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第五十四話 英雄は心臓が弱い? 意外な結果
しおりを挟む香織がスマホで救急隊を呼んで数分が経った。
救急車が公園の外に到着した。
隊員が担架を持って走ってきた。楓が誘導していた。
「隊員さん、ここです。友達が急に倒れたんです」
楓がいうと、隊員は担架をナポレオンの隣に持ってきていた。
隊員の一人は脈を計りだした。
「脈、乱れています」
「救急救命処置だ」
そういい、救命処置をナポレオンにしながら、身体の状態を見遣る。
「よし、急いで近くの病院に搬送だ。早く担架に乗せろ」
すぐに、処置をすると隊員の長と想われる人が指示し、担架に他の隊員がナポレオンを乗せた。
楓も、香織も、スザンヌも心配していた。涙が出そうだった。
愕然とした面持ちだった。
その時だった。隊員の一人が楓たちに言った。
「皆さん、お友達の方ですか? 近くの星屑の都病院に一緒に来ますか?」
「はい」
「あたしもいく」「わたくしも」
皆、答えは同じだった。ナポレオンのことが心配で要られなかったのだ。
そうして、全員、ナポレオンと共に救急車に乗り込んで、近くの星屑の都病院に向かった。
救急車で病院に着き、しばらく時間が経っていた。ナポレオンは集中治療室に入っていた。治療室の前のベンチに
皆、心配そうな顔で座っていた。
治療室から、医者が出てきた。どうやら、ナポレオンの治療に当たった医師だろう。
楓は、出てきた医者に駆け寄り、急ぎ足で訊いた。
「先生、ナポレオンの容態はどうなのですか?」
「軽い、心筋梗塞だな。心臓が弱いのかもしれん」
医者は全てわかったような口調で言い、口を濁した。
「心筋梗塞?」
「先生、どうなんですか、ナポレオンの意識は回復するんですか? 死んだりしませんよね」
楓は身を乗り出しながらいった。
☆☆
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ありがとうございます。
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