9 / 35
第九話「石化」
しおりを挟む
第九話「石化」
ルシファーはリィンと彫刻店に来ていた。
例の服飾店から新しくデザインした服が届き、ルシファーは黒いジャケット姿、リィンは盗賊の着る黒革のローブを着ている。
開店前に店に飾る石の彫刻を探す為である。
「こんなのいいんじゃないか?」
リィンが指さしたのは等身大のグリフォンの巨大な彫刻だった。
グリフォンと言うのは前足と頭は鷲、胴体と後足はライオンの魔物である。
狂暴ではあるが魔法生物であり高い魔力や魔術知識を持つ魔女や魔術師ならば手なずけることが出来る。
「店に置くには大きすぎる。それより僕はこっちの方がいいな」
リィンはルシファーの視線の先を見て、悪趣味な者を見るような目でルシファーを見た。
それは何かから逃げているようなリアリティ溢れる等身大の人間の像であった。
「ふぅん、店主、ここにある彫刻だがどこで手に入れた?」
「これですか?ある彫刻家から手に入れた逸品でしてね。申し訳ないんですが詳細は明かせない……」
店主の男がルシファーとリィンを値踏みするように見渡す。
するといきなり態度を変えてこう言った。
「ああちょうどよかった、これから仕入れに行く所なんですよ。一緒に行きまでょう」
「それはちょうどよかった。リクエストしたい作品があってね」
こうしてルシファーは怪しげな彫刻家の家へ向かった。
街の郊外にあるそこは洞窟を改造した石の家だった。
いかにも彫刻家の家らしい家だ。
そこには彫刻家の名前だろうかアーサーと彫られていた。
「ああ店主さん、今日はあの品しかできてないよ」
アーサーらしき彫刻家は慎重な顔で答えた。
「ああ、この人達は大丈夫だよ。材料の方だからね」
「なんだって!?」
ピカッ!
リィンがその言葉に驚くと強烈な光に襲われた。
リィンの体がみるみる内に石化していく。
数秒後には美しいエルフの少女の石像があった。
光の発生源の店主の手には蛇の髪を持つ緑色の肌のメデューサの首があった。
その魔物の目から発せられる光を浴びた物は石になるという。
この店主はこうやって仕入れをしていたのだろう。
「恐ろしいだろう?次は君の番だ」
ピカッ!
「うおっ、まぶし!」
思わず手で顔を覆うルシファーだが、体に変化はない。
驚いた店主は何度も生首をふりかざすがルシファーは生身のままだ。
「やめろ!まぶしいだろ!」
ルシファーが店主を軽く殴り飛ばす。
本気で殴ったら店主が死んでしまうからだ。
ルシファーにはこの店主に聞きたい事がまだあるので死んで貰っては困る。
「おい、店主」
「は、はい!」
メデューサの石化光線が効かないルシファーを化物を見るかの様な目で見る店主。
まあ実際化物なのだが。
「確かメデューサの石化を解くにはメデューサの血清が必要だったな。ここにあるのか?」
「たしか彫刻作るのにミスした時用に取っておいたのが……」
店主がアーサーの方を見るが首を振るアーサー。
どうやら人一人分を元に戻す量は残ってないらしい。
「やれやれ、じゃあメデューサの血を売っている場所を教えて貰おうか」
「メデューサの首は貴重な品で滅多な事じゃ手に入りませんよ。それに価格もべらぼうに高いとか……」
お前のせいだ、責任取ってなんとかしろと言いたいルシファーだったが、この店主の様子を見る限り無理そうだ。
こうなったら手段は最後しかない。
「分かった、直接採取に行くからメデューサの居場所を教えろ」
「ええ!?でも奴は狂暴だし石化してくるしとても私達で手に負える相手じゃ……」
「奴の攻略法は映画で知ってるんだ。早くしろ」
「映画……?」
聞きなれない言葉に動揺する店主。
が、ルシファーはそんなことはどうでもよく、戦いの準備をする為にルシファーズハンマーへと向かった。
―ルシファーズハンマー
やっと我が家に帰って来たルシファー。
しかしくつろいでいる暇は無かった。
出迎えに来たカースがルシファーに深々と礼をする。
「おかえりなさいませ、ルシファー様。おや、あのエルフの小娘はいずこに?」
「リィンはどうでもいい。それよりミラーボールを取り外すんだ」
「ええ!?せっかくつけたのにですか?」
