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第十章 復活されし魔神
第百二十五話-3 術と力の連鎖
しおりを挟む「ぐがあぁあおおおぁ」
「しまった、また壊された」
なんと、タイアスの一撃でまた建物が一棟大きいのが壊れた。
もうかなりの数が壊されている。
このままいけば、中心部まで時間はかからない。
ファイの表情に焦りがあった。
「タイアス、こっちだ」
ファイはうまいこと動き、タイアスを入り口の方に誘導した。
タイアスは獰悪な声を巻き上げる。
「おのれぃ、ちょこまかと」
キュラが強張った顔でいった。
「ファイ、攪乱では、だめだ、被害が大きくなるだけだ」
「だけどよ、キュラ様、まともにいって掴まれたら最後だ」
そのときだった。ヒョウが打って出た。
「俺に任せろ」
ヒョウはタイアスの真正面で複雑な陣容をとって、手を動かした。
もしや、これは?
「氷竜破(ブリザードドラゴン)!」
ヒョウの竜撃だ。かなり大きくアレンジは施されていた。
そしてヒョウは、タイアスに真正面から打ち込んだが、かなり低空で放っていた。
何か理由があるのか。
「回れ!」
いうと、ヒョウはタイアスの足元で、竜撃を丸く旋回させた。
タイアスの足元が竜撃で巻かれていく。
すでに凍ってきていた。
「そうれ、足ごと凍らせてやる」
「凍れ(フリーズ)!」
「な、なに、足が」
なんと、ヒョウは見事に、タイアスの足元を竜撃で回し旋回させ、足をカチカチに地面もろとも凍らせた。
「なるほどな、奴を完全に凍らすことはできないが、竜波で足を凍らせたのだな」
キュラが感心したようにいう。
しかし、ヒョウの顔色が濁っていた。
「だが、奴の巨体を考えると、恐らくほんの一瞬だ」
「これしきのこと、これしきのことぉお」
「まずい、力を入れだしたぞ」
タイアスが足に思いっきり力を入れる。
力の作動で氷にひびが入ってきていた。
いかに、ヒョウが竜撃をアレンジしていたとはいえ、ドラゴンを握りつぶすような超怪力の巨人の前では術が皆無に等しかった。
そのときだった。ファイが動いた。
「手だけでも落とす」
タイアスの動きを封じこめている一瞬のうちにファイは攻勢に出た。
魔剣に力が収束していく。
「炎殺剣(フレアブレード)連撃!」
「やぁああっぁ」
ファイは、炎の波動を何発もタイアスにぶつけた。
ぶつかったタイアスの腕はしかし、微動だにも傷一つつかなかった。
「くはは、それしきのことで、我の皮膚は貫通できないぞ」
「ちくしょう、かすり傷も負わせられないなんて」
「だめだ、術がもたない」
「ぐがぁああぁつ」
タイアスは思いっきり力をいれて、ヒョウの術を粉々にした。
「くそ、俺の術を打ち破りやがった」
ヒョウが悔しそうな顔をする。
キュラが一歩前に出て行った。
「ひるむな、奴も巨人といえど、人だ、何か方法があるはずだ」
「あの皮膚を貫くすべさえあれば」
キュラの思惑はあたっていた。
しかし、魔闘気つきの技でも傷を負わせることはできない。
戦場は激戦だった。
☆☆
「ざっと、二十か。サリアいけるか」
「ええ、なんとかなります」
一方、ウィードたちは、リザードマンと対峙していた。
ウィードたちの前には二十体ほどのリザードマンがいた。
奥に一際、体が大きなリザードマンがいた。
ウィードは剣を構えた。
サリアも忍者特有の構えをした。
そして、ウィードが不敵な笑みでサリアにいった。
「サリアと一緒に戦うのは久しぶりだな。命は落とすな。僕が助ける」
「ウィード様も。私が助けます」
そのときだった。
リザードマンが攻撃してきた。
「ぎゃああが」
ウィードたちはうまく、その剣撃をかわした。
サリアは右手に動いた。
「よし、ウィードを仕留めろ、お前らいけぇ」
一際大きな体をしている、リザードマンが剣をふるいながらいった。
「どうやら、あのひときわ体がでかいリザードマンがリーダーのようだな」
「くる!」
ウィードがそういうと、リザードマンが一斉に攻撃を仕掛けてきた。
「こっちよ、物の怪、やぁ」
「飛んだだと」
なんと、サリアは、右手にあった家の屋根の上に軽々ジャンプして、飛び乗った。
リザードマンは飛び上がるほどの脚力はない。
しかし、動きは、爬虫類以上。スピードがすごかった。
「逃がすな」
リーダー格がいう。
サリアはニヤリと笑い攻勢に転じようと構えなおした。
「甘いね、あんたには私は倒せないよ」
「闘気弾、やぁぁあぁあぁ」
DWOOOOONNNNN!
