魔双戦記アスガルドディーオ 神々の系譜

蒼井一

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第九章 神玉の冒涜

閑話回想15 魔の力が使える者の重みとキズナ

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ヒョウがシエラがいる町につき、入り口に入ったときだった。


「ヒョウ、よかった、無事だったのね」


 シエラが出迎えてくれて、ヒョウを抱きしめてくれた。


 クエスとガスもいる。


 シエラ様のハグで、珍しくヒョウは顔を赤らめた。


「シエラ様、ありがとうございます。ただいま、帰還いたしました」


「ヒョウ、おまえすごいな、よくあれだけの数相手に生きて帰れたな」


「クエスありがとな」


 クエスと手と手をかわして、握手した。


「よかった、俺も心配したんだぜ」


 ガスも言う。


 ヒョウがにこりと笑っていった。


「俺はシエラ様やお前たちが無事でよかった」


「ヒョウ、お前、氷の魔剣士か? あれは、魔剣アイスブレイカーだろ? 魔導書で調べたぜ」


 ヒョウがそれをきくと一瞬黙り込んだ。


 そして、一呼吸おいてしゃべりだした。


「ばれてしまったようだな、そうだいかにも」


「どうりで、強いはずだ。今までずっと隠してたのか」


「俺は魔族やそんな輩ではない。中身は人間だ、ただ魔の力を使えるものというだけでな」


「疑ったりはしてないぜ、俺たちは歓迎さ、心強い仲間がいて、魔族がきても安心だ」


「そうか」


 ヒョウは不敵な笑みを見せ、視線を下に一瞬そらした。


 再度ヒョウは厳しそうな顔つきでクエスにいった。


「クエス、ガス、気を付けておいてくれ、魔族たちが恐らく、シエラ様を狙っている」


「魔族が」


 ガスが顔をくもらせた。


 クエスは違った。立ち向かう勇気があるようにみえる。


「わかったぜ、警戒は高めておく」


 そのときだった。シエラ様が話し出した。


「ヒョウ、回復魔法を契約して、お父様にかけたら、お父様の病が治ったの」


「病が、それはよかった」


 ヒョウが笑顔になった。


 そして、シエラ様にいった。


「シエラ様、これから外に出るのは、俺たちだけではなく、王国から魔法使いや騎士を雇ってください。俺がいなく
なったらもしものことがあれば」


「そうね、私も政務者だものね、国に護衛要請の通達を出してみるわ」


「ヒョウ、心配いらないぜ、俺たちもいる」


「大丈夫っす」


 クエスとガスが胸をポンと叩きながら言った。


「確かに、ガスと、クエスは、剣の腕がたつ。だが、並のモンスターならまだいいが、魔族相手となると、剣だけでは太刀打ちができない」


「なるほどな、剣と魔法で守れってことか」


「その方が心強いな」


 ガスがそういった。たしかに、エリューのような魔法使いが一人いれば、戦闘は違ったものになるだろう。


 ヒョウも少なからず、安心ができる。


 その一連の模様をききながら、シエラはにこりとし、ヒョウにいった。


「ヒョウ、でも、ありがと。私嬉しかったの」


「いえ、俺はシエラ様のボディガードなので、当然のことをしたまでです」


「疲れてるでしょ、今日はゆっくり休養してね」


「はい」


 そうこうして、ヒョウたちはシエラ様を護衛しながら、家の中に入っていった。

































☆☆
遅い時間でも読んでくださっているかた、ありがとうございます。
まだまだ話は続いていきます。長い目でお付き合いください。
気に入っていただければ、お気に入りお願いします。
次話から新章です。
またあしたお会いしましょう。
応援よろしくお願いします。
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