43 / 46
4章 三浦幸子28歳 母としての戦い
40話 保育園と理学療法(2)
しおりを挟む※今回、幼児の理学療法の話が出てきますがあくまで筆者の子供の経験や他の子の経験談、理学療法士の先生から自分の子がお世話になった時に聞いた話を書いてます。医学的根拠はありません。一例ぐらいに思って下さい。
一 1歳6ヶ月 修正1歳3ヶ月 10月 一
今日は月に一度のフォローアップ診察の日だ。幸子は休みの希望を出しており、柚を病院に連れて行く。
医師は柚の様子を見ながら最近の様子を聞く。特に保育園に通うようになってからの成長についてだ。
保育園に入園して半年、初めは怖がり保育士に抱っこばかりしてもらっていた柚だったが、最近やっとはいはいが出来るようになった。保育園で他の子と一緒に居る事が刺激になっているのだろう。
しかし他の子は歩いているが、柚一人はいはいをしている。そして明らかに体格も違う。柚は三月末の早生まれ、同級生達が既に生まれてミルクを飲んだり、離乳食を食べたり、早い子は歩き出している中、柚はまだ保育器の中にいたのだ。しかも修正では六月生まれ、元々学年すら違うのだ。他の子と半年から一年の違いがあるのは当然であるが、1歳児クラスの半年から一年の差は明らかに大きかった……。
そんな周りの影響から負けん気が促されていくか、自分より大きな子達が歩く姿に萎縮するかはその子次第だが柚の場合後者だろう。寝返りが怖くて絶対にやらないようにしていた。それぐらい臆病な性格だから。
「うーん、柚ちゃんは慎重派だからな。ただ立ち上がりしないのは心配だな……。」
「……はい。」
柚は生後十日の時に無呼吸発作で五分呼吸が止まっている。脳への影響があってもおかしくなかった。
「あ、いや。多分怖いだけだと思いますよ。ほら、自分より大きな子が周りに多数いたら萎縮もしますし、その子達が転けて泣いている姿を見たら立ち上がるのは怖い事だと思い込んでしまうでしょう。立ち上がるのも、歩くのも楽しいと知ってもらいましょう。……そこで提案なのですが『理学療法』に行きませんか?」
『理学療法』
病気や障害などで運動発達が遅れている子供、中度から最重度の障害により体が上手く動かせない子供や大人、事故や病気などで後遺症が残り体が上手く動かせなくなった人、加齢により体が不自由になってきた高齢者などに運動の発達を促したり、体が拘縮しないように体を動かしたりするものだ。
担当しているのは『理学療法士』と呼ばれる国家資格を持った医療技術者。医師とはまた違い子供の体の発達や、障害により体が上手く動かせない人達の体の動き、後遺症によってどこが動きにくいかの知識、加齢により体の衰えにより不自由になる体などの知識があり一人一人に合わせた対応を取っている専門家だ。
「ぜひお願いします。」
幸子は即答する。仕事もあるが柚の為に出来る事は何でもしたい。そう思っているからだ。
「お仕事大丈夫ですか?」
「平日休みの希望は取りやすいですから。」
「そうですか、では頼んでおきますね。」
「お願いします。」
理学療法は医師が必要と判断し、医師の指示のもと始まる。こうして柚のリハビリが始まる。
一 二週間後 リハビリ一回目 一
幸子と柚は総合病院の別館にあるリハビリテーションの窓口に行く。普段はあまり縁がなく、幸子は初めて足を踏み入れる。
周りには様々な人が居た。怪我をしたのか松葉杖を使用し歩く人、パジャマ姿で車椅子に乗っている高齢者と車椅子を押す理学療法士、普通の車椅子と違い特注で作られているであろう車椅子に乗る子供、そして一歳過ぎたぐらいの一見すると問題ないように見える子供が母親らしき女性に連れられ帰って行く姿を見かけた。
「三浦柚ちゃんですか?」
「はい。」
幸子は慌てて返事をする。
「初めまして、理学療法士の内藤です。」
50代ぐらいの女性が話しかけられ、幸子はその姿に安堵する。柚は父親と担当の小児科医以外の男の人を見るだけで泣くようになっていた。医師はそれを知っており、女性にして欲しいと頼んでくれていた。……そしてそれは柚の為だけでなく幸子の為でもあった。
「では行きましょう。」