「後でちゃんと戻すから、なるはやで頼む」
「承知しました……」
―数分後
「よいしょっと、結構かさばるな」
「こんな物がメデューサ退治に役立つんですか?」
心配そうに疑いながらもルシファーに尋ねる店主。
「じゃあ逆に聞くがお前はどうやって倒した」
「そりゃあ何人もの冒険者が犠牲になって―」
「おかげで報酬も払わなくて済んだと。酷い奴だ」
「ち、違います!私は彼らの事を心配して……」
「彫刻家の家の奥の方に冒険者の石像が幾つもあった。あれを売り飛ばすつもりだったんだろう?」
「ううう……」
「言葉も出ない様だな。安心しろ、僕は悪い事が好きでね。なにしろ悪魔だから。」
「アクマ、ですか?」
聞き慣れない言葉にきょとんとしている店主。
しかし店主はこれ以上咎められないしバラされる心配もないと分かって安心していた。
しかしルシファーの顔つきが変わり瞳が赤く光る。
「だがリィンは僕の所有物だ。僕の”物”に手を出したら容赦しないぞ」
「わ、分かりました!」
ルシファーの不気味な瞳を見た店主とアーサーは恐怖に押しつぶされその目を直視できないでいた。
アーサーと店主はメデューサに睨まれた方がマシだと感じた。
―メデューサの洞窟
薄暗い洞窟の中をルシファー達は手探りで進んでいく。
白い霧が立ち込めていて前が良く見えないでいた。
すると店主の体に何かが当たる。
「お客さん、気を付けて下さいよ」
「僕はここにいるが?」
「私もここにいます」
後方の離れた方からルシファーとアーサーの声がする。
じゃあこの固い感触はなんだ?
そう思った店主が近付いてみると、なんとそれは石化した人間だった。
「ひぃっ!?」
店主は驚き走り出してしまう。
そしてまたもや何かにぶつかった。
今度は柔らかい肌の様な感触である。
「アーサーか?それともお客さん?」
店主がソレに近付くとソレは巨大な口と細長いチロチロした舌を店主の眼前に近付けた。
するとルシファーが走ってやってきて店主の体を後ろに放り投げる。
その直後、霧が晴れ、下半身は大蛇で上半身は緑色の肌の女性、髪は蛇の巨大な魔物が現れた。
これこそメデューサである。
メデューサの蛇の様な瞳が光りルシファーを照らす。
しかしルシファーはなんともない。
驚愕したメデューサは今度は尻尾でルシファーを叩きつける。
ルシファーが片手でそれを防ぎ尻尾の一部をもぎ取ると、メデューサは霧の中に身を隠した。
シャー!!!
「メデューサがきたぞ!」
彫刻家のアーサーが叫ぶ。
「お客さんの言う通りにこの丸い奴に隠れるんだ!」
店主がアーサーに指示すると二人はミラーボールの裏に隠れた。
メデューサがミラーボールの前に現れ二人に石化光線を照射する。
しかし間にあったミラーボールにそれは反射し、メデューサが逆に石化し始めた。
「おおっと、首は貰うよ」
ルシファーは首まで石化が及ぶ前にメデューサの首を銀の短剣で斬り落とした。
石化してからでは血液が取れないからである。
「ところでこれ石化の効かないお客さん一人でやった方がよかったんじゃ……」
「それじゃあ君達の怯える姿が見れないだろう?それにあの映画の真似もしてみたかったしね」
確かに怪力や不思議な力の持ち主で石化も効かないルシファーなら一人で首を斬り落とせたろう。
しかし彼はそうしなかった、自分の為に。
店主とアーサーはこの客の知的好奇心と嗜虐心を満たす為だけに危険な目に遭わされたのか?
一瞬抗議する案が頭をよぎったが、この客を怒らせたらメデューサを怒らせるよりも酷い目に遭うと恐れ店主達は沈黙を貫いた。
そして彫刻家の家に着いた。
ルシファーは鼻歌を歌いながら新鮮なメデューサの首から血を垂らしリィンの石像にかけた。
リィンの体がみるみる内に生身の体に戻っていく。
元の体に戻った瞬間、リィンは腰のナイフを頬を赤らめながら店主の首に押し付けた。
「私を石像にしてナニをするつもりだった!言え!」
「何って……普通に売るつもりでしたが―」
「おいおい、むっつりスケベエルフ、その辺にしとけ。それより店主、僕の所有物に手を出すなと言ったよな」
「へっ?」
「オシオキだ」
ピカッ!
