20 / 38
19
しおりを挟む
ようやく休みの日となった。
朝から眠い身体を起こされてメイジーにそれはそれは可愛く仕立てて貰った。今日は王宮で殿下と会うんだったわ。お兄様と一緒に馬車で王宮へと向かった。
私は殿下の侍女に案内され別室へ向かい、兄は私を心配しながらも本日も執務室へと赴く。部屋に入るとライアン殿下の侍女達からワンピースへと着替えさせられ、商会長の娘風に変身させられた。
えっと、王宮の一室で豪華な食事では無いのかしら?着替えも済んだ頃に丁度ライアン殿下も街人風な装いで現れた。けれど、王子様の美貌は装いで誤魔化す事は出来ないらしい。後光が差しているわ。
「さぁ、リア嬢行こう」
馬車に乗せられ連れて行かれたのは城下町。
「リア、街に降りた事はあるかい?」
「ライアン殿下、無いです」
「今はライアンだよ?貴族では無いからね?」
ぐぬぬ。
これは私への褒美と称したただのデートでは無いだろうか。してやられたわ。
因みに、リディアの時は準男爵だった頃は普通に街に住み、生活していたような記憶はある。この先、曲がった所に家があるはず。お父さん達は元気にしているのかな。少し寂しい気持ちになる。
「リア?大丈夫?」
「すみません、少し考え事をしていました」
私は笑顔をライアン殿下に向ける。
「リアは行きたい所はあるかな?」
「そうですね、学院生がよく行くと言っていた雑貨屋さんに行ってみたいです」
「ああ、それならこっちだよ」
ライアン殿下に手を引かれてやってきた雑貨屋。可愛い雑貨が沢山売られているわ。男の人は正直入りにくいと思うのだけれど、ライアン殿下はスタスタと入っていく。
「ライアンはここによく来るのですか?」
「えーっと、たまにね?」
あれ?何か聞いてはいけない雰囲気?ああ、ご令嬢と城下町デートをよくしているのね。納得。私は微笑んで深く突っ込まないよう雑貨に目を向ける。視線を向けた先に小さな白ウサギのペーパーウェイトを見つけてしまう。
・・・可愛い。
即買いね。でも、隣の茶ウサギも黒ウサギも気になるわ。よし、買ってしまおう。1人で3つは使わないからカルサル師団長とモーラ医務官に渡して使って貰うのが良いと思うの。私は3つ店員に渡して2つをプレゼント用に包んで貰った。
「リア、欲しいのが見つかったのかな?これは僕から君にプレゼントだよ」
「開けても良いですか?」
そう言ってライアン殿下から渡されたプレゼントを開けてみる。中身レース付きの子豚柄のリボンが入っていた。
・・・どうしよう。これはきっと普通の令嬢達は喜ぶ物なのよね。私はとても喜んでる風を装い、満面の笑みを浮かべる。
「ライアン、有難う!とっても嬉しいわ!次にお茶会があれば付けさせて貰うね!」
ライアン殿下は満足している様子。なんだかごめんなさい。このリボン、本当に私に似合うと思って買ってくれた、のよね?きっと私の趣味を知らないからライアン殿下の好みで選んでくれたに違いない。そう思う事にする。
雑貨屋を出た後、ライアン殿下のお勧めのレストランへ案内された。店内は混んではいるものの庶民を装う貴族が多い様子。特に騒ぐ事なく、食事を楽しんでいるわ。私とライアン殿下は店員に案内され、奥の個室に案内される。店員からメニューを受け取り見てみるけれど、どれを選べば良いかよく分からないわ。
「店員さん、お勧めのメニューはどれですか?」
ここは素直に聞くのが一番ね。
「お勧めは、今朝仕入れたばかりのドラゴン肉のステーキです。私個人はデザートのプディングもお勧めですね」
「では、それを頂くわ」
「僕も同じ物を」
ドラゴン肉は初めてだわ。カルサル師団長は涙しながら食べるでしょうねきっと。しばらくするとステーキが運ばれ、ライアン殿下と食べ始める。ドラゴン肉は思っていたよりも柔らかく、脂の乗りもちょうどいい塩梅。
2人で美味しいねと舌鼓を打っていると、外が騒がしい様子。何かあったのかしら?と2人で扉に目を向けると勢いよく扉が開かれる。
「やはりここに居ましたのね!ライ様。ここに来ていると思ったの。その女は誰ですか?私という者が居ながらまた違う令嬢を連れ込んで」
また?これはもしや、噂に聞く修羅場というやつかしら。恋愛小説で読んだ事があるわ。
