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エイシャの話

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「あらあら。ガロンの話をしっかりと聞いていたのね。まぁ、隠していた訳では無いから気にも留めていなかったのだけど」

カインは私の横に椅子を持ってきて私の手を取りながら話を聞いている。 

・・・どういう状況なのかわからないわ。

ガロンは『お嬢様から離れろ』とドロップキックをしているけれど完全に無視をしているわ。

「まぁ、カイン。魔人になった事で私の事も少しは分かったのではないかしら?」

「エイシャ様。俺は全く分かりません。全てを話してくれますよね?」

私の手を撫でながらカインは言っている。頬擦りしそうな勢いで。魔人、失敗したのかしら?

「いいわ。人間には教える必要は無いけれど、長い時を過ごすカインには話しておかないとね。私の名はエイシャ。

人間達はエキドナと呼ぶけれど、エキドナは私の曽祖母なのよ。曽祖母もそうだけれど、残念ながら家族みんな存命で各地で好き勝手に生きているわ。そのうち会う機会もあるかもしれないわね。それと私がエキドナと呼ばれるのはこの下半身よ。曽祖母と同じなの。お祖母様は昔、この家に住んでいて神と魔獣と人間の折衝を当初はしていたみたい。今は曽祖母もそんな事はしていないし、旅に出ているけれどね。

私が魔女と呼ばれている理由は私が薬や魔術等で生計を立てているからね。これは母である魔女メーデイア譲りなの。

因みに、カインは人間から魔人になったけれど、私は人間の血は一滴も入っていないわ。どちらかと言えば魔獣の類よ。人の心はあまり分からないわね。私がここに住んでいる理由は私の持つ魔力によるもので私が生まれてから成長するまでの間、この魔力は体外に放出したままだったの。

それにより、魔物は活発化し、人間の国は大変だったと聞くわ。曽祖母は森に特殊な結界を張り、私が魔力調整が出来るまでずっと一緒にこの森に住んでいたのよ。

そして人間がここから動かないで欲しいって言われたからここに住んでいるだけ。もう魔力調整も出来る歳だし、ここに住み続ける理由も無いのだけれど、なんとなく暮らしてるのよね。

この家に住む者に会いたいと願う者は結界が感知して迷わずに来れるようになっているのよ?私の話はそんな所かしら?」

カインは私の手を撫でながらふむふむと聞いていたわ。まぁ、分からない事は追々聞いてもらうしかないわね。

「ガロン、明日からカインをお願いね」

「エイシャ様、もちろんですぞ」
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