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第十章 復活されし魔神
第百四十七話 魔導駆動死守
しおりを挟む西の城壁側では、魔神獣との死闘が繰り広げられていた。
「ち、手強い、なんて速さと熱量だ」
あたり一面が、魔神獣のブレスで火の海と化していた。
熱量が凄まじく、耐えるので精いっぱいだった。
ファイが苦渋に満ちた顔でいった。
「早い段階で、どうにかしねーとやばいぞ」
「くるぞ、よけろ、ブレスだ」
ヒョウがそういった矢先だった。
正面から発せられた炎のブレスをヒョウはどうにか躱した。
しかし、熱量が凄まじく、服が燃え出した。
「ち、耐熱マントで防ぎきれない」
ヒョウがマントの火を手で払ったときだった。
「やぁあぁ」
「エリュー」
エリューが空を飛び、攻撃に転じた。
「ファイヤーストーム! 連撃!」
なんとエリューは炎アータル系レベル四にあたる魔法を次々と魔神獣に放った。
魔神獣が魔法の威力で、後ずさりする。
城壁の外へ落ちそうなくらいだ。
ヒョウはそれをみて、エリューがなすことの意味が分かった。
「炎の柱? 効いてるぞ、やつの進行をとめて、威力で押し返してる」
「guaaalloooo!」
その瞬間だった。
魔神獣が口からエリューに炎のブレスを吐き散らしてきた。
「エリューよけろぉ」
ファイは急いで身を乗り出した。
あまりに熾烈で強力なブレスだった。
普通のドラゴンの何倍もの熱量だった。
ブレスはまともにエリューにあたりこんだ。
「炎盾ファイヤーシールド」
なんと、攻撃魔法を片手で展開しながら、エリューは、レベル二にあたる炎系防御魔法を発動させた。
うまく当たる寸前で、ブレスはファイヤーシールドの壁で割れて相殺した。
そして、機を見計らって、エリューはさらに飛翔して魔法を繰り出そうとしていた。
「まだまだです」
「やぁあぁ」
エリューの両手に莫大な魔法力が収束していく。
「これなら、ダブルフレアメテオ!」
「GUAALLOOOLOOLO!」
DWOOOOOOONNNN!
「すごい、フレアメテオを二発同時に」
オネイロスが声音を上げた。
フレアメテオがまともに魔神獣を飲んで、爆発展開していた。
凄まじい熱量だ。
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