ルシファーが手に持ったメデューサの頭を軽く握ると、その瞳から石化光線が店主に向かって放たれる。
店主は一瞬にして石化した。
「さて、アーサー君。君もこうなりたくなかったら言う事を聞いて貰うよ」
「わ、わかりました!」
アーサーはルシファーの言う通りに彫刻刀を振るい店主の体を改造した。
そして……
「糞、覚えてろよ!」
「はは、結構似合ってるじゃないか」
そこには無様な禿げ頭になった店主がいた。
「じゃあ店主、命を助けた上にこれだけの事をしてくれたんだ、当然割引してくれるよな?」
「へっ?」
「カーテンの奥の人間の石像さ。男女問わず美しいのを貰っていくぞ」
「ちょっとまて、この人達を助けないのか!?」
リィンが驚いて反論する。
てっきり助けるものだと思ったからだ。
「そんな事をする義理は無い。それにこの首だけじゃ全員分には足りないしね。一部だけ助けるのも不公平だろ?」
「この悪党め……」
「いいや、僕は悪魔さ」
ルシファーの闇を垣間見て、本性はこういう男なのだと再認識したリィンであった。
ルシファーはリィンと彫刻店に来ていた。
例の服飾店から新しくデザインした服が届き、ルシファーは黒いジャケット姿、リィンは盗賊の着る黒革のローブを着ている。
開店前に店に飾る石の彫刻を探す為である。
「こんなのいいんじゃないか?」
リィンが指さしたのは等身大のグリフォンの巨大な彫刻だった。
グリフォンと言うのは前足と頭は鷲、胴体と後足はライオンの魔物である。
狂暴ではあるが魔法生物であり高い魔力や魔術知識を持つ魔女や魔術師ならば手なずけることが出来る。
「店に置くには大きすぎる。それより僕はこっちの方がいいな」
リィンはルシファーの視線の先を見て、悪趣味な者を見るような目でルシファーを見た。
それは何かから逃げているようなリアリティ溢れる等身大の人間の像であった。
「ふぅん、店主、ここにある彫刻だがどこで手に入れた?」
「これですか?ある彫刻家から手に入れた逸品でしてね。申し訳ないんですが詳細は明かせない……」
店主の男がルシファーとリィンを値踏みするように見渡す。
するといきなり態度を変えてこう言った。
「ああちょうどよかった、これから仕入れに行く所なんですよ。一緒に行きまでょう」
「それはちょうどよかった。リクエストしたい作品があってね」
こうしてルシファーは怪しげな彫刻家の家へ向かった。
街の郊外にあるそこは洞窟を改造した石の家だった。
いかにも彫刻家の家らしい家だ。
そこには彫刻家の名前だろうかアーサーと彫られていた。
「ああ店主さん、今日はあの品しかできてないよ」
アーサーらしき彫刻家は慎重な顔で答えた。
「ああ、この人達は大丈夫だよ。材料の方だからね」
「なんだって!?」
ピカッ!
リィンがその言葉に驚くと強烈な光に襲われた。
リィンの体がみるみる内に石化していく。
数秒後には美しいエルフの少女の石像があった。
光の発生源の店主の手には蛇の髪を持つ緑色の肌のメデューサの首があった。
その魔物の目から発せられる光を浴びた物は石になるという。
この店主はこうやって仕入れをしていたのだろう。
「恐ろしいだろう?次は君の番だ」
ピカッ!
「うおっ、まぶし!」
思わず手で顔を覆うルシファーだが、体に変化はない。
驚いた店主は何度も生首をふりかざすがルシファーは生身のままだ。
「やめろ!まぶしいだろ!」
ルシファーが店主を軽く殴り飛ばす。
本気で殴ったら店主が死んでしまうからだ。
ルシファーにはこの店主に聞きたい事がまだあるので死んで貰っては困る。
「おい、店主」
「は、はい!」
メデューサの石化光線が効かないルシファーを化物を見るかの様な目で見る店主。
まあ実際化物なのだが。
「確かメデューサの石化を解くにはメデューサの血清が必要だったな。ここにあるのか?」
「たしか彫刻作るのにミスした時用に取っておいたのが……」
店主がアーサーの方を見るが首を振るアーサー。
どうやら人一人分を元に戻す量は残ってないらしい。
「やれやれ、じゃあメデューサの血を売っている場所を教えて貰おうか」
「メデューサの首は貴重な品で滅多な事じゃ手に入りませんよ。それに価格もべらぼうに高いとか……」
お前のせいだ、責任取ってなんとかしろと言いたいルシファーだったが、この店主の様子を見る限り無理そうだ。
