37 / 203
第十章 復活されし魔神
第百三十一話 ウィードの怒り
しおりを挟む「くはは、おもしろい。どうあがいたところで我は倒せぬ」
「(どうにかして、魔の結界を破れれば、像を壊せる。致命傷を与えることさえできれば)」
フォライーの奇声があたりに響く。
ウィードは策を練っていた。
ウィードがジリリと間合いを詰めた。
「どうした、さっきの勢いはどこにいった?」
フォライーはドロッとした声でいった。
豹変した魔獣はまさに魔神だった。
「我の魔力の前に、怖気づいたか」
フォライーがいったそのときだった。
「貴様の喉首をかっきってやる」
ウィードが動き一瞬にして、大技を繰り出した。
「ウィンドドラゴン!」
「竜撃!」
ウィンドドラゴンが爆発することなく、フォライーを包んでいく。
「なんだ、この竜は? 風の竜か」
「(よしまとわりついた)」「
まとわりついたそのときだった。
「もらったぁ」
ウィードは天高く剣をかざし、飛び上がった。
フォライーの頭上に飛んだ。
「ほざけ、返り討ちにしてくれるわ」
「闇斬縛撃(ダークレイザー)!」
DWOOONNN!
「なに!」
なんと、フォライーの攻撃はウィンドドラゴンにぶつかって暴発した。
自身へのダメージも免れない。
「そうか、竜撃を壁に」
「なるほどな、そうすれば、奴の攻撃はこちらに届かない」
「さすがウィード様だ」
「考えたな」
キュラたちが感心しきっていた。
そして、ファイたちも間合いを詰めた。
頭上からウィードはとびかかろうとしていた。
もう距離がない。
「フォライー、こっちだ!」
「死ねぇ、闇爆口撃(ダークイレイザー)」
「口から発しようと無駄だ! そう簡単には風の竜はなくならない」
「ぐあぁ」
DOWWWWOOOONNN!
「やった、きいてる」
ファイを襲った口からの強力な攻撃もウィンドドラゴンの壁で見事に防いだ。
暴発しフォライーは痛手を負った。
「死んでいったものの仇!」
「ウィンドブレイク!」
「ま、まてぇ」
DWWWOOOONNN!
ウィードの最大の技がフォライーの頭を胴体の半分まで大きく切り込んだ。
体がほぼ真っ二つに割れて、血が吹き飛んだ。
こんな状況で頭をやられて再生できるのか。
「やったぞ、頭を真っ二つに」
攻撃の手を緩めることなく、ウィードは地を蹴った。
「まだだ、死んでいったものの重みを味わえ」
「ウィンドブリッド! 連撃、いけぇ」
ウィンドブリッドの弾丸を何発も真っ二つにされたフォライーにあびせた。
逃げる余地もない。
「ぐはぁ」
「チェックメイトだ、ウィンドバースト!」
DWWOOOONN!
ウィンドブリッドを視点にして、さっきのように大爆発がおき、フォライーの体がこなごなになった。
頭がとれそうになっている。
「くはぁ、これしき、再生さえすれば」
フォライーはドロッとしたききとりにくい声を上げた。
この一連の模様に攻撃しているものが手を止めた。
「まるで別人だ」
「強い」
「理性を失うとここまで力を引き出せるのか」
ファイも感心しきっていた。
ウィードは剣をフォライーの頭にかざした。
「そうなっては、フォライー、しゃべれないな、とどめをさしてやる」
「ぐはくそ、我がこれしきのことで、再生さえすれば」
「みてー、魔の結界にひびが」
後ろから見ていたニミュエーが大きな声をあげた。
これにファイたちも気が付いた。
「! ファイ、今なら破壊できるやもしれん。俺たちもやるぞ」
「おう」「任せておけ」
ヒョウ、ファイ、レギンが動いた。
瞬時に大技を発動させた。
「フレアドラゴン!」「ブリザードドラゴン!」
「イーリアウルファ!」
DWOOOOOONNNNN!
「やったぞ、結界が壊れた」
ひびが入った魔の結界はものの見事にこなごなになった。
片方の魔の心臓は入っているが、像が丸裸になった。
形勢逆転だ。光明がみえた。
「今なら像を破壊できる」
「おのれぇ、結界が、破壊させてなるものか」
フォライーに焦りがみえた。
キュラたちは瞬時に動いた。
フォライーは何かをしでかそうとしていた。
激戦が待ち受けていた。
☆☆
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
【完結】ゲーム転生、死んだ彼女がそこにいた〜死亡フラグから救えるのは俺しかいない〜
たけのこ
ファンタジー
恋人だったミナエが死んでしまった。葬式から部屋に戻ると、俺はすぐにシミュレーションRPG「ハッピーロード」の電源を入れた。このゲーム、なぜかヒロインのローラ姫が絶対に死ぬストーリーになっている。世界中のゲーマーがローラ姫の死なない道を見つけようとしているが、未だそれを達成したものはいない。そんなゲームに、気がつけば俺は転生していた。しかも、生まれ変わった俺の姿は、盗賊団の下っ端ゴブリンだった。俺は、ゲームの運命に抗いながら、なんとかこの世界で生き延び、死の運命にあるローラ姫を救おうとする。
転生キッズの魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
西園寺おとば🌱
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
スキルは見るだけ簡単入手! ~ローグの冒険譚~
夜夢
ファンタジー
剣と魔法の世界に生まれた主人公は、子供の頃から何の取り柄もない平凡な村人だった。
盗賊が村を襲うまでは…。
成長したある日、狩りに出掛けた森で不思議な子供と出会った。助けてあげると、不思議な子供からこれまた不思議な力を貰った。
不思議な力を貰った主人公は、両親と親友を救う旅に出ることにした。
王道ファンタジー物語。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる