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第二章 本部編
54 お出迎え
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今日はついにアルフレッドが帰ってくる日、実に一ヶ月ぶりとなるアルとの再会なのだが……
「なんで迎えに行っちゃダメなんだよ!」
「ダメだ! 危険すぎる」
「何が?!」
パスカルが城の門の前まで迎えにいくというので、俺も行きたいとお願いしたのだが、ダメの一点張りで許可してくれないのだ。
迎えにいくことの何が危険なのかさっぱりわからない俺は、パスカルと絶賛言い争い中だった。
「どうせ本部に帰ってくるんだから、本部内でおとなしく待ってろ」
「そうだけど、どうせ暇だし着いて行くぐらいいいだろ」
今回ばかりは譲れないと引かない俺だが、パスカルも全く引こうとしない。どちらも引かない状況で睨み合いが続いていた。
パスカルの部屋で言い合いをしていた俺たちのところにコンコンコンとノックの音が聞こえる。
「入っていいぞ」
俺と睨み合いながらパスカルが応答すると、扉が開き現れたのはギルだった。ギルは俺たちが睨み合っている姿を見てなんだなんだと驚いている。
「何をしてんだお前ら」
「聞いてくれよ! パスカルがアルを迎えに行っちゃダメって言うんだ!」
我先にとギルを味方につけようとする。
パスカルへの不満を聞いたギルは、パスカルの方に目を向け、そのあと俺の顔を見て少し悩む。
「……めだ」
「え? なんて?」
「ダメだ、お前は部屋で大人しくしていろ」
──ガーン。
俺の味方になってくれると思っていたギルにもパスカルと同じように俺が迎えに行くことを許可してくれなかった。
ギルなら俺の味方になってくれると思っていたのに普通にショックだ。
ギルとパスカルは無慈悲にも俺を置いてアルの迎えに行ってしまった。
◇◇◇
「あ゛ぁ~、なんなんだよパスカルもギルもひでーよ!」
俺は自室に戻り一人ベッドの上で項垂れ文句を言う。なぜ行かせてくれないのかの理由も言ってくれなかった為、納得できずにいる。
こっそり着いて行ってやろうかと思ったが、絶対バレるのでやめておいた。
一人ベッドの上でゴロゴロと不貞腐れていると、唐突に部屋の扉が開いた。
「ヤッホー、サタロー! あーそーぼ」
小学生が家に来た時みたいな登場の仕方で部屋へ入ってきたのはレオだった。てか、ノックをしろ。
テンション高めで入ってきたが、俺はそんなレオをチラッと見て枕に顔を埋めた。
「あらあら? サタローちゃんご機嫌斜め?」
「そうだ、だから出てけ」
「んー辛辣ぅ~、どうしたのよ?」
全く出て行くつもりのないレオは遠慮なく俺が寝ているベッドに近づきドカっとベッドの端に座る。
せっかくなので愚痴を聞いてもらうことにした俺は、枕を抱きしめて起き上がりベッドの上に座り、先ほどの出来事をレオに話した。
「あー、そっか今日アルが帰ってくるんだっけな」
レオにもアルが帰ってくることは伝わっていたようだが、反応から分かるように忘れていたようだ。
「なんで言っちゃダメかの理由も教えてくれないんだ、ひどいだろ」
「確かにそれはひどい話だな」
「だろ!」
やっと俺の気持ちを理解してくれる人物が現れ嬉しくなる。その相手がレオというのは少々心もとない気もするが、まぁいいだろう。
「うーん、じゃあ会いにいちゃいます?アルのところ」
「え……でもギルとパスカルからダメだって言われたんだぞ」
さっきまで行きたかったとぶつくさ文句を言っていたのに、いざ行こうと言われると戸惑ってしまうのが人間というものだ。
二人が止めるということは何かしら意図があってのことだと思う。パスカルはともかくとして、ギルが理由も無しに俺に意地悪なことをするとは思えない。
ちょっと悩む俺だが、こうなったレオを止められる者はおらず、レオは俺をベッドから引っ張り出して部屋から連れ出した。
無理やり連れ出された俺だが、行きたいと思ってたのは確かだし止められた理由もよくわからなかったのでまぁいいかとレオと共にアルのお出迎えに城の門付近まで向かった。
この時の俺はすっかり忘れていたのだ。
初めてリズの部屋に招かれた時に言われた、会ってはならない人物のことを……
「なんで迎えに行っちゃダメなんだよ!」
「ダメだ! 危険すぎる」
「何が?!」
パスカルが城の門の前まで迎えにいくというので、俺も行きたいとお願いしたのだが、ダメの一点張りで許可してくれないのだ。
迎えにいくことの何が危険なのかさっぱりわからない俺は、パスカルと絶賛言い争い中だった。
「どうせ本部に帰ってくるんだから、本部内でおとなしく待ってろ」
「そうだけど、どうせ暇だし着いて行くぐらいいいだろ」
今回ばかりは譲れないと引かない俺だが、パスカルも全く引こうとしない。どちらも引かない状況で睨み合いが続いていた。
パスカルの部屋で言い合いをしていた俺たちのところにコンコンコンとノックの音が聞こえる。
「入っていいぞ」
俺と睨み合いながらパスカルが応答すると、扉が開き現れたのはギルだった。ギルは俺たちが睨み合っている姿を見てなんだなんだと驚いている。
「何をしてんだお前ら」
「聞いてくれよ! パスカルがアルを迎えに行っちゃダメって言うんだ!」
我先にとギルを味方につけようとする。
パスカルへの不満を聞いたギルは、パスカルの方に目を向け、そのあと俺の顔を見て少し悩む。
「……めだ」
「え? なんて?」
「ダメだ、お前は部屋で大人しくしていろ」
──ガーン。
俺の味方になってくれると思っていたギルにもパスカルと同じように俺が迎えに行くことを許可してくれなかった。
ギルなら俺の味方になってくれると思っていたのに普通にショックだ。
ギルとパスカルは無慈悲にも俺を置いてアルの迎えに行ってしまった。
◇◇◇
「あ゛ぁ~、なんなんだよパスカルもギルもひでーよ!」
俺は自室に戻り一人ベッドの上で項垂れ文句を言う。なぜ行かせてくれないのかの理由も言ってくれなかった為、納得できずにいる。
こっそり着いて行ってやろうかと思ったが、絶対バレるのでやめておいた。
一人ベッドの上でゴロゴロと不貞腐れていると、唐突に部屋の扉が開いた。
「ヤッホー、サタロー! あーそーぼ」
小学生が家に来た時みたいな登場の仕方で部屋へ入ってきたのはレオだった。てか、ノックをしろ。
テンション高めで入ってきたが、俺はそんなレオをチラッと見て枕に顔を埋めた。
「あらあら? サタローちゃんご機嫌斜め?」
「そうだ、だから出てけ」
「んー辛辣ぅ~、どうしたのよ?」
全く出て行くつもりのないレオは遠慮なく俺が寝ているベッドに近づきドカっとベッドの端に座る。
せっかくなので愚痴を聞いてもらうことにした俺は、枕を抱きしめて起き上がりベッドの上に座り、先ほどの出来事をレオに話した。
「あー、そっか今日アルが帰ってくるんだっけな」
レオにもアルが帰ってくることは伝わっていたようだが、反応から分かるように忘れていたようだ。
「なんで言っちゃダメかの理由も教えてくれないんだ、ひどいだろ」
「確かにそれはひどい話だな」
「だろ!」
やっと俺の気持ちを理解してくれる人物が現れ嬉しくなる。その相手がレオというのは少々心もとない気もするが、まぁいいだろう。
「うーん、じゃあ会いにいちゃいます?アルのところ」
「え……でもギルとパスカルからダメだって言われたんだぞ」
さっきまで行きたかったとぶつくさ文句を言っていたのに、いざ行こうと言われると戸惑ってしまうのが人間というものだ。
二人が止めるということは何かしら意図があってのことだと思う。パスカルはともかくとして、ギルが理由も無しに俺に意地悪なことをするとは思えない。
ちょっと悩む俺だが、こうなったレオを止められる者はおらず、レオは俺をベッドから引っ張り出して部屋から連れ出した。
無理やり連れ出された俺だが、行きたいと思ってたのは確かだし止められた理由もよくわからなかったのでまぁいいかとレオと共にアルのお出迎えに城の門付近まで向かった。
この時の俺はすっかり忘れていたのだ。
初めてリズの部屋に招かれた時に言われた、会ってはならない人物のことを……
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