こうなったら手段は最後しかない。
「分かった、直接採取に行くからメデューサの居場所を教えろ」
「ええ!?でも奴は狂暴だし石化してくるしとても私達で手に負える相手じゃ……」
「奴の攻略法は映画で知ってるんだ。早くしろ」
「映画……?」
聞きなれない言葉に動揺する店主。
が、ルシファーはそんなことはどうでもよく、戦いの準備をする為にルシファーズハンマーへと向かった。
―ルシファーズハンマー
やっと我が家に帰って来たルシファー。
しかしくつろいでいる暇は無かった。
出迎えに来たカースがルシファーに深々と礼をする。
「おかえりなさいませ、ルシファー様。おや、あのエルフの小娘はいずこに?」
「リィンはどうでもいい。それよりミラーボールを取り外すんだ」
「ええ!?せっかくつけたのにですか?」
「後でちゃんと戻すから、なるはやで頼む」
「承知しました……」
―数分後
「よいしょっと、結構かさばるな」
「こんな物がメデューサ退治に役立つんですか?」
心配そうに疑いながらもルシファーに尋ねる店主。
「じゃあ逆に聞くがお前はどうやって倒した」
「そりゃあ何人もの冒険者が犠牲になって―」
「おかげで報酬も払わなくて済んだと。酷い奴だ」
「ち、違います!私は彼らの事を心配して……」
「彫刻家の家の奥の方に冒険者の石像が幾つもあった。あれを売り飛ばすつもりだったんだろう?」
「ううう……」
「言葉も出ない様だな。安心しろ、僕は悪い事が好きでね。なにしろ悪魔だから。」
「アクマ、ですか?」
聞き慣れない言葉にきょとんとしている店主。
しかし店主はこれ以上咎められないしバラされる心配もないと分かって安心していた。
しかしルシファーの顔つきが変わり瞳が赤く光る。
「だがリィンは僕の所有物だ。僕の”物”に手を出したら容赦しないぞ」
「わ、分かりました!」
ルシファーの不気味な瞳を見た店主とアーサーは恐怖に押しつぶされその目を直視できないでいた。
アーサーと店主はメデューサに睨まれた方がマシだと感じた。
―メデューサの洞窟
薄暗い洞窟の中をルシファー達は手探りで進んでいく。
白い霧が立ち込めていて前が良く見えないでいた。
すると店主の体に何かが当たる。
「お客さん、気を付けて下さいよ」
「僕はここにいるが?」
「私もここにいます」
後方の離れた方からルシファーとアーサーの声がする。
じゃあこの固い感触はなんだ?
そう思った店主が近付いてみると、なんとそれは石化した人間だった。
「ひぃっ!?」
店主は驚き走り出してしまう。
そしてまたもや何かにぶつかった。
今度は柔らかい肌の様な感触である。
「アーサーか?それともお客さん?」
店主がソレに近付くとソレは巨大な口と細長いチロチロした舌を店主の眼前に近付けた。
するとルシファーが走ってやってきて店主の体を後ろに放り投げる。
その直後、霧が晴れ、下半身は大蛇で上半身は緑色の肌の女性、髪は蛇の巨大な魔物が現れた。
これこそメデューサである。
メデューサの蛇の様な瞳が光りルシファーを照らす。
しかしルシファーはなんともない。
驚愕したメデューサは今度は尻尾でルシファーを叩きつける。
ルシファーが片手でそれを防ぎ尻尾の一部をもぎ取ると、メデューサは霧の中に身を隠した。
シャー!!!
「メデューサがきたぞ!」
彫刻家のアーサーが叫ぶ。
「お客さんの言う通りにこの丸い奴に隠れるんだ!」
店主がアーサーに指示すると二人はミラーボールの裏に隠れた。
メデューサがミラーボールの前に現れ二人に石化光線を照射する。
しかし間にあったミラーボールにそれは反射し、メデューサが逆に石化し始めた。
「おおっと、首は貰うよ」
ルシファーは首まで石化が及ぶ前にメデューサの首を銀の短剣で斬り落とした。
石化してからでは血液が取れないからである。
「ところでこれ石化の効かないお客さん一人でやった方がよかったんじゃ……」
「それじゃあ君達の怯える姿が見れないだろう?それにあの映画の真似もしてみたかったしね」
確かに怪力や不思議な力の持ち主で石化も効かないルシファーなら一人で首を斬り落とせたろう。
しかし彼はそうしなかった、自分の為に。
店主とアーサーはこの客の知的好奇心と嗜虐心を満たす為だけに危険な目に遭わされたのか?