待合室から中に入って行く。そこにはエアロビバイク、マット、大きな鏡、大人用歩行器、歩く練習に使う二本の棒の平行棒、心電図モニターなどが置いてありリハビリ施設だという事がよく分かる。
そこを通り抜け小児専用の個室に通される。そこには絵本やおもちゃがいっぱい置いてある。
しかし柚は初めての場所、初めての人に緊張し過ぎて泣いてしまう。
「す、すみません。」
幸子は柚を抱きしめ宥める。
「大丈夫ですよ、初めはみんな泣きますから。」
理学療法士はそんな事ぐらいで動じない。
「家にあるおもちゃこの中にありません?」
「えーと、あ、このガラガラうちにもあります。」
「じゃあこれね。ほら柚ちゃんガラガラだよ。」
柚は泣きつつガラガラを見ている。同時に理学療法士の顔もチラチラ見ており、渡されると渋々受け取りガラガラと鳴らし始める。
しばらくし柚とマットに座るように話す。幸子は戸惑いつつ下ろすとやはり泣く。次は膝の上でガラガラで遊び少しずつ慣らしていく。
慣れてきた所で新しいおもちゃを渡し、柚が泣き、幸子が遊び方を教えて覚えていく。また慣れると他のおもちゃを渡し、泣き、幸子が教えるを繰り返す。理学療法士は柚の様子を見てあまり近付かない。こうして一回目のリハビリの時間が終わる。
「すみません、ずっと泣いていて。」
「みんなそうですよ。まずはこの場所と私を覚えてもらう事が先ですから。リハビリは三回目から五回目ぐらいからですね。」
「え?そうなのですか?」
理学療法士は話す。初めての場所で知らない人に無理矢理やらせても怖いだけ。まずは場所と理学療法士に慣れてから。とにかく嫌な記憶を残すと怖くて嫌な場所だと覚えてしまう。まずは柚との信頼関係を作る事から始めるとの事だった。
まずは場所に慣れさす為に、家にあるおもちゃで安心させつつ違うおもちゃを出して慣れさす。理学療法士は遠くに居て柚を刺激しない。考えられた対応だったのだ。
「あ、ありがとうございます。」
「次も来てね、柚ちゃん。」
柚は理学療法士をじっと見ている。まだ警戒はしているが、母親が話している姿をじっと見ており大丈夫な相手だと少し心を許す。
一 一週間後 リハビリ二回目 一
「こんにちは。」
じっと柚は理学療法士を見ている。どうやら考えているようだ。
理学療法士も分かっている。だから今回は積極的に話しかける。
「柚ちゃん、この絵本面白いよ。」
音が鳴る絵本を鳴らして見せ、柚も恐る恐る触る。音が鳴ると喜び始める。その後も柚が好きそうなおもちゃを出していき一緒に遊び始める。
その後はわざと柚の手の届かない所に新しいおもちゃを置き、さりげなく取りに行かせる。体を使った遊びを取り入れたり、一緒に体操をすると柚も真似をするが立ち上がる気配はやはりなかった。こうして本日のリハビリが終わる。
「大体の体の動きが分かりました。やはり立ち上がりはしませんでしたね。次回から立ち上がりの訓練から始めましょう。」
「……やはりそうですか……。」
幸子は落ち込む。寝返りの時みたいに意図的にしないのかもしれないと考えていたが、やはり立ち上がりは出来ないのだと……。
「あ、でも教えると案外早いと思いますよ。慎重な子は一度大丈夫だと覚えると出来るようになるので。寝返りもそうだったみたいですし、今回もそうじゃないかなと。」
「ありがとうございます。」
柚は理学療法士に手を振る。二回目で凄い変わりようだ。
幸子はただ理学療法士のやり方に脱帽している。ここまで慣らし、動きも見られるように働きかけ柚が乗る気にさせる為に上手く接していた。家ではまず無理だった。リハビリに通わせて良かったと思うのだった。
一 リハビリを初めて二週間 リハビリ三回目 一
柚はすっかり理学療法士が好きになっていた。一緒に体操をし、抱っこしてもらい、次は大きいボールに乗せてもらった。それは柚より大きく柔らかいボールでうつ伏せに乗り上下に揺らしていく。さりげなく足を床に付けていく事により立ち上がりが怖くないようにしていくリハビリだ。
柚は笑っており全然気付いていない。そして気付く、いつの間にかボールが横にあり自身で立っていた事に。転ける事もなく一人立っている。
(柚ー!)
