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第二章 鬼ヶ島鬼神面殺人事件
第二十七話 交戦、追い詰められたダゴン
しおりを挟む涼たちは弐ニさんの部屋の入り口で弐ニさんにずっとダゴンの情報をきいていた。
一区切りついたところで、RYOは切り出した。
「ありがとな、弐二さん」
「HIンクさん、本名、竹崎宝亀(たけさき・ほうき)て名前があったのね知らなかったわ」
野志穂警視が大きな胸を揺らしながらいった。
RYOは聞くとすんなりエレベータの方に走り出した。
「カウンターに向かうぞ」
「わかってるわ」
RYOが一度野志穂警視の方を振り向いた。
野志穂警視は軽くウィンクすると、一緒に駆けだした。
☆☆
エレベータで一階に降り、RYOたちは、受付カウンターにきていた。
目の色をRYOは光らせながら言葉を紡いだ。
「すまない、竹崎宝亀って人の部屋教えてくれないか」
「竹崎宝亀様、少々お待ちを」
そういい、受付嬢はリストを引っ張り出して確認していく。
野志穂警視は一階の窓の外を一瞥した。
「もう夜ね、視界が外はみえないわ、気を付けないと」
外は姿が見えないくらい暗くなっていた。照明も少なく、視界が悪いため、逃げられる可能性が高い。それを懸念していたのだ。
そのときだった。
「603号室です」
「やはりな、六階か。行くぞ、野志穂警視」
「警察よ、犯人が潜伏している恐れがあるの、スペアキーをもらえないかしら」
「はい、かしこまりました」
手渡されると野志穂警視はそれを谷間に挟み込んだ。
「いきましょ」
受付嬢の答えを聞くと、すぐさま二人は現場に向かった。
☆☆
二人は犯人の部屋の前に来ていた。603号室だ。
「ホテルの人から事情を話して、予備のスペアカードキーはもらってる」
そういい、谷間からカードキーを取り出し、野志穂警視は銃を引き抜いた。
「あいた瞬間に、私が銃で入り込むわ。RYOは後ろからもし何かあれば、サイキックパワーで援護して」
「へ、了解だ」
RYOと呼吸を合した時だった。
「いくよ」
そういい、ロックを解除させ、野志穂警視が踏み込んだ。
「ダゴン、伏せなさい、殺人容疑で現行犯逮捕よ」
だが、部屋に人の気配はしなかった。
「おかしい、いない、勘づかれたか」
「どこかに隠れているかもしれないわ、RYO探しましょ」
そのときだった。
「『お前たちは死ぬ!』」
「な、なに?」
「テレビの映像だ、やろう、タイマーで仕掛けてやがったな」
「私たちが来るのをわかってたってこと?」
「そうだろうぜ、野志穂警視、まずいぞ、俺たちは罠にはめられたかも」
その瞬間野志穂警視が何かに気づいた。
「涼、ベランダに靴が」
「窓が開いてる、そこから逃げたか」
そのときだった。
「死ね」
「ダゴン!」
ダゴンだ。ダゴンがベランダの向こう側にいてこっちに何か放り込んできた。
これは?
「手榴弾よ、涼、伏せて」
「野志穂警視!」
DWOOON!
なんと手榴弾をダゴンは投げ入れてきて、瞬時にそれは爆発した。
部屋は大爆発したが、ベランダに二人いたため、RYOは野志穂警視を外に連れ出し、ベランダの横手側にある手すりにぶら下がった。
たしかにここなら爆風をしのげる。
ダゴンはそれをみるとどこかへ逃げていく。
「あの野郎、円形にホテルのカタチがなってるから、前側に移動して放り込みやがったな」
そう挑戦的にいうと、RYOは野志穂警視を元のベランダに下した。
「逃がすか」
そういうと向かい側にいるダゴンの後を追った。
部屋は爆発で粉々になっていた。
☆☆
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