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2部 生き物達の宴

カインの修行 カインside

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「カイン、カインちょっと来てちょうだい。」

そう呼ばれて俺はエイシャ様の元に向かう。この間、エキドナ様から言われた死者の谷へ修行に向かう事になってしまった。

エイシャ様と離れたくたは無いが、誰よりも強くなり、エイシャ様を守りたい。それにはやはり修行をしに行かねばならない。

 エイシャ様は何気なく谷の説明をしてくれるが、ガロンは忙しなく羽をばたつかせている。

何処となく緊張した面持ちを見るからに修行は厳しい物なのだろう。

谷の入り口付近で1週間か。

ガロンもいるし、なんとかなるだろう。俺は谷に入ってすぐ後悔する事になる。谷は日も入らず薄暗かった。

  初めて出てきたのはゾンビ達。数体ずつだが、倒しても倒しても地面から湧き出てくるようだった。ガロンが言うには聖属性の魔法で地面を清めると一月は保つらしい。

俺は魔属性なので清める事が出来ない。

・・・だから修行には持ってこいなのか。

 初日は食事を用意する間はガロンが結界を張ってくれた。そしてこの谷での過ごし方を教えてくれる。

常にライト魔法を使いながらの戦いになるらしい。そして寝ている間も結界が張れるようにならなければこの先に進めないのだとか。

俺はなんとかガロンのいる間に寝ている間も結界を張れるようになった。常に魔力を放出するのは中々に難しい。

ガロンが家に帰ってからの4日間は正直言って辛かった。ずっと戦闘しっぱなし。主に魔法より剣での戦闘となっている。

休憩の為に結界を張るが、結界を叩き壊そうとしているのを見てゆっくり寛ぐ事が出来ない。見た目も悪いしな。ゾンビ達にも慣れたので少し奥に入るとボーンナイトも混ざるようになってきた。少しずつ敵は強くなっている。

迎えた7日目。

エイシャ様の呼ぶ声がする。走ってエイシャ様の元に向かう。1週間ぶりのエイシャ様。やはり美しい。

家に転移すると安心したせいか腹も減り、鱈腹食べた。そして気がつくと翌朝になっていた。どうやらまた俺は修行に向かう事になるらしい。

   1週間の慣らしで谷の過ごし方は何となくは掴めたと思う。エキドナ様の修行は基本的に思いつきなのか。周りが迷惑を被るタイプだな。

エイシャ様は装備も持たずに谷に放り出されたと言っていたが、正気の沙汰では無い。食事はどうしていたのか、武器を持たずにどう過ごしていたのか気になるばかりだ。

3年間も。苦行と言うしか言葉が見つからないな。やはり、それだけの苦行をやり通したから今の強さがあるのだろう。俺なら心折れる!自信ありだ。

 今回は装備以外にアイテムボックスや食料品、傷薬、結界杭を準備してくれたらしい。帰ってきてゆっくりする間もなくまた修行に出かけるのは少し寂しいが仕方がない。

一日でも早く魔人としての力をつけねば。
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