本当に起きるものなのね。
そう思いながらドキドキしていると、キッとそのご令嬢は私を睨み、
「そこの貴方!名前はなんていうの?」
「私は、名乗る程の者ではございません。ライアンと食事をご一緒にさせて頂いているだけです」
「サラ嬢止めて欲しいな。勝手に個室に入ってきて。失礼だよ?」
優しく話す殿下と私が名前を名乗らなかった事が気持ちを逆撫でしたらしい。つかつかと私の前にきた。殿下を庇うようにいた護衛が令嬢を止めようと手を伸ばしたが間に合わず、私はテーブルに置いてあった水を令嬢に掛けられてしまった。
「ライアンが女を増やす事をこれ以上許せないの。ごめんなさいね。ああでも、一つ教えてあげる。ずっと私も我慢していたけれど、私が知っているだけでも過去5人は同じデートコースでしたわよ?雑貨や商会、ブティック店に寄って、ここで食事してから最後は公園で頬にキスするのが定番らしいですわ」
あぁ、濡れてしまったわ。そして判明した殿下の遊び人疑惑。しかもデートコースが決まっているのね。
「殿下、美味しいお食事有難う御座いました。何か事情があるようですね。私はこのようになってしまいましたし、一足先に帰らせて頂きますね。では失礼します」
これ以上ここに居るのはご迷惑のようね。さっと立ち上がり、店を出る。個室の外で護衛をしていた方が何度も頭を下げて馬車に乗せてくれ邸に着くように御者に指示を出していたわ。
殿下より護衛の方の胃が心配ね。後日、胃薬をお届けしよう。そう思いながら邸に帰ると、メイジーがびっくりして駆け寄り話すものだから邸中大騒ぎとなった。
まぁ、行きと違う服装だし、頭から水を被っている状態だし当然かな。身体が冷えないうちにと急いで着替えさせられた。あの後、ライアン殿下はどうなったのかしら。
私はメイジーに修羅場を見たの、と興奮冷めぬうちに話をしたらメイジーは何故か怒り狂っていたわ。
後日どうなったかお兄様に聞いてみようと思う。
朝から眠い身体を起こされてメイジーにそれはそれは可愛く仕立てて貰った。今日は王宮で殿下と会うんだったわ。お兄様と一緒に馬車で王宮へと向かった。
私は殿下の侍女に案内され別室へ向かい、兄は私を心配しながらも本日も執務室へと赴く。部屋に入るとライアン殿下の侍女達からワンピースへと着替えさせられ、商会長の娘風に変身させられた。
えっと、王宮の一室で豪華な食事では無いのかしら?着替えも済んだ頃に丁度ライアン殿下も街人風な装いで現れた。けれど、王子様の美貌は装いで誤魔化す事は出来ないらしい。後光が差しているわ。
「さぁ、リア嬢行こう」
馬車に乗せられ連れて行かれたのは城下町。
「リア、街に降りた事はあるかい?」
「ライアン殿下、無いです」
「今はライアンだよ?貴族では無いからね?」
ぐぬぬ。
これは私への褒美と称したただのデートでは無いだろうか。してやられたわ。
因みに、リディアの時は準男爵だった頃は普通に街に住み、生活していたような記憶はある。この先、曲がった所に家があるはず。お父さん達は元気にしているのかな。少し寂しい気持ちになる。
「リア?大丈夫?」
「すみません、少し考え事をしていました」
私は笑顔をライアン殿下に向ける。
「リアは行きたい所はあるかな?」
「そうですね、学院生がよく行くと言っていた雑貨屋さんに行ってみたいです」
「ああ、それならこっちだよ」
ライアン殿下に手を引かれてやってきた雑貨屋。可愛い雑貨が沢山売られているわ。男の人は正直入りにくいと思うのだけれど、ライアン殿下はスタスタと入っていく。
「ライアンはここによく来るのですか?」
「えーっと、たまにね?」
あれ?何か聞いてはいけない雰囲気?ああ、ご令嬢と城下町デートをよくしているのね。納得。私は微笑んで深く突っ込まないよう雑貨に目を向ける。視線を向けた先に小さな白ウサギのペーパーウェイトを見つけてしまう。
・・・可愛い。
即買いね。でも、隣の茶ウサギも黒ウサギも気になるわ。よし、買ってしまおう。1人で3つは使わないからカルサル師団長とモーラ医務官に渡して使って貰うのが良いと思うの。私は3つ店員に渡して2つをプレゼント用に包んで貰った。
