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レイラ

風呂

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夕食の後、シェイナとパティリエカは、お風呂に入ることにした。すると、シェイナが、

「シズカも一緒にどうですか?」

と尋ねてくる。その様子を見るだけでも、レイラの留守中にパティリエカやニューティと打ち解けることができたのが分かる。

きかれた静香も、

「じゃあ、お言葉に甘えて」

英語で応えた。静香は、日常会話程度ではあるものの英語が話せるようだ。さりとて、ここの人間達にとっては酷く訛ったそれに聞こえるらしいが。

『まあ、旅人って言ってたからそんなものでしょう』

パティリエカもそう納得して、敢えて何も言わなかった。

こうして、シェイナとパティリエカと静香の三人で、屋敷内に設置された浴場へ。

「うお~! これは立派な…!」

傭兵達を一時的に住まわせておくためのものとはいえ、不満が出ないようにとそれなりにしっかりと作られた屋敷は、設備も、貴族の屋敷と遜色のないものだった。

「私の世界の中世ヨーロッパは、ローマ帝国時代に作られた上下水道が失われて、風呂もトイレもまともなのがなくなってたらしいけど、この世界には普通にあるんだね」

静香はそう、日本語で感嘆の声を上げた。

なので、シェイナやパティリエカには何を言っているのかは分からなかったものの、すごく感心しているらしいというのは、表情などから察せられて、笑顔になる。

特にパティリエカは、

「これが、我が<ベル・ルデニオーラ>が誇る浴場ですわ。私の屋敷のものはさらに立派ですが、こことて我が国の技術が惜しみなく使われています!」

自慢げに紹介するなど、上機嫌だ。静香も、ほとんどの部分が聞き取れなかったものの、どうやら自慢しているらしいというのは察せられたので、

「すごいね!」

笑顔で応える。

こうして三人で湯船に浸かり、パティリエカが、

「それにしても、あなたの服装は、とても変わっていたわね。あれがあなたの国のものなの?」

問い掛けるが、さすがに何を言っているのかピンと来なかったので、

「ごめん、私、この国の言葉はあんまり分からなくて」

困った様子を見せた。それを見てシェイナが、

「パティリエカ様、シズカはこの国の言葉が分からないのではないですか?」

助け舟を出してくれる。

「ああ、なるほど。それもそうね」

パティリエカも納得はしてくれたものの、

「残念だわ。<ベル・ルデニオーラ>の素晴らしさを存分に教えて差し上げたかったのに」

少しがっかりした表情に。

「あはははは……」

これには静香も愛想笑いを返すしかできなかったのだった。

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