誠は未来を知っているが喜ぶ。柚の初めてを目の当たりにする事が少なかったから……。
柚はにっこり笑う。座って見る世界と立って見る世界、全然違ったのだろう。その後もボールで遊びながら足を床に付け立つ事の楽しさを教えていく。
そして柚はボールを使わずに一人で立つ事が出来る。そこからは早かった、物を掴み立つ事を教えたら一回で出来た。やはり体は出来ていたが、怖くてやらないだけだった。
本日のリハビリが終わる。家でも立ち上がりの練習をさせ、歩きたがったら好きにさせたり手伝って良いとの事だった。ただ一つ、無理強いは絶対しない事、嫌がったら止めるように言われた。無理にして良い事は何一つないとの事だった。
幸子は焦らないと心に決め家での訓練をする。立ち上がりは喜んでやっていたが、やはり歩き出しはしない。練習したい気持ちを抑え、立ち上がりが出来るようになった柚を誠と共に褒める。
一 リハビリを初めて三週間 リハビリ三回目 一
理学療法士は柚の立ち上がりを見て、体は出来ていると判断し、次の段階に進めると決める。一番小さいリハビリ用の歩行器を持って来てまずは乗せずに歩行器に付けたおもちゃで遊ばせる。次に乗せてみて柚の反応を見る。喜ぶ為にそのまま乗せたままおもちゃで遊ばせる。ここまできてやっと歩行器を動かしてみる。ゆっくりと……。
この時に大事なのは、つま先歩きにならないように「かかと」から「つま先」に足を地面に付ける事だ。この動きが大事であり、やはり柚は歩く体も出来ていた。後は歩く楽しさをゆっくり覚えていくだけだ。
今日は焦らず歩行器で部屋中を歩き回る。世界がまた広がったのか柚は目を輝かせる。こうして歩く楽しさを学んでいく。
これからは早かった。家でも歩きたがり、幸子が手を持ってあげるとヨチヨチ歩き始めたのだ。前に転けても手を付き、尻もちをついて泣いてもめげずに歩きだし一ヶ月のリハビリで立ち上がりから一人歩きまで覚えてしまった。
その後もリハビリは続き、床に座った状態から立ち上がりまた座れるか?椅子に座ったり立ち上がったり出来るか?歩き方が不自然じゃないか?体幹がしっかりしているか?一つずつ見ていく。
リハビリから三ヶ月、修正1歳6ヶ月。体の動きは問題ないとなった柚は理学療法を卒業となる。
「ありがとうございました。」
幸子はお礼を言い頭を下げる。
「柚ちゃん頑張りましたね。じゃあね、バイバイ。」
柚は笑って手を振る。今日でお別れだと分かっていないみたいだ。
二人は帰って行くが理学療法士は表情が暗い。何かを察しているが、自分が話す事ではないと弁えているから何も言わない。
……そう柚はまだ問題を抱えている。そして誠も幸子もその事にまだ気付いていない……。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
神様、愛する理由が愛されたいからではだめでしょうか
ゆうひゆかり
キャラ文芸
退役軍人のラファエル・オスガニフは行きつけのバーで酒を浴びるほど飲んだ帰り、家路の路地裏で子どもがひとりでうずくまっているのをみつけた。
子どもの年の頃は四、五歳。
鳥の巣のような頭にボロボロの服から垣間見える浮き出た骨。
おそらくは土埃で黒くなった顔。
男児とも女児ともつかない哀れな風貌と傍らに親らしき人物がいないという事実に、ラファエルはその子は戦争孤児ではないかという疑念を抱くものの。
戦渦にみまわれ荒れ果てている我が国・アルデルフィアには戦争孤児は何処にでもいる。
だから憐んではいけないと頭ではわかっていたが、その子の顔は二十年前に死に別れた妹に似ていて--。
これは酒浸りおっさんと戦争孤児が織りなす子育てとカウンセリングの記録。
《ガイドライン》
⚪︎無印…ラファエル視点
⚪︎※印…ジェニファー視点
⚪︎◇印…ミシェル視点
⚪︎☆印…ステニィ視点
【完結】月華麗君とりかへばや物語~偽りの宦官が記す後宮事件帳~
葵一樹
キャラ文芸
【性別逆転・ツンデレラブ(?)バディミステリ】
病弱な帝姫の宮。姫の寝台の上では小柄な宦官が下着姿の姫君に追い詰められていた。
とある事情から自分に成りすませと迫る姫君に対し、必死に抵抗する宦官の少年へ女官たちの魔の手が伸びる。
★ ★ ★ ★ ★
「ちょっと待て! 俺は女装なんかしねえぞ!」
「いい加減観念しろ。なんでもやると言っただろう」
「そうはいったが女装は嫌だ!」
「女装女装って、お前、本当は女じゃないか」
「うるせえ、この腹黒女装皇子!」
★ ★ ★ ★ ★
宦官のはだけた胸元にはさらしに巻かれたささやかな胸。
姫君の下着の下には滑らかな胸板。
性別を偽って生きる二人の互いの利害が一致するとき後宮に渦巻く陰謀が牙を剥く。
腹黒「姫」に翻弄されながら、姫の命を狙う陰謀に巻きこまれていく白狼。
後宮に巣くう敵を二人は一掃できるのか――。
速達配達人 ポストアタッカー 旧1 〜ポストアタッカー狩り〜
LLX
キャラ文芸
主人公サトミが、除隊してポストアタッカーになるまでの再生物語。
時代は第4次世界大戦の戦後。
ガソリンが枯渇して移動の主流が馬に、インフラ破壊されて電話は政府が運営する衛星通信しかない高級品になり果てた、文明が少し戻った感じの、近未来アクション。
特殊部隊の少年兵だったサトミ・ブラッドリーは、銃社会でなぜか日本刀使い。
戦後、除隊して両親が居るはずの実家を目指したが、彼の家族は行き先を告げず引っ越したあと。
探すすべを失い、とりあえず旅の途中で出会った、なぜか喋る馬?のビッグベンと家で暮らすことに。
平和〜な日々が漫然と続く……かと思ったら。
15才なのにヒマでボケそうな彼を郵便局がスカウト。
それは速達業務のポストアタッカー、早馬で盗賊を蹴散らし、荒野を越えて荷物を届ける仕事。
しかしそんな彼らはその時、地雷強盗で重大な危機を迎えていたのでした。
血で血を洗う特殊な部隊にいた彼が、一般の普通〜の人々に囲まれ、普通を目指すポストマンのあまり普通じゃないお話。
危機って聞くと腕が鳴る、困った元少年兵の、荒廃したどこかの国の未来の物語。
表紙絵、ご @go_e_0000 様
未熟な蕾ですが
黒蝶
キャラ文芸
持ち主から不要だと捨てられてしまった式神は、世界を呪うほどの憎悪を抱えていた。
そんなところに現れたのは、とてつもない霊力を持った少女。
これは、拾われた式神と潜在能力に気づいていない少女の話。
…そして、ふたりを取り巻く人々の話。
※この作品は『夜紅の憲兵姫』シリーズの一部になりますが、こちら単体でもお楽しみいただけると思います。
学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~
トベ・イツキ
キャラ文芸
三国志×学園群像劇!
平凡な少年・リュービは高校に入学する。
彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。
しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。
妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。
学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!
このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。
今後の予定
第一章 黄巾の乱編
第二章 反トータク連合編
第三章 群雄割拠編
第四章 カント決戦編
第五章 赤壁大戦編
第六章 西校舎攻略編←今ココ
第七章 リュービ会長編
第八章 最終章
作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。
※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。
名探偵の心臓は、そうして透明になったのだ。
小雨路 あんづ
キャラ文芸
舞台は本島とは離れた穏やかな島。
まだ冬から春に移り変わる合間の季節。
比類なき頭脳を持ったが故に一族から理解されず、本島から追い出され一人、誰も来ない家で本を読んで暮らす幼い少女。もう一人は天涯孤独でどこにも行き場がない成人になりかけの少女。二人の少女が出会い、お互いを支え合う時。
探偵と助手のバディがうまれ、古風にも予告状を出す怪盗や偉そうな刑事たち、依頼人。たくさんの人に触れ合うに従って、物語は回り出す。
アラライラオ・ハルシオン様の「真綿の心臓」をオマージュさせて頂きました。
御本人様にも確認済みです、どうかよろしくお願いいたします。
彩鬼万華鏡奇譚 天の足夜のきせきがたり
響 蒼華
キャラ文芸
元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。
紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。
手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙しく過ごす日々、ある時あやめは一つの万華鏡を見つける。
持ち主を失ってから色を無くした、何も映さない万華鏡。
その日から、月の美しい夜に玄鳥は物語をあやめに聞かせるようになる。
彩の名を持つ鬼と人との不思議な恋物語、それが語られる度に万華鏡は色を取り戻していき……。
過去と現在とが触れあい絡めとりながら、全ては一つへと収束していく――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
イラスト:Suico 様
SIX RULES
黒陽 光
キャラ文芸
六つのルールを信条に裏の拳銃稼業を為す男・五条晴彦ことハリー・ムラサメに舞い込んだ新たな依頼は、とある一人の少女をあらゆる外敵から護り抜けというモノだった。
行方不明になった防衛事務次官の一人娘にして、己のルールに従い校則違反を犯しバーテンのアルバイトを続ける自由奔放な少女・園崎和葉。彼と彼女がその道を交えてしまった時、二人は否応なしに巨大な陰謀と謀略の渦に巻き込まれていくことになる……。
交錯する銃火と、躍動する鋼の肉体。少女が見るのは、戦い疲れた男の生き様だった。
怒りのデストロイ・ハード・アクション小説、此処に点火《イグニッション》。
※小説家になろう、カクヨムと重複掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる