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第十一章 魔神復活永劫の力

第百五十八話 二つの移動魔法

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「ダメだ、魔神の近くにきたものの、コアの位置が高すぎて、とどかねぇ」


 ファイたちはセイクに地上に降ろしてもらい、魔神の近くまできていた。


 近くで見ると相当なでかさだった。


 巨人のさらに上をいく、超巨人だった。


 しかも、巨人の上にポテンシャルは魔神だった。


 いかに、手がないとはいえ、ホーリーカッターを相殺することができるのだ。


 どう、コアを壊すかが皆の頭に浮かんでいた。


 手がない分攻撃はされにくい。


 だが、頭と足があった。


 足はだが、スピードが亀より遅く蹴られにくいのは確かだった。


 そのときだった。


 キュラがいった。


「森の木々に隠れながら、攻撃するぞ」


「だけどよぉ、コアまでとどかねぇぞ」


 ファイが言葉を濁した。


 エリューが言い寄ってきた。


「私にいい考えがあります」


「やあ」


「移動魔法、そうかその手があった」


 エリューは森の一角で、移動魔法を瞬時に展開させた。


 移動魔法の四次元光の中を使おうというのだ。


 エリューは得意そうな顔で移動魔法を指さした。


「この魔法陣に飛び乗って、魔神に攻撃して戻れば、高度をどうにか維持できます」


「なるほどな、さすが嬢ちゃんだ」


 たしかに、誰しもそれなら高くてもとびかかることができると確信した。


 レギンが感心しきった面持ちで言った。


 そして、近くにいたウィードが口を開いた。


「遠距離なら僕が」


「キュラ様、一つでは、足場が不安定でしょう。二つでいきましょう」


 そういうと、テアフレナはもう一つの移動魔法をすでに準備していた。


 キュラはうなずいた。


「そうだな、よし、みな、二つの移動魔法に乗れ」


 その瞬間だった。


「魔爆撃波弾(ブラストドゴーラ)!」


「まずい」


「奴の魔の光」


「セイクさん」


DWOOONNNN!


 魔神が、第二撃を口から発した。


 凄まじい勢いでそれは浮遊城ワトルスにぶつかった。


 大爆発が起きた。


 だが、光の盾が作用していた。


 しかし、衝撃だけは防げなかった。


 轟音と地響きがした。


「よかった、城は無事だ」


「だけど、すごい衝撃だろうぜ、さっきであんなだったからな」


「地震並だろうな」


 みな、浮遊城をみやった。


 浮遊城はどうにかもちこたえていた。


「でもよかったです、魔神は気が付いてないみたいですね」


 エリューがほっと胸をなでおろしながら言った。


 ヒョウが重い口を開いた。


「あの技を連発するキャパシティがないのかもしれない」


「連発に相当な力を要するのじゃないか、手がないからよ」


 ファイが考察したように言った。


 キュラが言葉を返した。


「考えられるな、一回出すと、チャージしてるのかもしれない」


「よし、みな乗ったな、二つの移動魔法を足場に攻撃するぞ」


「おう」「はい」「わかりました」


 キュラが号令をかけると、二つの移動魔法が上空に飛び立った。


 コアを破壊するために。


 魔神はまだそれに気づいていなかった。
















☆☆

遅い時間帯でも早い時間帯でも読んでくださっている方ありがとうございます。
作者もなんとなくわかるのでうれしいです。
エリューとテアフレナもよく方法を考えますね。飛べなければそれの対抗策を考えるていう。
動いてくれています。
この魔神のコアのところまでの高度はかなり高いです。
魔神の体長がエトワル城の二ばいから三倍にになっております。
それで大体は想像つくかと。
読者様の健康と安全を祈っております。
感染症も熱中症もお気を付け下さい。
またお会いしましょう。
またアップします。
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