋は悪くないのだが」
狗頭人は牙を剥いて、涼しい顔をしている修行僧を睨みつけている。
その張りつめた空気は、見ているほうが息を呑むほどだった。
モハレジュが、そこへ水を差す。
「どっちも見ない顔だけど……何があったの?」
一方で、私がどちらも知っているというのは皮肉な話だった。
やがて、村の奥へと散り散りに逃げていった村人たちが戻ってきて、そこは自然と寄り合いの場所になった。
よそ者のアッサラーや、半人半獣の者どもにも、ささやかな朝食が振る舞われる。
それは龍騎兵から村を救った礼という意味もあっただろうが、食料はそれほど豊かにあるわけでもなかろう。
なけなしのものを分け合って食べると、そこにはもう、ひとつの仲間たちが生まれていた。
そこでアッサラーが語って聞かせたのは、この村にやってくるまでの経緯だった。
「フラッド殿に敗れて、我が身を大いに省みた……炎の神は、戦神ゆえ」
そのマントには、あの太陽とクジャクをあしらった紋章が縫い取られている。
村を蹂躙した竜騎兵たちの持ちものにも、同じ紋章があったことだろう。
だが、とにかく生き延びるのに必死で、そんなところにまで目を留めている余裕はなかった。
ましてや、都から遠く離れた村で暮らしているうえに、そのまた奥へ逃げるので精一杯だった人々が気づくはずもない。
半人半獣の者どもたちは目を剥いたが、ただひとり、そっぽを向いていたモハレジュは微かに首を横に振った。
心配していたが、いさかいは起こらなかった。
アッサラーは話を続ける。
「都からの街道を行き来して、出会った修行者たちに片端から手合わせを願ったが、フラッド殿ほどの手練れはおらなんだ」
村人たちは、目を丸くして私を見つめる。
思わず目をそらしたが、照れ臭い、とはこういうことをいうのであろうか。
咳払いひとつで、アッサラーの話は本題に入る。
「そのうち、街道で我が名を知らぬ者はいなくなった。これでは修行にならん。そこで、街道を外れて、こちらへ向かうことにしたのだ」
やがて気付いたのが、遠くの山脈から立ち上る煙だった。
私が飛刀に使う鋼を得るために作った、あのタタラからのものだ。
アッサラーも、それが刀を鍛えるためのものだということには気付いたという。
そのうち煙は消えたが、場所を変えたのだろうと察しをつけて、村を探して歩いたのだった。
「夜明け前に龍騎兵が集まって、馬を休ませているのを見かけた。そこで、ここが襲われると読んだのだ」
続いて口を開いたのは、狼頭のヴィルッドだった。
「俺たちは、お前らを待つつもりだった。必ず、帝王を倒す武器を手に入れて帰ってくる。そう信じていたからだ」
そこで、モハレジュが口を挟んだ。
「でも、ここにいるってことは、信じられなかったってことだよね? アタシも、フラッドも」
山猫頭のアレアッシュワティが声を上げる。
「いや、待つつもりだった。みんなそうだった……ひとりを除いては」
そこでモハレジュは、がっくりとうなだれた。
深々と、溜息をつく。
ここへ来なかったのが誰かは、もう察しがついていたのだろう。
ヴィルッドが、相槌を打つように頷いて言った。
「スラハヴァーだ。あいつだよ、助けに行けって騒ぎたてたのは」
亀の身体と角の生えた頭を持つ男だった。
あまり器用でもなければ度胸もないが、その分、余計なことはしないだろうと思っていた。
というか、すっかり忘れていたのだった。
アレアッシュワティも、きまり悪そうに口を開いた。
「恥ずかしい話、スラハヴァーがああ言わなかったら、誰も腰を上げなかっただろう」
だが、動けなかったのは仕方のないことだった。
半人半獣の者どもは、「炎の帝王」の都から出ることは出来ても、中に入ることは認められていない。
この村に来た者は、家の、そして家族のもとに戻ることはできないのだ。
私は素直な気持ちを告げた。
「恥じることはない。血の通った者として、当然の気持ちだ。それを振り切ってきてくれたこと、感謝している」
半人半獣の者どもたちは、そろって照れ臭そうに顔を背けた。
だが、モハレジュはそれに水を差すように口を挟む。
「その、言い出しっぺのスラハヴァーは?」
ヴィルッドが狼頭の口で、ため息交じりに答える。
「置いてきた。こう言っちゃなんだが、あの身体じゃ足手まといになる」
もっともな話だった。
アレアッシュワティが山猫の耳をひくつかせて、十文字槍《ランサー》を抱えて座り込む狗頭人に尋ねる。
「どうする? ついてくるか? ええと……」
そこで初めて、狗頭人の賞金稼ぎはその名を口にして答えた。
「キャルブン……金にならんことはせん」
返事は不愛想だったが、その身体はそわそわとして、居心地悪そうだった。
そこで、アッサラーが私に向き直った。
「つまり、おぬしらは、『炎の帝王』と戦うというのだな?」
頷いてみせると、杖を構えた。
「では、ここで再び、一戦交えるとしよう」
てめえ、と炎の神に仕えるする修行僧に山猫頭が詰め寄った。
それを、私は押しとどめる。
アッサラーは、このやりとりだけで、私たちが互いに言わんとしていたことには察しがついたらしい。
不愛想な答えを返してくる。
「同じ神を信仰しているからといって、同じことを考えているとは限らん」
敵意はない。
ただ、私たちに「炎の皇帝」と戦うだけの力があるのかどうか知りたいだけなのだ。
よかろう、と私は再戦に応じた。
杖を両手に持って構えるアッサラーに、飛刀の切っ先を向ける。
武器の強度は考えるまでもない。
いかに堅い木の芯を削りだしたとはいえ、刃が当たれば真っ二つになるのは疑いない。
アッサラーも、それは分かっていることだろう。
それを承知の上で戦いを挑んできたということは、飛刀をかわす自信があるということだ。
……ならば、やってみせるがいい。
私はアッサラーではなく、杖めがけて斬り込んだ。
武器さえ奪ってしまえば、こちらの勝ちだ。
まさか、飛刀相手に拳や蹴りを見舞ってくることはあるまい……という私の読みは大きく外れた。
飛刀は確かに杖を両断した。
だが、そこにはもう、アッサラーの姿はない。
その声は、後ろから聞こえる。
「甘いな」
身体がふわりと浮かぶのを感じた。
腰にとりついたアッサラーが、自分の背中を投げ出した地面に、私の頭を叩きつけようとしたのだ。
私が杖を狙ってくるのは、読まれていたということだ。
……だが、この技。
私もテニーンに仕掛けたことがある。
格闘を教え込まれていたときは、いつも腕を抱え込まれて、背中から放り投げられていたのだ。
地面に叩きつけられると、テニーンが笑顔で悠々と見下ろしている。
それが面白くなくて、私は一計を案じたのだった。
あるとき、私は自ら片腕を担がせた。
当然、テニーンの両腕は封じられる。
渾身の力で踏ん張った私は、テニーンのしなやかな身体を抱え込んで持ち上げたのだった。
だが、そのしなやかさが曲者だった。
くるりと空中で身を翻すと、地に舞い降りて足を崩す。
気が付くと、私は膝枕で横たえられていた。
見上げた先では、テニーンが不敵に微笑している。
この膝で頭を挟んでいたら、地面に叩きつけることもできたという意味だったのだろう。
だが、アッサラーはその手に乗らなかった。
身体を逸らして、器用に地面へ両手をつく。
紙一重の差で脳天を守ったかと思うと、強靭な足腰の力で身体を起こして言った。
「よかろう」
負かされておいて言うセリフではない。
横から口を挟んだのは、修行僧のアッサラーだった。
邪魔をするな、と狗頭人が横に払った十文字槍の切っ先は、すぐにかわされた。
「おぬしの敵う相手ではない」
穏やかになだめる修行僧に、この賞金稼ぎは余計に苛立ったらしい。
私への挑戦はそっちのけにして、そちらに槍の穂先をつきつけた。
アッサラーは目を伏せて、首を微かに振る。
そこに隙ができたと思ったのか、狗頭人は何段にもわたる突きを繰り出した。
もっとも、それは私だから分かったことだ。
動くものを捉える眼と、揺るがぬ度胸を鍛えるために、テニーンは電光石火の突きを放っては、正面から見つめる訓練をさせた。
私を見据える眼差しは、冷え冷えとして、鋭い。
その気迫にも、目の前に迫る槍の穂先にも、最初のうちはたじろいだものだ。
だが、テニーンを見つめ返す私の眼は次第に槍の動きをも捉えるようになった。
やがて、その間合いも見切ると、もう恐れはなくなった。
そのときのことを、私はまだ覚えている。
満面の笑顔を浮かべたテニーンは槍を投げ捨てて駆け寄ると、豊かな胸に私を抱きすくめたものだ。
だが、その私にも、十文字槍《ランサー》の速さは分かった。
村の若者たちはおろか狼頭や山猫頭にも、その穂先は見えたかどうか。
アッサラーは、槍の柄を掴んでつぶやく。
「惜しい。筋は悪くないのだが」
狗頭人は牙を剥いて、涼しい顔をしている修行僧を睨みつけている。
その張りつめた空気は、見ているほうが息を呑むほどだった。
モハレジュが、そこへ水を差す。
「どっちも見ない顔だけど……何があったの?」
一方で、私がどちらも知っているというのは皮肉な話だった。
やがて、村の奥へと散り散りに逃げていった村人たちが戻ってきて、そこは自然と寄り合いの場所になった。
よそ者のアッサラーや、半人半獣の者どもにも、ささやかな朝食が振る舞われる。
それは龍騎兵から村を救った礼という意味もあっただろうが、食料はそれほど豊かにあるわけでもなかろう。
なけなしのものを分け合って食べると、そこにはもう、ひとつの仲間たちが生まれていた。
そこでアッサラーが語って聞かせたのは、この村にやってくるまでの経緯だった。
「フラッド殿に敗れて、我が身を大いに省みた……炎の神は、戦神ゆえ」
そのマントには、あの太陽とクジャクをあしらった紋章が縫い取られている。
村を蹂躙した竜騎兵たちの持ちものにも、同じ紋章があったことだろう。
だが、とにかく生き延びるのに必死で、そんなところにまで目を留めている余裕はなかった。
ましてや、都から遠く離れた村で暮らしているうえに、そのまた奥へ逃げるので精一杯だった人々が気づくはずもない。
半人半獣の者どもたちは目を剥いたが、ただひとり、そっぽを向いていたモハレジュは微かに首を横に振った。
心配していたが、いさかいは起こらなかった。
アッサラーは話を続ける。
「都からの街道を行き来して、出会った修行者たちに片端から手合わせを願ったが、フラッド殿ほどの手練れはおらなんだ」
村人たちは、目を丸くして私を見つめる。
思わず目をそらしたが、照れ臭い、とはこういうことをいうのであろうか。
咳払いひとつで、アッサラーの話は本題に入る。
「そのうち、街道で我が名を知らぬ者はいなくなった。これでは修行にならん。そこで、街道を外れて、こちらへ向かうことにしたのだ」
やがて気付いたのが、遠くの山脈から立ち上る煙だった。
私が飛刀に使う鋼を得るために作った、あのタタラからのものだ。
アッサラーも、それが刀を鍛えるためのものだということには気付いたという。
そのうち煙は消えたが、場所を変えたのだろうと察しをつけて、村を探して歩いたのだった。
「夜明け前に龍騎兵が集まって、馬を休ませているのを見かけた。そこで、ここが襲われると読んだのだ」
続いて口を開いたのは、狼頭のヴィルッドだった。
「俺たちは、お前らを待つつもりだった。必ず、帝王を倒す武器を手に入れて帰ってくる。そう信じていたからだ」
そこで、モハレジュが口を挟んだ。
「でも、ここにいるってことは、信じられなかったってことだよね? アタシも、フラッドも」
山猫頭のアレアッシュワティが声を上げる。
「いや、待つつもりだった。みんなそうだった……ひとりを除いては」
そこでモハレジュは、がっくりとうなだれた。
深々と、溜息をつく。
ここへ来なかったのが誰かは、もう察しがついていたのだろう。
ヴィルッドが、相槌を打つように頷いて言った。
「スラハヴァーだ。あいつだよ、助けに行けって騒ぎたてたのは」
亀の身体と角の生えた頭を持つ男だった。
あまり器用でもなければ度胸もないが、その分、余計なことはしないだろうと思っていた。
というか、すっかり忘れていたのだった。
アレアッシュワティも、きまり悪そうに口を開いた。
「恥ずかしい話、スラハヴァーがああ言わなかったら、誰も腰を上げなかっただろう」
だが、動けなかったのは仕方のないことだった。
半人半獣の者どもは、「炎の帝王」の都から出ることは出来ても、中に入ることは認められていない。
この村に来た者は、家の、そして家族のもとに戻ることはできないのだ。
私は素直な気持ちを告げた。
「恥じることはない。血の通った者として、当然の気持ちだ。それを振り切ってきてくれたこと、感謝している」
半人半獣の者どもたちは、そろって照れ臭そうに顔を背けた。
だが、モハレジュはそれに水を差すように口を挟む。
「その、言い出しっぺのスラハヴァーは?」
ヴィルッドが狼頭の口で、ため息交じりに答える。
「置いてきた。こう言っちゃなんだが、あの身体じゃ足手まといになる」
もっともな話だった。
アレアッシュワティが山猫の耳をひくつかせて、十文字槍《ランサー》を抱えて座り込む狗頭人に尋ねる。
「どうする? ついてくるか? ええと……」
そこで初めて、狗頭人の賞金稼ぎはその名を口にして答えた。
「キャルブン……金にならんことはせん」
返事は不愛想だったが、その身体はそわそわとして、居心地悪そうだった。
そこで、アッサラーが私に向き直った。
「つまり、おぬしらは、『炎の帝王』と戦うというのだな?」
頷いてみせると、杖を構えた。
「では、ここで再び、一戦交えるとしよう」
てめえ、と炎の神に仕えるする修行僧に山猫頭が詰め寄った。
それを、私は押しとどめる。
アッサラーは、このやりとりだけで、私たちが互いに言わんとしていたことには察しがついたらしい。
不愛想な答えを返してくる。
「同じ神を信仰しているからといって、同じことを考えているとは限らん」
敵意はない。
ただ、私たちに「炎の皇帝」と戦うだけの力があるのかどうか知りたいだけなのだ。
よかろう、と私は再戦に応じた。
杖を両手に持って構えるアッサラーに、飛刀の切っ先を向ける。
武器の強度は考えるまでもない。
いかに堅い木の芯を削りだしたとはいえ、刃が当たれば真っ二つになるのは疑いない。
アッサラーも、それは分かっていることだろう。
それを承知の上で戦いを挑んできたということは、飛刀をかわす自信があるということだ。
……ならば、やってみせるがいい。
私はアッサラーではなく、杖めがけて斬り込んだ。
武器さえ奪ってしまえば、こちらの勝ちだ。
まさか、飛刀相手に拳や蹴りを見舞ってくることはあるまい……という私の読みは大きく外れた。
飛刀は確かに杖を両断した。
だが、そこにはもう、アッサラーの姿はない。
その声は、後ろから聞こえる。
「甘いな」
身体がふわりと浮かぶのを感じた。
腰にとりついたアッサラーが、自分の背中を投げ出した地面に、私の頭を叩きつけようとしたのだ。
私が杖を狙ってくるのは、読まれていたということだ。
……だが、この技。
私もテニーンに仕掛けたことがある。
格闘を教え込まれていたときは、いつも腕を抱え込まれて、背中から放り投げられていたのだ。
地面に叩きつけられると、テニーンが笑顔で悠々と見下ろしている。
それが面白くなくて、私は一計を案じたのだった。
あるとき、私は自ら片腕を担がせた。
当然、テニーンの両腕は封じられる。
渾身の力で踏ん張った私は、テニーンのしなやかな身体を抱え込んで持ち上げたのだった。
だが、そのしなやかさが曲者だった。
くるりと空中で身を翻すと、地に舞い降りて足を崩す。
気が付くと、私は膝枕で横たえられていた。
見上げた先では、テニーンが不敵に微笑している。
この膝で頭を挟んでいたら、地面に叩きつけることもできたという意味だったのだろう。
だが、アッサラーはその手に乗らなかった。
身体を逸らして、器用に地面へ両手をつく。
紙一重の差で脳天を守ったかと思うと、強靭な足腰の力で身体を起こして言った。
「よかろう」
負かされておいて言うセリフではない。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる