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第六話 なんかすごい奥まで攻略許可された

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「でも……工藤さんは、俺がレッサーロックゴーレムを倒せると思ったから戦わせてみたんですよね?」

 気になったので、俺はそう聞いてみた。
 すると……工藤さんからはこんな答えが返ってきた。

「んなわけあるか。俺はお前の力が、レッサーロックゴーレム相手にどれくらい通用するか見たかっただけだ。そして、1~2週間レベリングに徹したら倒せる水準に達しそうだと判断したら、あらかじめ四階層までの攻略を許可しておくつもりだった。要は……先駆けての試験免除的な感じでな」

 言いながら、少し落ち着きを取り戻した工藤さんは、魔石を拾ってこう続けた。

「ハナから倒せるなんて思っちゃいなかったよ。過去には、スキルが顕現した石油王のお坊ちゃまがダンジョン深層産アイテムを買いあさって、初心者時点でのレッサーロックゴーレム討伐をした例はあるが……ノーアイテムでは、お前が初だよ。全く、とんでもないルーキーが現れたもんだ」

「そうですか……」

 石油王の御曹司と比べられても、あんまり実感ないな……。
 俺は正直、そう思うしかできなかった。


 そして、ダンジョンから帰還する帰り道。

「ところで……古谷、一発あたりの威力はあれで最高なのか?」

 唐突に……俺は工藤さんにそう聞かれた。

「いえ。……さっきまではそうでしたが、今の戦いでレベルアップしましたし、なんかマナボールがV2に進化したので」

「そうか、レベルアップ……そうだよな。……ん、今マナボールV2って言ったか!? マナボールのV2持ちなんて何人いたか……てか早すぎないか……」

 答えると……工藤さんは若干呆れたような口調で、天を仰ぎながらそう言った。

 これ申告したの……許可階層の査定に響くのかな?
 まあそれは、じきに分かることか。


 ◇


 ダンジョンから出て、例の控室で待っていると……工藤さんが、カードを人数分持って入ってきた。

 あれが、許可証とやらだろうか。
 そう思っていると、一人づつ名前が呼ばれ、カードを受け取りだした。

「次、古谷」

 他の人が全員カードを受け取ると……俺の番がやってきた。

「お前には……7階層までの攻略を許可する許可証を発行する」

 そして、俺はそう言われつつ、カードを受け取ることとなった。

「な……7階層ですか!?」

 思ってもみない数字が出てきたので……つい俺は、そう聞き返してしまった。
 4階層の魔物相手に40発のグミ撃ちが必要なのに、7階層まで許可されるのか。
 レベルアップとマナボールV2を申告したからって、そこまで行くものか?

「ああ。8階層に無属性魔法無効を持つ敵がいるのでな、7階層までとさせてもらった。ま、属性魔法のスキルスクロールはそう遠くないうちに手に入るから、手に入れたらすぐ言ってくれ。許可階層を引き上げるから」

 などと思っていると……工藤さんは、そう説明してくれた。

 それって要は……8階層の魔物に無属性攻撃が効いてたら、もっと奥まで許可するつもりだったってことかよ。
 階層引き上げの条件も、スキルスクロールを手に入れるだけって緩さだし。

「特にお前には期待してるから、くれぐれも無茶はするなよ?」

 色々考えながらカードを見つめていると、工藤さんはそう続けた。


 ……うん。俺だって、無茶をする気はない。
 金を稼ぎに来たのに、それで命を落としちゃ本末転倒だからな。

 とりあえず……今は昼だし、昼食後は4階層でレッサーロックゴーレム乱獲といくか。
 そんな感じで、俺は今日の計画を立てた。
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