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第四章 虚実の幽霊船
第五十九話 危惧されたソワール城
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文献で調べ終わってから、王立図書館を後にし、一同は歩き、図書館の近くにあった、ソワール城に続く、階段を上っていた。
そして、城に入る門のところで立ち止まった。門番の衛兵がいた。鎧を着、槍を持っている。
「誰だ! 怪しい奴!」
衛兵は、門の前に立ち開り、槍をグッと前に突きつけた。通らせないように威嚇をする。
ファイたちが槍を突きつけられて、一瞬、ギッと睨んだが、それをイーミ姫さまは手を挙げ、抑制した。
「門番さん、ソワール王に面会したいんだけど、伝えてくれない?」
前に出て、姫さま、自ら衛兵に堂々とはっきりした声でいった。
「ダメだ、ダメだ、どこの骨とも分からぬ一般人など、通すわけにはいかん。帰った、帰った」
「あら、これを見ても、そうは言える?」
姫様は、懐から金や銀などの凄い装飾が施された、六角形のプレートを衛兵に見せた。
その瞬間、衛兵の動きが止まった。
「そ、それは、紋章盤!」
唖然となり、衛兵はさっきまでの態度と裏腹に、急に態度が変わり、大人しくなった。
「ソ、ソレイユ王家の紋章? もしや、あなたは第十三代王位継承者のイーミ姫様ですかッ?」
「まぁ、そうも、一般的には言われてるわね」
イーミ姫さまが人差し指で、頬を照れくさそうに掻き、困った顔をする。
ファイたちも後ろで、黙ってその様子を見ていた。
エリューがニコニコ笑っている。
「ソレイユ王国のイーミ姫様とも知らず、軽率な無礼をお許し下さい」
そういい、衛兵は瞬時に、その場で土下座した。
「いいから、頭を上げて。それより、ソワール王さまに会って、聞きたいことがあるの。早急に、謁見できるよう伝えてきてくださる?」
「はい、分かりました」
衛兵は、済まなさそうな顔で言うと、門を開け、中に入り、一回鍵を閉め、そして、王宮に続く階段を急速に駆け上がっていった。
ファイたちが、ほのめいた。
「やっぱり、姫様は凄いですね。正統に王位継承もしていないのに、名前がこっちにも轟いてるなんて。俺なんて、ソレイユ王国の騎士だって言っても、門前払いだ」
ファイが見事だと、素晴らしい展開に、息を呑んだ。
ヒョウも同様の顔つきだ。
「そんなことないのよ、ファイ。姫様も楽じゃないのよ、色々、城では書類も書かないといけないしね。机に一日中、座ったままで肩凝るわよ、公務なんてわたしやーよ」
苦笑いをし、イーミ姫さまはのほほんとした顔で、紋章盤を懐に仕舞いながら、手を振った。
「公務なんてやーよじゃいけません、姫様」
テアフレナがイーミ姫様の言葉に釘を刺した。いつも姫様の政務補佐をしているのはこの人だった。
「だって、私、一日中、書類にサインして、座りっぱなしだもん。つかれるよ」
「公務を励行するのは庶民のためです。なさってください」
「今は、アスタルテの理念を実現させるのが、目標よ、みんなそれに向かって頑張るのよ」
「はい、姫様」
「でも、凄いですぅ、ソワール王宮に入るの、初めてですぅ」
エリューがそう感激して言った矢先だった。偉そうな格好をした人が、護衛兵を二人ほど後ろの左右に引き連れて、階段を降りてきた。
「私は、この国の大臣、フローズンという者です。イーミ姫様、お久しぶりです。ソワール王さまが、謁見したいとのことです」
野太い声で、髭を生やしたフローズン大臣は言う。
一同に、緊張が少し走った。だが、イーミ姫さまに緊張なんて物は全くなかった。
「あ、フローズン大臣、お久しぶりね。そうなの。じゃぁ、皆、一緒に入るわよ」
