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悪役令嬢は無自覚を指摘される

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「本当にその計画で進めるんですか?」
発表会当日のエマ対策を話したところ、ジェシカに渋い顔をされた。

「ダグラス様が許さないと思いますけど?」
「そうかしら?」
「絶対にそうです」

たしかに若干反対は受けそうな内容ではあるかもしれないけど、それほど?

「そうね、ではダグラスには内緒ということで」
「え!?」

計画に反対されたり横槍を入れられるのはダグラスといえども困る。
なので邪魔になるというのならサクッと内緒の方向で。

そう思って言ったのに、なぜかジェシカには驚愕の顔をされた。

…解せぬ。

「いやいや、内緒はまずいと思いますよ?」
「バレなけれないいんじゃないかしら?」
「あのダグラス様にバレないと思います?」

ジェシカとぽんぽん言い合うその会話が、実は最近私のお気に入りだったりする。
何というか彼女とのやりとりは前世の女子高生みたいな感じなのだ。

もちろん、クレアやソフィとの会話も楽しい。
ただ彼女たちは高位貴族だからか会話がとても丁寧。
まさにご令嬢という感じなのだ。

対してジェシカは、彼女の家が特殊だからか砕けた物言いが多い。
ちゃんと子爵令嬢であるにもかかわらず、そういう点では気楽だった。

「仮に何かあったとしてもダグラスのせいじゃないし、お父様には取り成すと言っておけば大丈夫じゃない?」

私の言葉に、ジェシカは何とも言い難い顔をする。

「前々から思っていましたけど、エレナ様って自覚が足りないですよね」

えええ…どういう意味?

「知ってます?最近私がエレナ様と一緒にいることが多くなったせいでクレア様とソフィ様がご一緒できないことが増えているじゃないですか。内容が内容だけにお仲間に入っていただくことも無理ですし。だからか私この間お二人に探りを入れられましたよ」

ん?
どういうこと?

本気で私が理解していないことがわかったのか、ジェシカが残念な子を見るような目で私を見た。

なんでー?
そういう目で見られること、本当に多いのだけど。
納得できないわぁ。

「つまり、私がエレナ様を独り占めしている状態なので、お二人とも嫉妬なさっているということですよ」

んまぁ!
クレアもソフィも私のことをそんなに思っていてくれたの?

「そこ、喜ぶところですか?」

もちろん。
ぼっちだった私に本当の友達ができただなんて、ここで喜ばずしてどこで喜ぶのよ。

「ちなみに今回の計画、実行したらおそらくダグラス様は怒ると思いますよ」
「そうかしら?」
何度言われても納得できない私に、

「無自覚って困る…」

ジェシカがそう呟いたけれど、私は計画を中止にする気はさらさらないのだった。
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