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最終章(6年後)

下見

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翌日、午前中に仕事を終えた私はゆめを伴って成田に向かった。車に乗り込むと、ゆめは終始笑顔だ。
「平日からデートだなんて」平日はみつきがいないこともあり、正妻気取りだ。
「そうだ、ママに電話しちゃお」
「楽しそうだな」
「だって、昨日からノン様とずっと一緒で夢みたい、あっ、ママ」電話の相手が出た
「今、デート中、もちろんノン様と」相手の声は聞こえない
「これから成田に行ってホテルの下見をするの、ノン様は運転中だから、切るね」

車は成田に到着した。ショッピングモールを通過すると空港へ通じる道路に乗った
「あっ、ラブホが2つ並んでる~」ゆめは楽しそうに指をさした。
「よらないよ」私はさらりと受け流した
「下見がてら休憩だけでもダメですか~」
「ああ」
「冷たいな~、せっかくのデートなのに」
「デートじゃなくて下見」
「は~い」

車は順調に流れ、空港のターミナルに到着、ゆめを車に残し、当日の動線を確認した。次に宿泊予定のホテルを下見して、ホテルのすぐ近くのファミレスに入った。古い作りの店で、たけると早紀を連れてきたことがある。
「凄いボリューム」手製のメニューを見ながら、ゆめが驚く表情は、小さい頃のたけるを思い出させた
「そうだ、近くの公園に寄って行こう」私の提案に
「当日は出かけないんじゃ」ゆめには、たける達のお忍び帰国の事は話してあった
「お望みのデートだ」店を出ると、ゆめは楽しそうに私と腕を組んで歩いた
「ノン様大好き」彼女の甘えた言葉に私は弱い…
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