フローズン大臣が、魔剣を携えていた、ファイとヒョウを一瞬、注意深そうに見遣る。敵なのかと。鋭い目付きだ。
「で、そちらの方たちは?」
大臣がいうと同時に、衛兵が、少し動き、警戒をする。
ファイたちが剣の矛先を向けられ、余りいい顔をしなかった。
動こうとするが、だが、また諌めるようにイーミ姫さまは手を突き出し、抑制した。
「私の護衛よ」
「そうでありましたか、申し訳ございません。では、こちらです、ついて来てください」
フローズン大臣が、手を挙げ、衛兵に制止をかけ、矛先を下げさせた。そして、フローズン大臣は階段を一歩ずつ上っていった。
大臣に手招きされ、イーミ姫さまやファイたち全員も王宮に続く、階段を興味深そうに一段ずつ上っていった。
☆☆
ファイ達は、王宮に続く階段を上り、ソワール王がいる、謁見の間に来ていた。配下の家臣たちが、ズラリと両端に並んでいた。
謁見の間の様式は、金銀で彩られ、華やかそのものだった。
謁見の間にイーミ姫さまが入った瞬間、どよめきが起こった。
まさか、あのソレイユ王国の姫さまが来るとは誰しもが、想わなかったからだ。
何故だと。
そして、ファイたちにも視線が飛び交う。
煌びやかな玉座と思しきものに座った年配の機知に飛び、王冠を被ったソワール王らしき人が、口を開いた。
「おお、よく来てくれた。久しぶりじゃのぅ、イーミ姫さま」
「お久しぶりです。ソワール王さま」
イーミ姫さまは立ち止まり、屈みこんで敬礼をする。
ファイたちも同時に屈みこんで敬礼をした。
しかし、ソワール王は不思議そうな顔をしていた。
「単刀直入に言うが、一体、どうしたのじゃ? ソレイユに何かあったのか?」
身を乗り出し、丁寧な声で訊いてきた。イーミ姫さまが面を上げた。
「いいえ、違うんです。ソレイユに変わりはございませんが、最近、無辜の民が殺されているのを知り、黙って見ていられなかったのです」
真摯な瞳で、イーミ姫は、遣り切れないような面持ちで言う。
その場にいた、家臣たちも皆一様に、心痛な面持ちだった。
☆☆
そして、城に入る門のところで立ち止まった。門番の衛兵がいた。鎧を着、槍を持っている。
「誰だ! 怪しい奴!」
衛兵は、門の前に立ち開り、槍をグッと前に突きつけた。通らせないように威嚇をする。
ファイたちが槍を突きつけられて、一瞬、ギッと睨んだが、それをイーミ姫さまは手を挙げ、抑制した。
「門番さん、ソワール王に面会したいんだけど、伝えてくれない?」
前に出て、姫さま、自ら衛兵に堂々とはっきりした声でいった。
「ダメだ、ダメだ、どこの骨とも分からぬ一般人など、通すわけにはいかん。帰った、帰った」
「あら、これを見ても、そうは言える?」
姫様は、懐から金や銀などの凄い装飾が施された、六角形のプレートを衛兵に見せた。
その瞬間、衛兵の動きが止まった。
「そ、それは、紋章盤!」
唖然となり、衛兵はさっきまでの態度と裏腹に、急に態度が変わり、大人しくなった。
「ソ、ソレイユ王家の紋章? もしや、あなたは第十三代王位継承者のイーミ姫様ですかッ?」
「まぁ、そうも、一般的には言われてるわね」
イーミ姫さまが人差し指で、頬を照れくさそうに掻き、困った顔をする。
ファイたちも後ろで、黙ってその様子を見ていた。
エリューがニコニコ笑っている。
「ソレイユ王国のイーミ姫様とも知らず、軽率な無礼をお許し下さい」
そういい、衛兵は瞬時に、その場で土下座した。
「いいから、頭を上げて。それより、ソワール王さまに会って、聞きたいことがあるの。早急に、謁見できるよう伝えてきてくださる?」
「はい、分かりました」
衛兵は、済まなさそうな顔で言うと、門を開け、中に入り、一回鍵を閉め、そして、王宮に続く階段を急速に駆け上がっていった。
ファイたちが、ほのめいた。
