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2-2 オカルト好きだよな
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「魔法ってさぁ」
だから、きっとおれは学校へ急いだんだろうな。学校には、そういうことを話すアテがある。心の底では最初から分かっていたくせに、実際に学校へ着くまでは、もうだめだと思い込んでいた。
「あると、思うか?」
おれの机の上に座っていた天然パーマは、机からひょい、と飛び降りると瞬きをする代わりに度のきつそうな眼鏡をちらちらと煌めかせて、
「悪いけどね、マサキくん。もう一度、言ってもらいたいのだが……よいかな?」
困ったように首をかしげた。
「ああ、確かに、突然そんなことを言われても困るよな。だから最初に言ったんだよ、おかしな話をするけどな、って」
椅子に座っているおれは笑顔を全面に押し出して、上目遣いに眼鏡の顔色をうかがった。こいつは最初にして最後、しかも唯一のはけ口だ。逃がすわけにはいかない。
「なに、簡単な話だよ」
魔法なんていう非現実的なものを、現実として考えてくれる人物なんてあまりいないだろう。だけどおれの同級生には、都合のよいことにUFOだとか超能力だとか霊現象だとかUMAだとか、そういったものを好物とし、更に信じてしまっているやつがいるのである。
黒佐沢険。もじゃもじゃ頭にギラギラ眼鏡。ミステリアスな空気を持った、近寄りたくない雰囲気の持ち主であるこの男は、魔法だって好きに違いない。
だから、きっとおれは学校へ急いだんだろうな。学校には、そういうことを話すアテがある。心の底では最初から分かっていたくせに、実際に学校へ着くまでは、もうだめだと思い込んでいた。
「あると、思うか?」
おれの机の上に座っていた天然パーマは、机からひょい、と飛び降りると瞬きをする代わりに度のきつそうな眼鏡をちらちらと煌めかせて、
「悪いけどね、マサキくん。もう一度、言ってもらいたいのだが……よいかな?」
困ったように首をかしげた。
「ああ、確かに、突然そんなことを言われても困るよな。だから最初に言ったんだよ、おかしな話をするけどな、って」
椅子に座っているおれは笑顔を全面に押し出して、上目遣いに眼鏡の顔色をうかがった。こいつは最初にして最後、しかも唯一のはけ口だ。逃がすわけにはいかない。
「なに、簡単な話だよ」
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