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二度目の週末

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甥と妻の情事を見せつけられてから、二度目の週末が訪れた。土曜日の夜、私とみつきはかつての私の自宅に着いた。
「いらっしゃい、お父さん」たけるが私たちを迎える
「おじゃまします」楽しそうなみつき
ダイニングに向かうといい香りがした。
「いらっしゃい、ふたりとも」早紀が料理をテーブルに広げていた。一週間ぶりに見る早紀はさらに女性としての魅力が増している気がした
「お父さん、ママのことガン見してるよ」たけるが耳打ちした
「そうか、相変わらず、綺麗だなと思って」
「ふふ、そんなこと5年以上言ってもらってなかったけど」早紀はいたずらな笑顔を私に向けた
「みたいだね、お父さん」たけるも笑顔だ
「わたしには言ってくれてますよ」みつきが私の腕に身を寄せる
「ふたりはうまくいってるようだね」たけるがみつきに微笑む
「ええ、ご主人様、とってもうまくいっています」
「そうか、そろそろ呼び方を変えようか」
「そうね」早紀が優しい笑顔を向けた。薄いメイクがさらに艶やかさを引きたてる。
「それじゃ、たける君がいいかな」たけるはみつきに言い聞かせるように告げた
「はい、たける君」私たちはテーブルについた。

食事が終わり、リビングでアルコールを楽しんだ
「みつきさん、ミッションはうまくいってるかな」たけるも年上のみつきをさん付けで呼ぶようになった
「ええ、順調に、ねっノン様」私の横に腰かけているみつきは私の肩に頭をもたれかけた。
「それならよかった。僕もママと楽しく過ごしているよ」たけるが早紀の頬にキスをした。それを合図に私たちは互いのパートナーと激しく口づけを交わした。

翌朝、一緒にベッドに寝ていたみつきの姿がなかった。ベッドから出てみつきの姿を探すと、リビングでたけると話をしていた。妻は朝食の準備をしているのかキッチンにいるようだ。私はキッチンに顔を出し、かつての妻に
「おはよう」と声をかけた。すると元妻は素敵な笑顔で
「おはよう」と返してくれた
「お手伝いしますね」私たちの間にみつきが割り込んできた。元妻への未練たらたらなのがばれてしまいそうで、私はリビングに向かった。
「いろいろあったんだね」たけるは柔らかな微笑みを浮かべた
「おまえは順調なのか」
「うん、楽しい毎日だよ」
「そうか、ならけっこうだ」朝食がテーブルに運ばれてきた。私が裕子と別れを決意したことは、みつきから伝わっているはずだ。息子のように可愛がっていた甥の描いているシナリオは順調に進んでいるようだった。

「そうだ、お父さんゴールデンウイーク、みつきと旅行に行くんだって?」
「ああ」
「すごく楽しみになの」みつきは私にじゃれついた
「そうだ、僕たちで東北を旅した時の写真あるから見る?」
「うん、見たか~い」嬉しそうなみつきの声にたけるは部屋にノートPCと取りに行き、すぐに戻ってきた
「このフォルダーに入ってる、もう7年前になるね。4月29日から5月4日まで、まずは
喜多方から。朝ラーからスタートだよ」喜多方のラーメン店私、早紀、たけるがラーメンを食べる姿、店を出たたけると早紀の姿、今を思えば中学生の息子と母親がぴったりと寄り添って腕を組んでいるのはおかしいと気づくべきだったのだろうか。
「すご~い」ラーメン店を出てすぐのところに、しだれ桜並木が数キロに渡って続いている。その写真を見てみつきが声を上げたのだ
「仲いいな~」みつきはしだれ桜の下で手をつないでいる、早紀とたけるの写真を見ていた。
「ノン様、わたしたちもここ行きますよね、そうしたら手をつないで写真とりましょう」みつきの楽しそうな表情に私も前向きな気持ちになっていた。
「夜、僕とママが一緒の部屋で、お父さんは運転があるから一人でゆっくり休んでもらうことが多かったんだよ」たけるがみつきに説明する。
「僕とママで撮った写真あるけど見る?」
「見たい」みつきは目をキラキラさせている。だがその画像は、中学生のたけると、妻の早紀が愛し合っている姿を映したものだとは、私もみつきも知る由もなかった



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