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悪役令嬢はチャンスに遭遇する
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それは本当に偶然だった。
選択授業の移動教室で私はジェシカと廊下を歩いていた。
通常、教室からの移動にはダグラスかレオの護衛がつく。
今日はレオの担当だから本来ならレオも一緒にいるはずだった。
しかし少し前から高位貴族の専属護衛に対して学園の騎士科から実践演習の依頼がきていた。
護衛対象の令息や令嬢が授業の間だけ、その護衛騎士や専属護衛が騎士科の手伝いに駆り出されているというわけだ。
実際にライアンの護衛騎士も協力しており、同様にエレナの専属護衛であるダグラスやレオも協力を求められていた。
レオは前の授業の時間に騎士科に行っている。
いつもであれば授業終わりには戻ってきており移動教室には一緒に帯同するわけだが、今回はある程度の護衛もできるジェシカが一緒だったからゆっくり戻ってきていいとあらかじめ伝えてあった。
「ジェシカ様、私間違った教科書を持ってきてしまったので一度教室に戻りますわ」
「ご一緒します」
「いいえ。もう授業が始まってしまいますし、先生は時間に厳しい方ですから。すぐに戻りますからこのまま教室に向かってくださいませ」
そう言って、私を一人にすることを気にするジェシカを促してから教室に戻った。
次の授業は全員選択授業となっているため教室のある階には人影がまったくない。
先生、本当に時間に厳しいのよね。
開始時間に遅れるだけれペナルティが課されて成績にも影響するんだから。
そう思いつつ足早に教室に向かった私の耳が誰かの声を拾った。
「エマ嬢、君の望んでいたアーティファクトはこれだろうか?」
不意に聞こえた声は聞き慣れたライアンの声。
内容的にその場にはエマもいることがわかる。
あの二人、この時間の選択授業は取ってないんだっけ。
人気の無い教室で二人で何をしているんだか。
「ライアン様、私が欲しいのはこれではありませんわ!」
「しかし、母上が持っているアーティファクトはこれだけなのだが」
「そんなわけありません。もっとこう……四角い形をしたものがあるはずですわ」
四角い形をしたアーティファクトで王妃が所有しているはずのもの。
つまり、ゲームの中での記録のアーティファクトであり、この世界ではすでに私が手に入れた『あれ』のことだろう。
ゲームではエレナの断罪の時にも証拠映像として使っていたのよね。
現時点で私が手に入れているからその心配はもう無いんだけど。
「そうか。ではもう一度確認してみよう」
そう言ってライアンが手に持っていた何かを自分の机の引き出しにしまおうとする。
その瞬間、私は確かに見た。
あれは!
隷属のアーティファクト!!
そうか。
今や王妃が持っているアーティファクトはあれだけということね。
そしてエマは王妃が記録のアーティファクトを持っていると思い込んでいる。
ライアンには詳しいことを伝えずに、ただ単にアーティファクトを持ってきて欲しいと言ったのかもしれない。
もしくはあれしか無いと思っていたか。
私が見ている先で少し話すと二人は連れ立って教室を出て行こうとした。
とっさに柱の陰に隠れて私は息を潜める。
十分時間が経ってから私はそろりと柱の陰から顔を出した。
当然二人の姿はもう見えない。
どうしよう……。
私はドキドキと高鳴る胸に手を当てて考えた。
目の前に望んでいた物があると思うと否が応でも緊張が高まる。
そっと教室に入るとライアンの席に近づいた。
ライアンはかなり無造作に引き出しに入れていたけど、あれの価値がわかっていないのだろうか。
教室で個人に与えられた机には横に三段の引き出しがついている。
そこには教科書やノートだけでなく多少の私物も入れておくことが許されていた。
ライアンがさっき入れた引き出しには鍵がついているはずだけど……。
見ていた感じでは彼が鍵をかけた様子はなかった。
そう思いながら、そっと引き出しを引っ張ってみる。
「!!」
そこに、隷属のアーティファクトはあった。
所有者の青はマーブル模様に、隷属者の白は赤色に変化している。
ライアンが母親の元から持ってきたというのであればこれはまさしくレオを縛るもの。
私は震える手でそれを机の上に出す。
これは千載一遇のチャンスなのではないか。
動揺する頭の中で、そう思った。
誰もいない教室。
授業が始まってしまったからおそらくしばらくは誰も来ないだろう。
目の前にはどうやって手に入れるかを思い悩んでいたアーティファクト。
ここでこれを持ち去ってしまったらそれは窃盗という犯罪だ。
でも。
隷属からの解放をするのは可能だよね。
とっさに思いついたその考えが頭から離れない。