あの石を破壊した技だ。
サリアがその技を倒せるくらいの強さにアレンジは施していた。
「連撃!」
「やぁあ」
次々と闘気弾を放ちリザードマンにぶち当て仕留めていく。
「ぐはあぁ」「ぎゃああぁ」
「小癪な、くらぇ」
リーダー格が、サリアに弓矢を放った。
それは、すごいスピードでサリアの真正面から飛んで行った。
「笑止、そんな弓矢で、私は倒せないよ」
サリアはそれに気づき、もう一歩で頭に直撃という寸分で、片手でその弓矢を握ってとめた。
スピードがどうであれ、弓矢を封じた。
「なに、弓矢を握って止めただと」
「あんたにもあげるよ、闘気弾!」
「ぐあぁ」
また一体、サリアはリザードマンを倒した。
「くそ、まだ、手勢はいる。者ども総出で襲え! 休む暇を与えるな」
KAKIIIN!
「(剣撃が重い)かなり、力があるな」
リーダー格は思いっきりウィードに切りにかかった。
ウィードはそれをまともに剣で受け止めた。
剣と剣がかみ合い、剣戟が響いた。
「だが、僕は負けない」
次の瞬間だった。
ウィードが横手に飛び動いた。
魔剣から幾度も、弾丸が出でた。
「風魔弾(ウィンドブリッド)いけぇ」
「ぐあぁぁ」
リザードマンに何個かがぶちあたり、粉砕していく。
「なに、弾丸だと」
「当たれば、こんな芸当もできる」
「ウィンドバースト」
当たったウィンドブリッドが爆発し、竜巻のような鋭い風が巻き起こった。
「ぎゃあぁあ、体が斬れる」「なんて風だ」
リザードマンを次々と切り刻み、仕留めていく。
その時だった。
「もらった」
「ウィード様、後ろ」
「なに、しまった!」
なんと、後ろから音を立てずにリザードマンが移動してきて、頭上から、ウィードに切りにかかった。
間合いはもうない。
「(間に合って)えぃ、」
サリアはさっき止めていた、弓矢を素早く、斬りにかかったリザードマンに放った。
おそらく、闘気が込められている模様で、スピードが速かった。
「ぎゃぁ」
それは見事に切りにかかったリザードマンの額にあたり、食い止めることに成功し、仕留めた。
サリアが額の汗をぬぐった。
ウィードは視線をサリアに向けた。
「弓矢? すまないサリア」
「気を付けて下さい。スピードと力が強いです」
「長引けば、不利だ、サリア、仕留めるぞ」
「御意、」
「いくぞ、化け物ども」
いうと、二人は残りのリザードマンに向かって駆け出した。
☆☆
晩にまた更新予定。
遅い時間でも読んでくださっている方ありがとうございます。
また晩にお会いしましょう。
キャラや物語を気に入ってもらえればお気に入りおねがいします。
読者様の声援が書くもののバイタリティです
まだまだ物語は続きます。
応援よろしくお願いします。
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