一瞬抗議する案が頭をよぎったが、この客を怒らせたらメデューサを怒らせるよりも酷い目に遭うと恐れ店主達は沈黙を貫いた。
そして彫刻家の家に着いた。
ルシファーは鼻歌を歌いながら新鮮なメデューサの首から血を垂らしリィンの石像にかけた。
リィンの体がみるみる内に生身の体に戻っていく。
元の体に戻った瞬間、リィンは腰のナイフを頬を赤らめながら店主の首に押し付けた。
「私を石像にしてナニをするつもりだった!言え!」
「何って……普通に売るつもりでしたが―」
「おいおい、むっつりスケベエルフ、その辺にしとけ。それより店主、僕の所有物に手を出すなと言ったよな」
「へっ?」
「オシオキだ」
ピカッ!
ルシファーが手に持ったメデューサの頭を軽く握ると、その瞳から石化光線が店主に向かって放たれる。
店主は一瞬にして石化した。
「さて、アーサー君。君もこうなりたくなかったら言う事を聞いて貰うよ」
「わ、わかりました!」
アーサーはルシファーの言う通りに彫刻刀を振るい店主の体を改造した。
そして……
「糞、覚えてろよ!」
「はは、結構似合ってるじゃないか」
そこには無様な禿げ頭になった店主がいた。
「じゃあ店主、命を助けた上にこれだけの事をしてくれたんだ、当然割引してくれるよな?」
「へっ?」
「カーテンの奥の人間の石像さ。男女問わず美しいのを貰っていくぞ」
「ちょっとまて、この人達を助けないのか!?」
リィンが驚いて反論する。
てっきり助けるものだと思ったからだ。
「そんな事をする義理は無い。それにこの首だけじゃ全員分には足りないしね。一部だけ助けるのも不公平だろ?」
「この悪党め……」
「いいや、僕は悪魔さ」
ルシファーの闇を垣間見て、本性はこういう男なのだと再認識したリィンであった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
鬼神の刃──かつて世を震撼させた殺人鬼は、スキルが全ての世界で『無能者』へと転生させられるが、前世の記憶を使ってスキル無しで無双する──
ノリオ
ファンタジー
かつて、刀技だけで世界を破滅寸前まで追い込んだ、史上最悪にして最強の殺人鬼がいた。
魔法も特異体質も数多く存在したその世界で、彼は刀1つで数多の強敵たちと渡り合い、何百何千…………何万何十万と屍の山を築いてきた。
その凶悪で残虐な所業は、正に『鬼』。
その超絶で無双の強さは、正に『神』。
だからこそ、後に人々は彼を『鬼神』と呼び、恐怖に支配されながら生きてきた。
しかし、
そんな彼でも、当時の英雄と呼ばれる人間たちに殺され、この世を去ることになる。
………………コレは、そんな男が、前世の記憶を持ったまま、異世界へと転生した物語。
当初は『無能者』として不遇な毎日を送るも、死に間際に前世の記憶を思い出した男が、神と世界に向けて、革命と戦乱を巻き起こす復讐譚────。
いずれ男が『魔王』として魔物たちの王に君臨する────『人類殲滅記』である。
異世界転生は突然に…貰ったのは呪いと祝福のギフト
夢魅 夜
ファンタジー
この物語の主人公(男)は、どこにでもいる色々なジャンルのゲームをし、色々なキャラクターとして日々を過していた…人です!
そんな主人公がふと気づいたら変な空間に居て、おどろく姿の神様と出会い、とある事情から突然現代世界から異世界に転生?することに神様からは、急な転生で身体用意できなかったから君が使っていたゲームキャラから好きなキャラを選んでいいよ!と言われ、異世界特典に願いも望みもなんでも一つだけ祝福として叶えましょう!』
そう言われ、悩むが、主人公は望みのギフトを手にし、心新たに、異世界の空へとダイブした…
その後知る、祝福と呪いの2つギフトの存在に…
果たして彼は、異世界でどう過ごして、行くことになるのか…これはそんなお話…
なお、この異世界での主人公は呪いあれどチートではあります。
主人公の他にもチートキャラ居ます。
ゆったり進行(グダグダ?)異世界日常冒険物語、魔王?召喚獣?乗り物?空飛び?幻獣?
妖怪?、神、邪神…勿論出ますともいや何がなんでも出す!
ちなみに作文も書けないほど、作者の文章能力は低いです…
それでも雰囲気で楽しんで行ってくれたら幸いですm(_ _)m
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
とりあえず天使な義弟に癒されることにした。
三谷朱花
恋愛
彼氏が浮気していた。
そして気が付けば、遊んでいた乙女ゲームの世界に悪役のモブ(つまり出番はない)として異世界転生していた。
ついでに、不要なチートな能力を付加されて、楽しむどころじゃなく、気分は最悪。
これは……天使な義弟に癒されるしかないでしょ!
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる