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第十章 復活されし魔神

第百二十五話-4 アザレの妙案

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キュラたちの激戦を、オネイロス、アザレ、テアフレナたちは、最上階の窓から望遠鏡などで見やっていた。


 誰の目にも絶望が浮かんでいた。


 幾度と切っていて、一つも皮膚が斬れないのが見て取れたからだ。



 キュラやファイたちできることができないとなれば、普通の人間では切ることが不可能だからだ。


 アザレが望遠鏡でみながら、言葉を発した。


「まずい、苦戦しているようだ」


「なんて、巨体なの」


 テアフレナも懸念しいった。


 そのときだった。


 アザレが妙なことを思い出した。


「(ここは、エトワル? ティアランタ、もしや、あれが)」


 アザレには、何か妙案がひらめいた。


「よし、わしがティアランタ都市の長に連絡をとってみよう」


「アザレ副将軍、何か秘策があるのですか」


 テアフレナが、階段の方にかけていく、アザレを呼び止めいった。


「あの巨人を倒せるやも知れん」


 アザレの目には自信の色がみえていた。


 そういい、アザレはアジトから出て行った。




☆☆





 アザレはティアランタの市長がいる施設にきていた。


 市長と数名の警護人が出迎えた。


「これは、アザレ副将軍、お久しぶりです」


「元気にしていたか、パルム市長」


 アザレとパルム市長は握手をし、挨拶をした。


 アザレが急いで話を切り出した。


「早急に、本題に入りたいのだが、今、ティアランタの入り口付近の家屋などが巨人により、壊されておる。ティアランタ防衛軍の超巨大弩弓を使ってもらえないか」


「あの巨大な弓矢をですか」


 パルム市長は、一瞬顔を困惑させた。


 アザレがすぐさまいった。


「使用は無理か、このままでは巨人に街一つ崩壊させられる」


「たしかに」


 そういい、施設から見える巨人をみやった。


 巨人たちはファイたちと今も戦っていた。


 力の伯仲がみてとれた。


「我らの精鋭も戦っておるが、あの巨体だ、苦戦を強いられておる」


「もしや、キュラ大将軍が」


「そうじゃ、いかにも。戦ってくれておる」


「ソレイユ一の魔法騎士様でも手に負えんのじゃな」


「他に、魔剣士、魔法使いも一緒に戦っておるのじゃ。時間はない。
あれを使ってくれんか」


 アザレは、懇願し頭を下げた。


 アザレにもプライドがあったが、プライドなど言っている場合ではなかった。


 街が一つ丸ごと壊されるか、人民をすべて殺されるかだった。


 パルム市長は頭を抱えたが、その後、首を縦に振った。


「ティアランタ都市のために。わかりました。使用を防衛軍に許可しましょう」



「よかった。礼をいうぞ」


「しかし、あれは、一回使うと、チャージするのにかなりの時間を要します。命中させるには、相手をある程度は射程内で固定させる必要があります」


 パルムの言葉をきくと、アザレは、笑みを浮かべ、パルムと握手をした。


 そして、パルムはまた話し出した。


「ティアランタ防衛軍にも敵の殲滅任務で出撃させよう」


「頼みましたぞ」


 アザレがそういうと、パルムも受け入れのジェスチャーをした。


 アザレはそれをみると、何を思ったか、急いで来た道を帰り始めた。


 まだ施設と、巨人との距離はかなりある。


 だが、時間が進むごとに、完全に進路上の建物は全て破壊されていた。




































☆☆
遅い時間でも読んでくださっている方、ありがとうございます。
貴重な時間を割いてくださってありがとうございます。
中々活躍の機会が少ない副将軍ですが、頭がよく機械の知識に長けています。
また夕方か晩にお会いしましょう。
感想などなんでも気軽にかいてもらえたらうれしいです。
キャラなどきにいってもらえたらお気に入りお願いします。
読者様の声援がかくもののバイタリティです。
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