私は護身用に忍ばせてあった小振りのナイフを、自分の机の鍵付きの引き出しから持ち出した。
選択授業の移動教室で私はジェシカと廊下を歩いていた。
通常、教室からの移動にはダグラスかレオの護衛がつく。
今日はレオの担当だから本来ならレオも一緒にいるはずだった。
しかし少し前から高位貴族の専属護衛に対して学園の騎士科から実践演習の依頼がきていた。
護衛対象の令息や令嬢が授業の間だけ、その護衛騎士や専属護衛が騎士科の手伝いに駆り出されているというわけだ。
実際にライアンの護衛騎士も協力しており、同様にエレナの専属護衛であるダグラスやレオも協力を求められていた。
レオは前の授業の時間に騎士科に行っている。
いつもであれば授業終わりには戻ってきており移動教室には一緒に帯同するわけだが、今回はある程度の護衛もできるジェシカが一緒だったからゆっくり戻ってきていいとあらかじめ伝えてあった。
「ジェシカ様、私間違った教科書を持ってきてしまったので一度教室に戻りますわ」
「ご一緒します」
「いいえ。もう授業が始まってしまいますし、先生は時間に厳しい方ですから。すぐに戻りますからこのまま教室に向かってくださいませ」
そう言って、私を一人にすることを気にするジェシカを促してから教室に戻った。
次の授業は全員選択授業となっているため教室のある階には人影がまったくない。
先生、本当に時間に厳しいのよね。
開始時間に遅れるだけれペナルティが課されて成績にも影響するんだから。
そう思いつつ足早に教室に向かった私の耳が誰かの声を拾った。
「エマ嬢、君の望んでいたアーティファクトはこれだろうか?」
不意に聞こえた声は聞き慣れたライアンの声。
内容的にその場にはエマもいることがわかる。
あの二人、この時間の選択授業は取ってないんだっけ。
人気の無い教室で二人で何をしているんだか。
「ライアン様、私が欲しいのはこれではありませんわ!」
「しかし、母上が持っているアーティファクトはこれだけなのだが」
「そんなわけありません。もっとこう……四角い形をしたものがあるはずですわ」
四角い形をしたアーティファクトで王妃が所有しているはずのもの。
つまり、ゲームの中での記録のアーティファクトであり、この世界ではすでに私が手に入れた『あれ』のことだろう。
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現時点で私が手に入れているからその心配はもう無いんだけど。
「そうか。ではもう一度確認してみよう」
そう言ってライアンが手に持っていた何かを自分の机の引き出しにしまおうとする。
その瞬間、私は確かに見た。
あれは!
隷属のアーティファクト!!
そうか。
今や王妃が持っているアーティファクトはあれだけということね。
そしてエマは王妃が記録のアーティファクトを持っていると思い込んでいる。
ライアンには詳しいことを伝えずに、ただ単にアーティファクトを持ってきて欲しいと言ったのかもしれない。
もしくはあれしか無いと思っていたか。
私が見ている先で少し話すと二人は連れ立って教室を出て行こうとした。
とっさに柱の陰に隠れて私は息を潜める。
十分時間が経ってから私はそろりと柱の陰から顔を出した。
当然二人の姿はもう見えない。
どうしよう……。
私はドキドキと高鳴る胸に手を当てて考えた。
目の前に望んでいた物があると思うと否が応でも緊張が高まる。
そっと教室に入るとライアンの席に近づいた。
ライアンはかなり無造作に引き出しに入れていたけど、あれの価値がわかっていないのだろうか。
教室で個人に与えられた机には横に三段の引き出しがついている。
そこには教科書やノートだけでなく多少の私物も入れておくことが許されていた。
ライアンがさっき入れた引き出しには鍵がついているはずだけど……。
見ていた感じでは彼が鍵をかけた様子はなかった。
そう思いながら、そっと引き出しを引っ張ってみる。
「!!」
そこに、隷属のアーティファクトはあった。
所有者の青はマーブル模様に、隷属者の白は赤色に変化している。
ライアンが母親の元から持ってきたというのであればこれはまさしくレオを縛るもの。
私は震える手でそれを机の上に出す。
これは千載一遇のチャンスなのではないか。
動揺する頭の中で、そう思った。
誰もいない教室。
授業が始まってしまったからおそらくしばらくは誰も来ないだろう。
目の前にはどうやって手に入れるかを思い悩んでいたアーティファクト。
ここでこれを持ち去ってしまったらそれは窃盗という犯罪だ。
でも。
隷属からの解放をするのは可能だよね。
とっさに思いついたその考えが頭から離れない。
私は護身用に忍ばせてあった小振りのナイフを、自分の机の鍵付きの引き出しから持ち出した。
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