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悪役令嬢は舞踏会に参加する
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というわけで、舞踏会当日である。
うっかりブルー色のドレスでも着ようものならライアンのロイヤルブルーの瞳と合わせたと思われても嫌なので、今日の私は深いオレンジ色のドレスをまとっている。
そもそも髪の毛が鮮やかな金髪だから明るい色を持ってくると浮いてしまいがちだ。
やっぱり濃い色の方が落ち着くわよね。
とはいえ、前世ではオレンジのドレスなんて考えられなかったけど。
この世界は髪色からしていろいろな色があるし、どんな色のドレスを持ってきてもおかしいなんてことはないんだけどね。
「エレナ様、ごきげんよう」
会場に入るとさっそくクレアが声をかけてくる。
実際の舞踏会では入場から男性のエスコートを必要とするが、ここは学園での予行練習。
学園内に婚約者のいない者も多いし、かといって身内にエスコートをお願いしては学園生以外の参加がかなり多くなってしまう。
そういった理由からエスコートなしの入場となり、ある意味出入りは自由だ。
ただし、開会は生徒会長の挨拶で始まり、挨拶の後にまずはファーストダンスを披露しなければならない。
基本的に婚約者がいればその婚約者と、恋人同士であれば恋人同士で踊る。
どちらもいない生徒はそれぞれ友達を誘ったり、学園内に兄妹がいれば兄妹で踊ったりとさまざまだった。
たしか友人同士がこのダンスのパートナーになるとその後恋人関係に発展することが多いのよね。
前世でいうところのイベントマジックのようなものだろうか。
「クレア様は当然オーウェン様とファーストダンスを踊るのでしょう?」
「ええ。オーウェン様からお誘いいただいたので」
ふぁぁ。
美女の照れ顔の尊いことよ。
眼福だわ。
「そういえばソフィ様はもういらしているのかしら?」
「たしか先ほど会場入りしていたはずですわ」
クレアの言葉に会場内を見回すと、ソフィは入り口付近でベイリーと話している。
どうやらこちらの二人も仲は順調のようだ。
「そういえばエレナ様、今日ライアン様とはお会いになりまして?」
「いいえ」
不意に声をひそめてクレアが言うのに対し、なんとなく私も小声になる。
「先ほど別のクラスメイトが見かけたらしいのですけど…ライアン様はエマ様とご一緒されていたようで、エマ様のドレスが…その…ライアン様の瞳と同じロイヤルブルーだったとか」
なるほど。
どうやらエマは無事にライアンからドレスを贈られているようね。
「もしかして、アクセサリーはライアン様の髪色と同じプラチナブロンドかしら?」
私の言葉にクレアは気まずげな顔をする。
いやいや、いいのよクレア。
これは願ったり叶ったりの状況なんだから。
まぁ、それは私が思っているだけだから、周りはざわつくだろうし人によっては私に対して何か言ってくるでしょうけど。
それならそれで、誰が敵対する相手なのか分かりやすくていいわ。
「問題なくてよ、クレア様。私としては予想通りですもの」
私の言葉にクレアが驚きの表情をする。
そうよね、普通自分の婚約者が舞踏会で別の令嬢を連れていて、その令嬢が婚約者の色を身につけていたら心穏やかではいられないだろう。
でもいいの。
私としては予定通りだったから。
面倒だから早く絡んできて欲しいくらいだわ。
そして面倒ごとを片づけたら、私もこの舞踏会を楽しむことにしよう。
ちょうど人垣の向こうに噂の二人の姿が見える。
そろそろ戦闘開始のようね。
エマはいったい何と言ってくるかしら。
私は迎え撃つ気持ちで待ち構える。
芸術祭の第2ラウンドが開始しようとしていた。
あ…。
ダグラスは今日も私の護衛として背後に控えているわよ。
うっかりブルー色のドレスでも着ようものならライアンのロイヤルブルーの瞳と合わせたと思われても嫌なので、今日の私は深いオレンジ色のドレスをまとっている。
そもそも髪の毛が鮮やかな金髪だから明るい色を持ってくると浮いてしまいがちだ。
やっぱり濃い色の方が落ち着くわよね。
とはいえ、前世ではオレンジのドレスなんて考えられなかったけど。
この世界は髪色からしていろいろな色があるし、どんな色のドレスを持ってきてもおかしいなんてことはないんだけどね。
「エレナ様、ごきげんよう」
会場に入るとさっそくクレアが声をかけてくる。
実際の舞踏会では入場から男性のエスコートを必要とするが、ここは学園での予行練習。
学園内に婚約者のいない者も多いし、かといって身内にエスコートをお願いしては学園生以外の参加がかなり多くなってしまう。
そういった理由からエスコートなしの入場となり、ある意味出入りは自由だ。
ただし、開会は生徒会長の挨拶で始まり、挨拶の後にまずはファーストダンスを披露しなければならない。
基本的に婚約者がいればその婚約者と、恋人同士であれば恋人同士で踊る。
どちらもいない生徒はそれぞれ友達を誘ったり、学園内に兄妹がいれば兄妹で踊ったりとさまざまだった。
たしか友人同士がこのダンスのパートナーになるとその後恋人関係に発展することが多いのよね。
前世でいうところのイベントマジックのようなものだろうか。
「クレア様は当然オーウェン様とファーストダンスを踊るのでしょう?」
「ええ。オーウェン様からお誘いいただいたので」
ふぁぁ。
美女の照れ顔の尊いことよ。
眼福だわ。
「そういえばソフィ様はもういらしているのかしら?」
「たしか先ほど会場入りしていたはずですわ」
クレアの言葉に会場内を見回すと、ソフィは入り口付近でベイリーと話している。
どうやらこちらの二人も仲は順調のようだ。
「そういえばエレナ様、今日ライアン様とはお会いになりまして?」
「いいえ」
不意に声をひそめてクレアが言うのに対し、なんとなく私も小声になる。
「先ほど別のクラスメイトが見かけたらしいのですけど…ライアン様はエマ様とご一緒されていたようで、エマ様のドレスが…その…ライアン様の瞳と同じロイヤルブルーだったとか」
なるほど。
どうやらエマは無事にライアンからドレスを贈られているようね。
「もしかして、アクセサリーはライアン様の髪色と同じプラチナブロンドかしら?」
私の言葉にクレアは気まずげな顔をする。
いやいや、いいのよクレア。
これは願ったり叶ったりの状況なんだから。
まぁ、それは私が思っているだけだから、周りはざわつくだろうし人によっては私に対して何か言ってくるでしょうけど。
それならそれで、誰が敵対する相手なのか分かりやすくていいわ。
「問題なくてよ、クレア様。私としては予想通りですもの」
私の言葉にクレアが驚きの表情をする。
そうよね、普通自分の婚約者が舞踏会で別の令嬢を連れていて、その令嬢が婚約者の色を身につけていたら心穏やかではいられないだろう。
でもいいの。
私としては予定通りだったから。
面倒だから早く絡んできて欲しいくらいだわ。
そして面倒ごとを片づけたら、私もこの舞踏会を楽しむことにしよう。
ちょうど人垣の向こうに噂の二人の姿が見える。
そろそろ戦闘開始のようね。
エマはいったい何と言ってくるかしら。
私は迎え撃つ気持ちで待ち構える。
芸術祭の第2ラウンドが開始しようとしていた。
あ…。
ダグラスは今日も私の護衛として背後に控えているわよ。
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