「やっぱり、姫様は凄いですね。正統に王位継承もしていないのに、名前がこっちにも轟いてるなんて。俺なんて、ソレイユ王国の騎士だって言っても、門前払いだ」
ファイが見事だと、素晴らしい展開に、息を呑んだ。
ヒョウも同様の顔つきだ。
「そんなことないのよ、ファイ。姫様も楽じゃないのよ、色々、城では書類も書かないといけないしね。机に一日中、座ったままで肩凝るわよ、公務なんてわたしやーよ」
苦笑いをし、イーミ姫さまはのほほんとした顔で、紋章盤を懐に仕舞いながら、手を振った。
「公務なんてやーよじゃいけません、姫様」
テアフレナがイーミ姫様の言葉に釘を刺した。いつも姫様の政務補佐をしているのはこの人だった。
「だって、私、一日中、書類にサインして、座りっぱなしだもん。つかれるよ」
「公務を励行するのは庶民のためです。なさってください」
「今は、アスタルテの理念を実現させるのが、目標よ、みんなそれに向かって頑張るのよ」
「はい、姫様」
「でも、凄いですぅ、ソワール王宮に入るの、初めてですぅ」
エリューがそう感激して言った矢先だった。偉そうな格好をした人が、護衛兵を二人ほど後ろの左右に引き連れて、階段を降りてきた。
「私は、この国の大臣、フローズンという者です。イーミ姫様、お久しぶりです。ソワール王さまが、謁見したいとのことです」
野太い声で、髭を生やしたフローズン大臣は言う。
一同に、緊張が少し走った。だが、イーミ姫さまに緊張なんて物は全くなかった。
「あ、フローズン大臣、お久しぶりね。そうなの。じゃぁ、皆、一緒に入るわよ」
フローズン大臣が、魔剣を携えていた、ファイとヒョウを一瞬、注意深そうに見遣る。敵なのかと。鋭い目付きだ。
「で、そちらの方たちは?」
大臣がいうと同時に、衛兵が、少し動き、警戒をする。
ファイたちが剣の矛先を向けられ、余りいい顔をしなかった。
動こうとするが、だが、また諌めるようにイーミ姫さまは手を突き出し、抑制した。
「私の護衛よ」
「そうでありましたか、申し訳ございません。では、こちらです、ついて来てください」
フローズン大臣が、手を挙げ、衛兵に制止をかけ、矛先を下げさせた。そして、フローズン大臣は階段を一歩ずつ上っていった。
大臣に手招きされ、イーミ姫さまやファイたち全員も王宮に続く、階段を興味深そうに一段ずつ上っていった。
☆☆
ファイ達は、王宮に続く階段を上り、ソワール王がいる、謁見の間に来ていた。配下の家臣たちが、ズラリと両端に並んでいた。
謁見の間の様式は、金銀で彩られ、華やかそのものだった。
謁見の間にイーミ姫さまが入った瞬間、どよめきが起こった。
まさか、あのソレイユ王国の姫さまが来るとは誰しもが、想わなかったからだ。
何故だと。
そして、ファイたちにも視線が飛び交う。
煌びやかな玉座と思しきものに座った年配の機知に飛び、王冠を被ったソワール王らしき人が、口を開いた。
「おお、よく来てくれた。久しぶりじゃのぅ、イーミ姫さま」
「お久しぶりです。ソワール王さま」
イーミ姫さまは立ち止まり、屈みこんで敬礼をする。
ファイたちも同時に屈みこんで敬礼をした。
しかし、ソワール王は不思議そうな顔をしていた。
「単刀直入に言うが、一体、どうしたのじゃ? ソレイユに何かあったのか?」
身を乗り出し、丁寧な声で訊いてきた。イーミ姫さまが面を上げた。
「いいえ、違うんです。ソレイユに変わりはございませんが、最近、無辜の民が殺されているのを知り、黙って見ていられなかったのです」
真摯な瞳で、イーミ姫は、遣り切れないような面持ちで言う。
その場にいた、家臣たちも皆一様に、心痛な面持ちだった。
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