「リア、欲しいのが見つかったのかな?これは僕から君にプレゼントだよ」
「開けても良いですか?」
そう言ってライアン殿下から渡されたプレゼントを開けてみる。中身レース付きの子豚柄のリボンが入っていた。
・・・どうしよう。これはきっと普通の令嬢達は喜ぶ物なのよね。私はとても喜んでる風を装い、満面の笑みを浮かべる。
「ライアン、有難う!とっても嬉しいわ!次にお茶会があれば付けさせて貰うね!」
ライアン殿下は満足している様子。なんだかごめんなさい。このリボン、本当に私に似合うと思って買ってくれた、のよね?きっと私の趣味を知らないからライアン殿下の好みで選んでくれたに違いない。そう思う事にする。
雑貨屋を出た後、ライアン殿下のお勧めのレストランへ案内された。店内は混んではいるものの庶民を装う貴族が多い様子。特に騒ぐ事なく、食事を楽しんでいるわ。私とライアン殿下は店員に案内され、奥の個室に案内される。店員からメニューを受け取り見てみるけれど、どれを選べば良いかよく分からないわ。
「店員さん、お勧めのメニューはどれですか?」
ここは素直に聞くのが一番ね。
「お勧めは、今朝仕入れたばかりのドラゴン肉のステーキです。私個人はデザートのプディングもお勧めですね」
「では、それを頂くわ」
「僕も同じ物を」
ドラゴン肉は初めてだわ。カルサル師団長は涙しながら食べるでしょうねきっと。しばらくするとステーキが運ばれ、ライアン殿下と食べ始める。ドラゴン肉は思っていたよりも柔らかく、脂の乗りもちょうどいい塩梅。
2人で美味しいねと舌鼓を打っていると、外が騒がしい様子。何かあったのかしら?と2人で扉に目を向けると勢いよく扉が開かれる。
「やはりここに居ましたのね!ライ様。ここに来ていると思ったの。その女は誰ですか?私という者が居ながらまた違う令嬢を連れ込んで」
また?これはもしや、噂に聞く修羅場というやつかしら。恋愛小説で読んだ事があるわ。
本当に起きるものなのね。
そう思いながらドキドキしていると、キッとそのご令嬢は私を睨み、
「そこの貴方!名前はなんていうの?」
「私は、名乗る程の者ではございません。ライアンと食事をご一緒にさせて頂いているだけです」
「サラ嬢止めて欲しいな。勝手に個室に入ってきて。失礼だよ?」
優しく話す殿下と私が名前を名乗らなかった事が気持ちを逆撫でしたらしい。つかつかと私の前にきた。殿下を庇うようにいた護衛が令嬢を止めようと手を伸ばしたが間に合わず、私はテーブルに置いてあった水を令嬢に掛けられてしまった。
「ライアンが女を増やす事をこれ以上許せないの。ごめんなさいね。ああでも、一つ教えてあげる。ずっと私も我慢していたけれど、私が知っているだけでも過去5人は同じデートコースでしたわよ?雑貨や商会、ブティック店に寄って、ここで食事してから最後は公園で頬にキスするのが定番らしいですわ」
あぁ、濡れてしまったわ。そして判明した殿下の遊び人疑惑。しかもデートコースが決まっているのね。
「殿下、美味しいお食事有難う御座いました。何か事情があるようですね。私はこのようになってしまいましたし、一足先に帰らせて頂きますね。では失礼します」
これ以上ここに居るのはご迷惑のようね。さっと立ち上がり、店を出る。個室の外で護衛をしていた方が何度も頭を下げて馬車に乗せてくれ邸に着くように御者に指示を出していたわ。
殿下より護衛の方の胃が心配ね。後日、胃薬をお届けしよう。そう思いながら邸に帰ると、メイジーがびっくりして駆け寄り話すものだから邸中大騒ぎとなった。
まぁ、行きと違う服装だし、頭から水を被っている状態だし当然かな。身体が冷えないうちにと急いで着替えさせられた。あの後、ライアン殿下はどうなったのかしら。
私はメイジーに修羅場を見たの、と興奮冷めぬうちに話をしたらメイジーは何故か怒り狂っていたわ。
後日どうなったかお兄様に聞いてみようと思う。
226
お気に入りに追加
2,168
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。
妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる